AAR/誰でも簡単、糞まみれWC

 

 

始めは大きく

筆者の考えは、カザンは、オスマンやティムール(ムガル化)、HREファンネルなどの大国よりも、世界征服に適するというものであり、これは必ずしもすべてのプレイヤーにとって絶対ではありません*1が、
オスマンなどが持たない決定的な優位を、カザンが持っている事実を示していくことで、それなりに説得力のある見解としてまとめることを狙っています。

 
他に適切な書き入れる場所が無かったので、ついでにこの項に書いておきますが、
今プレイにおいては、属国は、原則として用いません。*2

属国は、再征服CBを活用した低AEでの拡大、コア化の回避によるADMの節約とOE対策、属国軍による塗り絵サポートなど、大きな利得があります。
ただし、遊牧民、特にカザンの場合、これらの利得のために属国を作らずとも、わりとどうにかできてしまうため、
属国管理に、プレイヤーの脳内リソースを用いず、お気楽にWCを達成するため、使用しないことにしました。*3
これは、razeによるWCの先駆者様のAARと、おおよそ同じ結論と言って差し支えないかもしれません

 
 

解説の項について

解説と冠されている項は、文字通り、ゲーム内の仕様を解説する内容となっています。
「それは知っている」という項目については、読み飛ばしていただいても、差し支えない構成となっています。

 
 

時間を進める前の準備

開始時.JPG

君主・後継者ともに有能とは言い難いですが、おおよそ平均程度の十分な能力です。
このぐらいの能力であれば、躊躇なく将軍化し、こき使うのが良いでしょう。
遊牧民は、後継者が不在or成人していないときに君主が死亡すると、継承危機が生じますが、遊牧民団結を高くしておけば、遊牧民団結が減るだけで済みます。*4

顧問は全てレベル1を雇用、君主力以上に、顧問の補正が目当てです。
規律+5%の軍事顧問は、あまりにも優秀で、これが居るか居ないかで、野戦の結果に大幅に差が出ます。*5
初期で規律顧問が居ないときは、抵抗感が無いならリスタートするか、顧問解雇ガチャを使って無理にも出したほうが楽ができます。

NFは軍事に振り、軍事技術の遅れを絶対に防ぐ意思を示すと共に、将軍をガチャる準備をしておきます。
将軍枠は、初期で1、PP25以上で2、封建制受容で3、帝国ランクで4、アイデア等で更に上昇します。
今プレイでは、ほとんどの期間において将軍枠を最大まで埋めています。
序盤は野戦で勝つためのショック、中盤からは攻城速度を高める包囲が高い将軍が優秀で、これらを得るため、君主力が余ってるとき、積極的にガチャしていきます。

ライバルは、モスクワ・ノガイ・ウズベクを指定し、禁輸と侮辱を迅速に飛ばすことでPPを稼いでいます。
今プレイでは、超大国化によってライバルが指定できなくなるまで、常にPPが50超となり、君主力と高い士気に資しています。

他には、首都カザンの要塞を解体、交易商人の最適化、部族estateからの騎兵5ユニット&将軍の徴用と、金→人的資源*6の変換を行っています。

 
 

解説/遊牧民団結、安定して強力

君主制における正統性、共和制における伝統に対応する機能として、遊牧民には、団結(Horde Unity)があります。

団結は、自国の総DEVに伴って減少し続ける一方、raze*7とloot*8によって増加します。
遊牧民団結が低下すると、継承危機等のバッドイベントのトリガーとなり、最悪の場合は国家の崩壊に繋がります。
しかし、WCを目標とするプレイでは、戦争し続ける都合、razeとlootが常に行われ続けるため、ほとんどの期間において、団結が安定して100に張り付きます。

100の団結は、規律+5%/不穏度-2%という、共に強力な効果を生み続け、正統性や伝統がMAXである際の効果を凌駕しています。

 
 

初戦 vsノガイ

宣戦布告が可能となる開始一ヶ月後に、遊牧民CBでノガイに仕掛けます。
この立ち上がりの迅速さは、遊牧民の魅力の一つです。
通常の国家の場合、一年以上のクレーム作成期間を挟んでから、やっと宣戦することになります。*9
開戦が遅くなるほど、AIが同盟を増やしてくる都合、一日でも早く戦争を開始すれば、敵が少なく、楽に戦うことができます。

