AAR/女王想話/第六話 ~ランカスターの夢~
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*第六話 ~ランカスターの夢~ [#qca3f2ac]
''Now is the winter of our discontent Made glorious summe...
''And all the clouds that lour'd upon our house In the de...
**海の都にて [#z735dbb0]
&ref(http://art6.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
窓の先は夕暮れに染まるカナル・グランデとゴンドラ乗りの歌...
私が一仕事を終えて自宅の扉を開くと、友が開けた窓の桟に座...
この友は英国からやってきた留学生で時折こうして我が家に忍...
私は前に見たときよりも肌が日に焼けている友に尋ねた。
「何時帰ってきた」
「昼にはサン・マルチーノ号に乗り換えて着いた。ルドガーに...
ルドガーとは彼のお目付け役である執事の名前だ。
差し出された上質の洋紙皮で拵えられた手紙を手にとり、文面...
「おめでとう、ウィリアム」
「まさか私にこんな役目を押し付けるなんて…。全く持ってデウ...
「それでも然るべき場所に人は落ち着くものよ。貴方も、私も...
目の前の留学生は頷いた。
後の英国女王、マリー2世の婚約者となったウィリアム・ダドリ...
けれど私は知っている。
&ref(http://art7.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
彼が退廃に塗れ、歴史の中に埋もれようとしている侵略者――大...
~ ヴェネチアの職人 マリア・スカルラッティの述懐 ~
**ノルマン・コンクエスト [#ke638361]
&ref(http://art4.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
1590年、マリー2世の即位を以って神聖ローマ帝国皇帝冠はバ...
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マリー2世は自らの統治においてスペインを宿敵と定め、滅ぼす...
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しかし神聖ローマ帝国皇帝を失ったこと、更に急激な拡張が仇...
これは皇帝の権威で得ていたドイツの人材が離れていってしま...
&ref(http://art8.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
アントワープでは劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品が...
This wide and universal theatre Presents more woeful page...
~ この世界という広大な劇場は、我々が演じている場面より...
女王はシェイクスピアの劇でこの台詞が最も印象に残ったと侍...
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征服者は征服者であることを止めようとしなかった。
全ての戦争を差配したのはマリー2世に権限を与えられたステ...
無論、この人選はマリー2世が助言を求めた相手であるレスター...
女王は野蛮な戦争の事など何も知らなかった。
一方で賢明にも自分の限界を弁え、人を見る目は確かだったの...
その際の人選にも政治的調整の専門家であるレスター伯が適切...
派閥を適度に争わせることで産まれる緊張感が大英帝国を活気...
&ref(http://art4.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
こうして大英帝国はスペイン帝国を少しずつ追い詰めていった。
まさしく今、この海洋帝国を滅ぼす為にレスター伯ウィリアム...
~ 宮廷歴史家 アンドリュー・ギボン著「マリー2世治世録...
**スペイン戦役 [#a1cb3003]
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「やはり我々の知りえぬ彼方から補給を受けているとしか思え...
スペインを支配下に置く為の戦役が始まってから7年の時が過ぎ...
3度の戦いを経て、首都マドリードを占領下においても抵抗を続...
スペインの膝を屈するためにはどうすればよいのか。
英国内閣官房陣は日夜対策の為に顔を突き合わせている。
この戦役の責任者であるレスター伯ウィリアムは会議室の壁に...
「アントワープ商人に調査させた金の流れ、渋るポルトガルか...
ヨーロッパ大陸を支配する為に国力の全てを傾けてきた大英帝...
「霧の中を想像する力こそが世界の果てにあるものを私の脳裏...
ヴェネチア商人仕込みの情報解析力でレスター伯はスペインが...
アジアへ植民の手を伸ばしつつあるスペイン帝国を屈服させる...
神聖ローマ帝国皇帝も普段とは違う大英帝国の強引なやり口に...
&ref(http://art2.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
もはや引けぬところまで国力を傾けているのである。
ここで失敗すれば未だ大英帝国の手の届かぬ新大陸でスペイン...
西暦1607年、レスター伯はステファン・ベレスフォード元帥に...
