#author("2020-09-03T11:57:45+00:00;2020-09-03T11:54:37+00:00","","")
#author("2020-09-04T10:05:11+00:00;2020-09-03T11:54:37+00:00","","")
[[AAR/海軍アイデアで始める内海生活]]

#contents
 

**初手海軍戦略の流れ [#gfdfb667]

初手海軍戦略の流れを一つにまとめておきます。
本当は見た目も綺麗なフローチャートを作りたかったのですが、私のセンスがダメで断念しました。

ここで言う「安全圏」とは、制海権さえ確保できれば交戦対象の国の陸軍に攻め込まれない土地を指します。
大陸から隔絶された離島、大陸と海峡でのみ繋がる島、通行許可を縛って中立国の壁を作れる一部環境がこれに当てはまります。

 0A.安全圏を首都とする国でスタート
 0B.安全圏を所有する国でスタート、迅速に安全圏へと首都移転
 0C.安全圏を所有しない国でスタート、最寄りの安全圏を所有する国へnoCBも躊躇わず迅速に奪い、そこへ首都移転

 1A.「海軍アイデア」を選択する
 1B.「海運アイデア」を選択する(海軍or海運のどちらを優先するかは後述)

 2A.ガレーを量産する
 2B.交易紛争CB((対象ノードに両国の商人が存在、相手国が20%以上のTP、自国が10%以上のTP))を作成できる交易力を確保できる量の小型船を生産する

 3A.大国に対し、向こうから殴ってくるのを待つ
 3B.大国に対し、安全圏の占領((離島占領を狙うなら制海権の確保から達成しやすいが、大陸から歩いて渡れる島を確保するのには苦労するかも))条件CBで仕掛ける
 3C.大国に対し、交易紛争CBで仕掛ける

 4.CB条件の満額達成の戦勝点25と、海上封鎖中による戦勝点を稼ぐ
 5.即金賠償・継続賠償・交易力送出((交易紛争CB時に半額の戦勝点コストで得))などの条件で和平
 6.停戦明け後の再戦争で繰り返し稼ぐも良し、賠償を元手に普通の拡大プレイを始めるもよし

 
**内海以外では? [#u6116b4d]

AARのタイトルにもあるように、この戦略の基本的な前提は、主たる戦闘海域が''内海''であることです。

内海とはつまり、地中海・黒海・バルト海・紅海・ペルシャ湾と日本・中国沿岸ですね。
更に[[次回アップデートで東南アジア沿岸の内海化が予定されている>https://simulationian.com/2020/07/eu4-dd20200714/]]とのことです。

 
ただし、[[モルディブ編>AAR/海軍アイデアで始める内海生活/モルディブ編]]でも示したように、''ガレー艦隊は(序盤なら)外海でも勝てます。''

とはいえ地理上の問題として、外海に位置する国が海軍戦略を用いにくい、それこそモルディブぐらいしか該当国がありません。
また、外海に面する小国は''植民戦略''が使いやすい関係、海軍戦略との間で排他的な関係になりやすいですね。

モルディブプレイも勝てこそしましたがヒヤヒヤさせられたので、やっぱり内海ガレーありきの戦略だとは思います。

 
**アイデア選択、海軍か海運か? [#peacb15b]

簡単に言えば、''質の海軍''に対し''量の海運''です。
そして海戦というものは、''戦闘幅を埋めるまで量''、''戦闘幅を埋めたら質''がものを言います。

どんな精鋭でも幅未満の環境、つまり5隻で20隻に勝つのは困難でありますが、
幅さえ埋まっていればたとえ相手が1000隻だろうが勝てます。

よって、''戦闘幅を埋められない状況なら、量の海運''を優先したいです。

 
幅を埋めるためのガレーを作るには、それに足る''資金''と''水兵''が必要です。
扶養限界は資金力のゴリ押しでどうにかできるので、さほど気にせず良いです。

そもそも初手海軍戦略が有効となるのは大部分が小国でしょうから、得てして資金も水兵も足りません。
ただし''raid''が使えるなら、その両方を獲得できるがために、海運なしで戦闘幅を埋めるのが現実味を帯びてきますね。