 
ノガイ戦力.JPG

ノガイは十中八九ウズベクと結ぶため、単独で仕掛けるカザンが劣勢です。
しかし、このぐらいの差であれば、用兵の差で覆すことができます。

序盤において、戦力が五分or劣勢の状態の戦争に勝つコツは、とにかく野戦で敵を叩くことに尽きます。
高ショック*10の将軍を付け、規律の軍事顧問を雇い、兵を集中させ、敵軍を質と数の優位で叩くことで、あわよくば殲滅しましょう。

 
ある程度の殲滅を繰り返せば、もはや占領するだけです。
共戦国のウズベクもろともノガイを蹴散らし、ウズベクからは金と威信を、ノガイからは金と土地を、100点の和平で奪ったのが、開戦から三年後のことです。
ウズベクから州を取らないのは、共戦国への「不適正な要求」でDIPを消費したり、AE・戦勝点が肥大するのを嫌ったことに加え、そもそもウズベクの州を今は必要としていない事情があります。

ノガイ占領2.JPG

 
ノガイからは、以下のように州を奪いましたが、露骨に道が作られていますね。
何を目指しているか、察した方も多いでしょう。

ノガイルート2.JPG

 
 

解説/遊牧民同士の戦闘

遊牧民は、平野部でショック与ダメ+25%、平野部以外(カザン周辺では森が筆頭)でショック与ダメ-25%となる特徴があります。
遊牧民同士が平野でぶつかった場合は、お互いに与ダメが増えるので、急激な勢いで戦闘が進行します。

手動の退却命令が可能になる戦闘開始12日経過までに、敵の士気を打ち砕くと、退却が発生せず、殲滅できるのは、周知のことです。
遊牧民同士の戦闘は、戦闘の進行が急であるがために、殲滅が発生しやすいという特徴があります。

なお、ゲーム開始時の軍事技術3における戦闘幅は20と、中堅国のFLとほぼ一致しています。20kの軍を、それより少数の軍にぶつければ、必ず量の優位を得ることができます。
量の優位に加え、将軍と顧問による質の優位を確保し、地形のマイナスを受けないように立ち回れば、ほとんどの戦闘で殲滅に成功します。

敵の主力を殲滅してしまえば、敵軍が再建されるのには時間を要しますし、
再建された軍も1k単位でバラバラに動くので、よほど縦深がある国(リトアニアなど)が相手でない限りは、既に戦争の勝利は決まったようなものです。

 
 

二戦目 vsモスクワ

ノガイ戦を終えると、おなじみ、モスクワがノブゴロドを虐めています、
モスクワは放っておくと強大化し、カザンを確実に殴って来るでしょうから、早めに始末するほうが安定すること間違いなし。

兵力では、5つもの属国を引き連れるモスクワに対し、大幅にカザンが劣っていますが、下の画像と、後述の解説で示すように、野戦でカザン軍は勝ちまくっています。

野戦勝利.JPG*11

 
遊牧民の、対遊牧民以外へのCBは、野戦の勝利が戦争目標となっている都合、効率良く戦勝点を稼ぐことができます。*12
気が付くと50点以上溜まっており、モスクワが人的資源切れ・高厭戦・反乱の三重苦に見舞われていることで、ろくに州を占領せずとも、100点近くの和平が通る状況となりました。
とはいえ、要塞を攻略していないと、その要塞の周辺の州を獲得する和平が通らないため、最低限としてリャザンの要塞*13を攻略し、四年程度で戦争を終えました。

 
戦果として、州よりも嬉しいのはダカットです。モスクワのDEVが高いおかげで、多額の即金が手に入り、これだけで生きていける気になれます。
問題は、ダカットの投資先が無いという点です。寺院を建ててリターンが期待できるような州は、カザン領内に存在しません。

土地の貧弱さは、中央アジアあるあるの典型です。
こんなところにいつまでも居られるか!