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ウィリアム・ダドリーが辿りついたのはコンゴ族が住まう地の...
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「貴公は……正気なのか?」
レスター伯が謁見を求めた相手、スペイン帝国皇帝フェリペ3世...
「けして冗談ではございません。貴方はランカスターの夢……野...
「世界全土を英国の元に統治するという余迷いごとのことか。...
「仰るとおり。ただ武力で支配し、富を収奪する帝国に未来は...
英国一の忠臣と呼ばれる家の長であり、女王の夫である男が揺...
そこに講和の付け入る隙があるのではないか。
そんなことを考えていたフェリペ3世に釘を刺すように皇配は続...
「大英帝国は武力ではなく、民族、人種、言葉を越えたキリス...
他の者が言ったのであれば詭弁であると誰も信じなかっただろ...
かつて教皇に「真の信仰の擁護者」とまで言われたレスター伯...
実際、気弱だが信心の厚いフェリペ3世はランカスターの夢に魅...
「しかしランカスターの夢に欠けていて、貴国が持っているも...
「スペインを属国とする為に自らの娘を差し出し、植民地政府...
「属国という形は取りますがポルトガル公と同様、公爵領とし...
レスター伯ウィリアムは知っていた。
目の前の皇帝が徹底抗戦の素振りを見せつつも、住み慣れたイ...
後世の人間から見れば一代目レスター伯のオリバーが我らのド...
彼の一族が真に信じるのはランカスター王という名の現人神の...
&ref(http://art6.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
目の前に甘いデザートを見せ付けられて揺らがぬほどの意志を...
1年間細部の交渉を詰め、1608年にスペインはイギリス帝国の属...
その講和内容は以下の通りである。
一、スペインを英国の公爵領とする。
一、スペイン公国に対し英国はスペイン戦役開始前の領土を返...
一、スペイン公国の植民権限を保障。同時にスペイン植民地に...
一、年内に英国王室とスペイン公爵家との婚姻を取り計らう。
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スペインという中心を失ったことで反イギリス派のスペイン王...
&ref(http://art5.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
北新大陸ではカナダ、アメリカが独立を宣言。
同時に南新大陸ではアルゼンチンが誕生した。
&ref(http://art8.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
ようやくイベリア半島を支配下に収めた英国はついに西部前線...
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情報を駆使し、ヴェネチア商船に乗り込んで鍛えた感覚を生か...
ジェームズ1世が退廃を危惧して導入したベネチア留学生制度に...
腐敗すれば牙を向くであろうイベリア国家を内包したことによ...
~ グレゴリー・ベレズスキー著 「スペイン戦記」より抜粋...
**証明 [#fdf3471a]
彼と初めて出会ったのはヨーク公の嫡子、あの生意気なヘンリ...
酒を嗜む大人達のパーティーに飽いていた私の耳に聞きなれぬ...
かつて代々の英国王族が住んでいたウィンザー城の中庭から響...
&ref(http://art6.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
小太りの少年は左手を胸に宛て跪く。
私は反射的に彼に手を差し伸べ、甲に口付けをさせた。
「貴方はどなた?」
「私はレスター伯嫡男、ウィリアム・ダドリーと申します」
ああ、彼がイングランドの盾の末裔なのか。
噂には聞いていたが伝説の中の勇敢な騎士と目の前の締まりの...
……その少年に再会したのはそれから10年後の事だった。
日に焼けた精悍な体付きの男に変貌を遂げた彼――レスター伯ウ...
私の運命を変えた父の死、その後の偉大なる帝国の統治は彼無...
彼が無知で無力な英国女王マリー2世に神が与えた贈り物だと確...
「初めて会った時のことを覚えていますか?」
もちろんランカスターに伝わる王家のグラスで杯を交わしたこ...
「私は義務である宴会に飽きて城を探索していた時、茶色い犬...
「ああ……なんということでしょう」
神が選んだ正統なる王の前に現れるという使者の存在。
ランカスターの御伽噺が伝える伝説は本当だったのだ。
デウスは至らぬ女王に民が苦しまぬよう、最愛の半身を選び与...