''じゃあこのAARのタイトルちょっと違くない?''と思われる方も居るかもしれません。
だが待ってほしい、なにも海軍アイデアがゲーム中の「Naval Idea」とは限らないではないか。
''海軍(を使った独自の)アイデア(のプレイ)''という意味かもしれないのだから、そう解釈しておいてもらいたい。((さすがに無茶苦茶な理屈にも程がある。))

 
**けっきょく要らないのでは? [#mc3e99f3]

ぶっちゃけ言いますと、''幅さえ埋めとけば''勝てます。幅埋めに対応するのは海運であって海軍ではありません。

はっきり言ってAIの海軍運用ヘタ。各個撃破の機会は多いわ旧式艦が混ざってるわで、プレイヤーの側にミスがあるか、余程の糞運((敵提督が極めて優秀or糞ダイス))でもなければ負けません。
序盤の内海ガレーはただでさえ強いのに、''ドクトリンのガレー戦闘力+15%''が加わっているのですから、おおよその場合は質でも勝てるんです。

率直に言えば''海軍アイデアはオーバーキル''です。敵海軍を凄まじい勢いで溶かすので気持ち良くはなれますが、あまり合理的とは思えません。

 
もし海軍アイデアを使う状況を考えるとしたら、せいぜい以下の三つ。

・中盤以降、海軍アイデアを取ってしまったAI大国((デンマークとかが稀にとってる))をボコる
・中盤以降、外海で大国の大型船艦隊をボコる
・中盤以降、内海で大国ヴェネツィアのガレー艦隊をボコる

このAARを読んできた方はお気づきでしょうが、''中盤以降は、もう海軍に頼らなくて良い''のは明らかなんですよね。
序盤の内に賠償金さえ取ってしまえば、それを元手に一般的な中堅国→大国化プレイを行えば済むのです。

いつまでも海の民である必要は無いってこと。

 
''よって海軍アイデアは要らない、Q.E.D''

 
**海軍アイデアはOP [#s734c776]

なお、[[【EU4】日本マルチコミュ>マルチプレイ]]では''海軍アイデアは強すぎるので禁止''になっているそう((ここ最近はマルチコミュを覗いてないので情報が古いかも。))です。
なお、[[【EU4】日本マルチコミュ>マルチプレイ]]では''海軍アイデアは強すぎるので禁止''になっているとのことです。

AIと違ってプレイヤーの場合、互いにそこそこ適切((機動が高めの提督かつ大型船で戦闘幅を埋める。))な艦隊運用を行います。
既に説明したように、戦闘幅が双方共に埋まった海戦は''質の暴力で決着''がつくので、''海軍アイデア取得側の必勝''となります。

なおかつAIと違ってプレイヤーは''制海権を活用''するのがうまいです、
継続的な海上封鎖で戦争疲弊を送りつけたり、場合によっては適切な上陸作戦を行ったりと、制海権奪取を戦争の勝敗に繋げていきます。

これによって何が起こったか、プレイヤー全員が海軍アイデアを取らざるを得ない事態の発生です。
そんなことを強いられる割には、陸戦に比べて海戦は面白みに欠けている。
アイデア選択の多様性を潰した上に、不毛な海戦に人々を誘うよりは、いっそルールで禁止したほうがマシという判断、とてもよく分かります。
一般的にマルチは''陸戦における質の暴力''が重要とされていますが、それは大部分の大陸国家においての話。
イギリスや日本のような島国は陸戦に付き合わずとも制海権によって自国の安全を守ることができ、攻撃的に海軍を用いることで大陸国家へ嫌がらせできます。
大陸国家に比べ海軍アイデアを取りやすい島国が、ただでさえ優位な海軍力を更に強めてやりたい放題するのを抑制するための禁止ルールとのことです。