なお、モスクワからの州獲得により、封建制を受容することができました。
封建制からDEVポチを始めるのは気が遠くなるので、たいていの未開国は、最寄りの先進国を殴り、物理で制度を受容するのが好ましいでしょう。

 
 

解説/遊牧民vs非遊牧民の戦闘

序盤の遊牧民グループは、歩兵のトータルpipが4、騎兵のトータルpipが6であるのに対し、
モスクワなど東欧グループと、明など中華グループ、そして西欧グループは、歩兵のトータルpipが2、騎兵のトータルpipが3と、哀れなほどの性能差があります。
初期で騎兵が多い上、estateの部族からも騎兵が湧いて出るため、騎兵中心のカザン軍は、モスクワ等の歩兵に3倍ものpip差を叩き出しています。ひどい話です。

遊牧民団結MAXと顧問を合わせて規律+10%と、遊牧民の平野での与ショック補正+25%が重なるため、バターのようにモスクワ軍が溶けていきます。

アナトリア・ムスリム・インドグループの歩兵はpip3あるので、さすがに東欧・西欧・中華グループほど軟弱ではありませんが、それにしても遊牧民が優位です。
遊牧民とpipで並んでいるのは、ランダムニューワールド専用の特殊グループである「ハイ・アメリカ」だけということが、いかに遊牧民がおかしな性能であるかを物語っています。

 
 

ルネサンスは金山から

なんと、カザンの初期保有州には、この周辺で唯一の金山(バーシュギルド)が含まれています。
ユーラシア内陸は、世界で最も金山に恵まれていない地域であり、バーシュギルドから離れると、西はスロヴァキア、東は東トルキスタンまで、金山は存在しません。

他国から奪った金山を活用しようとしても、自治度の都合で収入増に遅れが生じてしまいますが、最初から自国のステートで、estateの邪魔も入っていないバーシュギルドの自治度は0%です。

これを活かさない手はありませんから、金山をガッツリ開発し、賠償金以外の安定財源とします。
既にルネサンスが発祥しており、モスクワ領のrazeで君主力も溜まっていますから、これをバーシュギルドに注ぎ込み、ルネサンスを受容しました。*14

金山2.JPG

このDEVポチにより、金山による収入が月10ダカットとなり、税+生産+交易の合計収入と等しく、つまり総収入(賠償を除く)が倍になりました。
インフレが年に0.25%ぐらい進んでますが、誤差みたいなもんですね。

序盤の金策を大幅に改善できるという点で、カザンは中堅国らしからぬスタートダッシュ力を持っていると言えます。

 
 

三戦目 vs大オルド

ノガイ戦・モスクワ戦には、それぞれ道路の作成・将来の敵の抹殺(and 封建制の受容)という目的がありました。
一方で、この大オルド戦は、ある意味で戦争そのものが目的です。

つまるところ、戦争に勝って、賠償金と州を手に入れ、州をrazeして君主力を手に入れることが目的という、完全に略奪ありきの動きとなっています。
ひどい話ですが、EU4の世界は弱肉強食。俺より弱い奴に会いに行って、棒で殴ってすべてを吐き出させることこそ正義なのです。

既に人的資源は尽きているため、貴重な人的資源は騎兵の補充に注ぎ込み、歩兵は傭兵で補います。

モスクワを制したカザンの前では、大オルドはさして強くなく、目立った同盟国も居なかったため、貼るに値する画像すらなく、あっさりと撃破しています。

強いて言うなら、レベル2のアストラハン要塞に手こずりました。
まだ砲兵が出ていないので、高包囲の将軍が引けていない限り、万全の要塞は面倒な相手です。
モスクワ戦のとき、レベル2のリャザン要塞を攻略しましたが、このときは反乱が湧いており、反乱軍の占領→モスクワ軍の再占領直後、守備隊が少ないところを囲んだために、手っ取り早かったのと対照的です。

 
 

解説 /raze、その破壊的性能

EU4において、プレイヤーが能動的に君主力を得る手段は限られています。
一般的な国家は、できるだけ君主が優秀であることを祈り、時として退位・廃嫡を利用することや、ダカットの力で高レベルの顧問を雇うこと、PP50以上を保つ、estateから定期的に引き出すぐらいしか、君主力を稼ぐ方法はありません。
ダカットでゴリ押しできる中盤以降を除くと、事実上として、君主の能力によって君主力の収支が決定されると見て良いでしょう。