&ref(http://art8.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
1612年を私は忘れない。
アメリカ連邦、カナダを牽制する為にモホーク族の長を王とし...
私が王である為に必要な神の使い。
……掛け替えのない半身は永遠に失われたのです。
~ マリー2世ランカスター回顧録より ~
** I have a dream… [#ka38e85b]
もはや帝国の戦いの舞台は新大陸に続いてアジア全域へと拡大...
&ref(http://art5.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
大英帝国はモホーク族に対する支援表明の翌年、早晩衝突する...
この決定は半身を失った衝撃から脱出できていない女王に代わ...
マリー2世の治世の後年は次期英国王となる8歳年下の従兄弟ヨ...
「私には夢があるの」
女王は夢の中を彷徨うように呟く。
「イギリスが神の恩恵を世界中の人に届けて、戦のない、悲し...
マリー2世がランカスターの持病、シャルル6世から遺伝し、ヘ...
ヘンリー6世の時代と違い、国務長官制度により君主がいなく...
閣僚は女王の死を願い、男の王を求め始めた。
ヨーク公ヘンリーも同様だったが従姉弟であり親愛する女王に...
女王の描く夢は女王自身によって阻まれていた。
彼女は自分が存在する限り、神聖ローマ帝国皇帝冠は英国の手...
マリーは意識の確かな時、自らの死を望んだ。
しかし教会の教えは彼女に自死を許していなかった。
~ 宮廷歴史家 アンドリュー・ギボン著「マリー2世治世録...
**Deus vult [#pf5425bb]
あの生涯忘れられない出来事は燦燦と照りつける陽光が眩しい...
私は葡萄酒を女王お気に入りのグラスに注ぎ、震える手を押さ...
&ref(http://art7.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
女王はグラスに視線を落とした時、一瞬動きを止める。
―ばれたのか。
ひやりとする私を尻目に女王は微笑んだ。
「ありがとう」
女王は私に微笑みかけてそう言った。
そしてグラスを傾けて一気に神の血を飲み干した。
私は逃げた。ひたすらに逃げた。
後日、女王は突然の病に倒れ急死したと発表される。
&ref(http://art6.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
何故…!何故なの……!?
…許しも告解も求めません。
神よ、どうか貴方の選んだ王を害した罪人を罰してください。
神よ、世界を遍く照らす慈悲深さでどうしようもなく弱く、優...
神よ、神よ、神よ……迷える子羊達にどうか救いをもたらしてく...
~ 名も無き女の述懐 ~
**マリー2世の回顧録 [#zf2067f7]
'''この項目は封印指定を受けている。'''
~ マリー2世・ランカスター回顧録 最終項目 ~
#br
-----
第六話 ~ランカスターの夢~ 完
次回 第七話 ~双頭の鷲の旗を掲げて~ に続く。
*[[第七話 ~終わりの始まり、そして~>AAR/女王想話/第七話 ...
[[詳しい解説はハートマン軍曹白熱教室 世界征服編第7回にて:...
終了行:
[[AAR/女王想話]]
*第六話 ~ランカスターの夢~ [#qca3f2ac]
''Now is the winter of our discontent Made glorious summe...
''And all the clouds that lour'd upon our house In the de...
**海の都にて [#z735dbb0]
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窓の先は夕暮れに染まるカナル・グランデとゴンドラ乗りの歌...
私が一仕事を終えて自宅の扉を開くと、友が開けた窓の桟に座...
この友は英国からやってきた留学生で時折こうして我が家に忍...
私は前に見たときよりも肌が日に焼けている友に尋ねた。
「何時帰ってきた」
「昼にはサン・マルチーノ号に乗り換えて着いた。ルドガーに...
ルドガーとは彼のお目付け役である執事の名前だ。
差し出された上質の洋紙皮で拵えられた手紙を手にとり、文面...
「おめでとう、ウィリアム」
「まさか私にこんな役目を押し付けるなんて…。全く持ってデウ...
「それでも然るべき場所に人は落ち着くものよ。貴方も、私も...
目の前の留学生は頷いた。
後の英国女王、マリー2世の婚約者となったウィリアム・ダドリ...