 
**解説 - 海賊共和制 [#u1a87e67]

海軍と言えば海賊みたいなところはあるんですが、今回のAARでは一度しか使いませんでした。
ここで海賊の長所と短所を簡潔にまとめておきます。

長所
 ・raidが宗教制限なく使いたい放題/序盤の資金と水兵に絶大な寄与
 ・海軍扶養限界+50%/raid収入を無駄なく変換
 ・敵艦拿捕率+33%/途中から自前で造船する必要なし
 ・政府改革の「海賊王」を選択すると君主能力の期待値が高くなる/提督能力から君主能力を算出する特殊なメカニズムがあり、優秀な提督が優秀な君主となる

短所
 ・「Estateが消滅」、代わりに追加されるFactionがショボい
 ・統治限界が小さい、絶対主義-50も合わせ拡張プレイは絶望的
 ・海賊をやめるには政府改革を最後まで進めるしかない

端的に言えばraidが本体ですが、raidが生きるのは序盤だけ。
その一方で''Estate消滅という致命的な短所''に加え、中盤以降の拡大のジリ貧を考えると採用する気にはなれませんね。

AAR本編でも書いたように、海賊に移行する条件は(一部の専用イベントを持つ国を除いて)なかなか渋いです。
わざわざ苦労して海賊になっても、その恩恵を得られるのはわずかな間、中盤から負債が広がる一方ではどうしようもない。

そして思ったけど、''海賊でもないのにraidできる連中''ってズルい。いや、海賊なんだけどさ。


 
**書き損ねた補足、全部書く [#a03e17e1]

***宗教 [#uebc9bea]

海軍に効果のある宗教は少なく、せいぜい改革派の海軍士気+10%しか目立ったものはありません。
ところがどっこい、''テングリ+二次宗教ノルス''でガレー戦闘力+20%があるのを発見しました。

残念ながら通常プレイではどうあがいてもノルスが出てくれないので、使えません。悲しい。
ノルスがどっかに沸いてくれるなら、テングリ改宗も辞さないのですが。

***耐久性 [#p76dd589]

海軍の質をガン上げする方向性はいくつか考えたのですが、その中で気になってたのが耐久性です。
シンプルにダメージをカットするので強力に違いないですが、能動的に上げるのは難しい傾向。

なんと中華皇帝の政令では''+20%''の船耐久性が貰えます。エグい。
たぶんシングルでは活用できないので、誰かマルチで中華皇帝海軍((明海軍と言わないのは、明の使用規制があるマルチが多いとのことから。))を使ってあげてください。

***ガレーの弱点と対策 [#y0c0c768]

ガレーの深刻な欠点は足が遅いことです。
マップ上での移動速度は、小型船>>>>大型船=輸送船>>ガレー船となっています。

一つの対策として、小型船を先行させて敵海軍を捕捉・足止めし、小型船が始めた戦闘が終わった直後(を理想)にガレーを突っ込ませるものがあります。
小型船の戦闘に後からガレーが参加する形だと、不利を悟った敵海軍にすぐ離脱されてしまうので好ましくありません。

しかしこんな小細工は面倒ですから、私は''自動巡回任務''で放置していることが多いです。
意外にも結構な頻度でAI海軍を捕捉・撃滅しており、三つも艦隊を出せばいつの間にか敵海軍が消えてます。
海運アイデアがあれば港から出ていても修理が進みストレスも少ないです。水兵を消耗していく問題はありますがね。

 
**終わりに [#ubef5327]

他のAARと並行掲載する形になり、けっこう完結までに時間を要しましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
この最後のページは、ページの性質上として文字ばかりで読みにくいかもしれません。気になるところだけで抜き出して読むのがオススメです。

そうそう、先日のことですが[[「海賊と商人の地中海」マルタ騎士団とギリシア商人の近世海洋史>https://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002303]]という本AARのために出版されたかのようなタイトルの翻訳書の背表紙と目が合ってしまいました。
まだ途中までしか読んでいませんが、EU4プレイヤーなら楽しめる一冊だと思います。DLC2本分だと思えば安い買い物です。

 
最後に、本AARを書く上で多大なるインスピレーションを与えてくださった[[マルチAARのMorroco海賊神>AAR/伝説の巨人の力]]の功績を讃えて〆とさせていただきます。

 
 
 
 
 
 
前  [[モルディブ>AAR/海軍アイデアで始める内海生活/モルディブ編]]

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