けれど私は知っている。
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~ ヴェネチアの職人 マリア・スカルラッティの述懐 ~
**ノルマン・コンクエスト [#ke638361]
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マリー2世は自らの統治においてスペインを宿敵と定め、滅ぼす...
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アントワープでは劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品が...
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~ この世界という広大な劇場は、我々が演じている場面より...
女王はシェイクスピアの劇でこの台詞が最も印象に残ったと侍...
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無論、この人選はマリー2世が助言を求めた相手であるレスター...
女王は野蛮な戦争の事など何も知らなかった。
一方で賢明にも自分の限界を弁え、人を見る目は確かだったの...
その際の人選にも政治的調整の専門家であるレスター伯が適切...
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3度の戦いを経て、首都マドリードを占領下においても抵抗を続...
スペインの膝を屈するためにはどうすればよいのか。
英国内閣官房陣は日夜対策の為に顔を突き合わせている。
この戦役の責任者であるレスター伯ウィリアムは会議室の壁に...
「アントワープ商人に調査させた金の流れ、渋るポルトガルか...
ヨーロッパ大陸を支配する為に国力の全てを傾けてきた大英帝...
「霧の中を想像する力こそが世界の果てにあるものを私の脳裏...
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神聖ローマ帝国皇帝も普段とは違う大英帝国の強引なやり口に...
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西暦1607年、レスター伯はステファン・ベレスフォード元帥に...
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ウィリアム・ダドリーが辿りついたのはコンゴ族が住まう地の...
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「貴公は……正気なのか?」
レスター伯が謁見を求めた相手、スペイン帝国皇帝フェリペ3世...
「けして冗談ではございません。貴方はランカスターの夢……野...
「世界全土を英国の元に統治するという余迷いごとのことか。...
「仰るとおり。ただ武力で支配し、富を収奪する帝国に未来は...
英国一の忠臣と呼ばれる家の長であり、女王の夫である男が揺...
そこに講和の付け入る隙があるのではないか。
そんなことを考えていたフェリペ3世に釘を刺すように皇配は続...
「大英帝国は武力ではなく、民族、人種、言葉を越えたキリス...
他の者が言ったのであれば詭弁であると誰も信じなかっただろ...
かつて教皇に「真の信仰の擁護者」とまで言われたレスター伯...
実際、気弱だが信心の厚いフェリペ3世はランカスターの夢に魅...
「しかしランカスターの夢に欠けていて、貴国が持っているも...
「スペインを属国とする為に自らの娘を差し出し、植民地政府...
「属国という形は取りますがポルトガル公と同様、公爵領とし...
レスター伯ウィリアムは知っていた。
目の前の皇帝が徹底抗戦の素振りを見せつつも、住み慣れたイ...
後世の人間から見れば一代目レスター伯のオリバーが我らのド...
彼の一族が真に信じるのはランカスター王という名の現人神の...
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目の前に甘いデザートを見せ付けられて揺らがぬほどの意志を...
1年間細部の交渉を詰め、1608年にスペインはイギリス帝国の属...
その講和内容は以下の通りである。
一、スペインを英国の公爵領とする。
一、スペイン公国に対し英国はスペイン戦役開始前の領土を返...
一、スペイン公国の植民権限を保障。同時にスペイン植民地に...
一、年内に英国王室とスペイン公爵家との婚姻を取り計らう。
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北新大陸ではカナダ、アメリカが独立を宣言。
同時に南新大陸ではアルゼンチンが誕生した。
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情報を駆使し、ヴェネチア商船に乗り込んで鍛えた感覚を生か...
ジェームズ1世が退廃を危惧して導入したベネチア留学生制度に...
腐敗すれば牙を向くであろうイベリア国家を内包したことによ...
~ グレゴリー・ベレズスキー著 「スペイン戦記」より抜粋...
**証明 [#fdf3471a]
彼と初めて出会ったのはヨーク公の嫡子、あの生意気なヘンリ...
酒を嗜む大人達のパーティーに飽いていた私の耳に聞きなれぬ...
かつて代々の英国王族が住んでいたウィンザー城の中庭から響...
&ref(http://art6.photozou.jp/pub/142/3068142/photo/201837...
小太りの少年は左手を胸に宛て跪く。
私は反射的に彼に手を差し伸べ、甲に口付けをさせた。
「貴方はどなた?」
「私はレスター伯嫡男、ウィリアム・ダドリーと申します」
ああ、彼がイングランドの盾の末裔なのか。
噂には聞いていたが伝説の中の勇敢な騎士と目の前の締まりの...
……その少年に再会したのはそれから10年後の事だった。
日に焼けた精悍な体付きの男に変貌を遂げた彼――レスター伯ウ...
私の運命を変えた父の死、その後の偉大なる帝国の統治は彼無...
彼が無知で無力な英国女王マリー2世に神が与えた贈り物だと確...
「初めて会った時のことを覚えていますか?」
もちろんランカスターに伝わる王家のグラスで杯を交わしたこ...
「私は義務である宴会に飽きて城を探索していた時、茶色い犬...
「ああ……なんということでしょう」
神が選んだ正統なる王の前に現れるという使者の存在。
ランカスターの御伽噺が伝える伝説は本当だったのだ。
デウスは至らぬ女王に民が苦しまぬよう、最愛の半身を選び与...
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1612年を私は忘れない。
アメリカ連邦、カナダを牽制する為にモホーク族の長を王とし...
私が王である為に必要な神の使い。
……掛け替えのない半身は永遠に失われたのです。
~ マリー2世ランカスター回顧録より ~
** I have a dream… [#ka38e85b]
もはや帝国の戦いの舞台は新大陸に続いてアジア全域へと拡大...
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大英帝国はモホーク族に対する支援表明の翌年、早晩衝突する...
この決定は半身を失った衝撃から脱出できていない女王に代わ...
マリー2世の治世の後年は次期英国王となる8歳年下の従兄弟ヨ...
「私には夢があるの」
女王は夢の中を彷徨うように呟く。
「イギリスが神の恩恵を世界中の人に届けて、戦のない、悲し...
マリー2世がランカスターの持病、シャルル6世から遺伝し、ヘ...
ヘンリー6世の時代と違い、国務長官制度により君主がいなく...
閣僚は女王の死を願い、男の王を求め始めた。
ヨーク公ヘンリーも同様だったが従姉弟であり親愛する女王に...
女王の描く夢は女王自身によって阻まれていた。
彼女は自分が存在する限り、神聖ローマ帝国皇帝冠は英国の手...
マリーは意識の確かな時、自らの死を望んだ。
しかし教会の教えは彼女に自死を許していなかった。
~ 宮廷歴史家 アンドリュー・ギボン著「マリー2世治世録...
**Deus vult [#pf5425bb]
あの生涯忘れられない出来事は燦燦と照りつける陽光が眩しい...
私は葡萄酒を女王お気に入りのグラスに注ぎ、震える手を押さ...
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女王はグラスに視線を落とした時、一瞬動きを止める。
―ばれたのか。
ひやりとする私を尻目に女王は微笑んだ。
「ありがとう」
女王は私に微笑みかけてそう言った。
そしてグラスを傾けて一気に神の血を飲み干した。
私は逃げた。ひたすらに逃げた。
後日、女王は突然の病に倒れ急死したと発表される。
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何故…!何故なの……!?
…許しも告解も求めません。
神よ、どうか貴方の選んだ王を害した罪人を罰してください。
神よ、世界を遍く照らす慈悲深さでどうしようもなく弱く、優...
神よ、神よ、神よ……迷える子羊達にどうか救いをもたらしてく...
~ 名も無き女の述懐 ~
**マリー2世の回顧録 [#zf2067f7]
'''この項目は封印指定を受けている。'''
~ マリー2世・ランカスター回顧録 最終項目 ~
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第六話 ~ランカスターの夢~ 完
次回 第七話 ~双頭の鷲の旗を掲げて~ に続く。
*[[第七話 ~終わりの始まり、そして~>AAR/女王想話/第七話 ...
[[詳しい解説はハートマン軍曹白熱教室 世界征服編第7回にて:...
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