しかし遊牧民は、話が違います。
戦争で州を奪うことさえできれば、razeによって、ワンクリックで君主力をモリモリと得ることができてしまう特権を持っています。
1-1-1の州こそrazeできませんが、2-2-2の州をrazeすれば、25-25-25*15の君主力が手に入ります。
DEVが高ければ高いほど、破壊による減少も激しくなりますが、その分だけ多くの君主力を得ることができます。

以下は、肥沃な州をrazeする例*16の画像です。

raze.JPG*17

片っ端から州を奪い、片っ端からrazeすると、序盤の一度の戦争で、200-200-150*18程度を、軽く手にすることができます。
絶対主義が解禁され、高い統治効率で一度に多くの州を奪えるようになると、気を抜くとあっさりカンストするほどの君主力が入ってきます。

オスマンがハレムから6-6-6の神を産んでいても、遊牧民の0-0-0のウンコがrazeしまくって得る君主力には、到底かなわないのです。

 
また、razeにより総DEVを減らすことを通じて、コア化ADMOEが減ってくれます。
OEに悩まされるWCにおいて、これはあまりにも高い価値を持ち、仮に君主力が手に入らなかろうがrazeしても良いぐらいです。
コア化ADMに至っては、統治アイデアなどのこれを抑える機能を活用すれば、razeで得るADM>コア化ADMで安定し、黒字化します。

razeが実行できるという一点において、遊牧民のWC適性は著しく高くなっています。

 
razeのデメリットは、DEVの減少による収入の減少ですが、
そもそも、新規に奪った領土を収入源にするのには、自治度の都合、かなり長い目で見る必要がありますし、その州をハナからステートにするつもりが無いなら、DEV減はほとんど痛くありません。
一方で、razeによって得た君主力を、自治度の低いステートにDEVポチしてあげれば、直ちに収入が増加します。
現在の仕様であれば、得た州のすべてを、問答無用でrazeして差し支えないものと考えられます。

 
なお、Paradoxの意図としては、時代が進む(軍事技術の進展)ことによって、razeの効果が逓減されていくとなっているのですが、
ver1.29現在、これが有効に機能しておらず、軍事技術が3から8まで進展するごとに、各-1され、2-2-2をrazeするときには、25-25-25から、20-20-20まで逓減しますが、それ以上には下がりません。
これは、次回以降のアップデートで修正されることが示されています。

次回以降のバージョンでは、軍事技術23までrazeの効果の逓減が続き、最終的には5-5-5まで弱体化するようです。*19

 
現在の環境がrazeの天井でしょうから、最大の破壊力を楽しみたい場合、暴れられる内に暴れておいたほうが良いかもしれません。

 
 

今回(1444~1470頃)のプレイ補足

ここでは、第一回のプレイ内容について、上で書ききれなかったことを補足します。

 

序盤における外交

初動において、遠交近攻のためにチャガタイと同盟。
チャガタイは、カザンが殴った後のウズベク等を襲うことで、それなりの大国に育ち、ときどき援軍として助けてくれました。

モスクワ戦後には、オスマンとの同盟*20によって、手を出すに出せないクリミアと同盟し、万が一のクリミアとの戦争=オスマンとの不毛な戦争を回避しています。
 
 

ティムール小崩壊

シャー・ルフの死後の混乱の結果がどうなるかは、プレイごと異なりますが、
今プレイのティムールは、属国を維持することこそできませんでしたが、属国との再戦争には勝利したのか、直轄地自体は広げています。

また、ティムールに圧迫されることの多いアジャムは元気で、ペルシア西部を、カスピ海からペルシア湾まで南北に抑える地域大国として地位を保っており、カザンの3つ目の同盟国となっています。

 

最初のアイデアの選択

最初のアイデアは「外交」としました。もっぱら、戦勝点コスト-20%が目当てであり、これを用いることで、一度の戦争で多くの領土を奪うことができます。
DIPなしで領土を切り取り放題できる遊牧民CBと、間違いなく相性抜群の効果です。

外交官が二人増加するのも、序盤から終盤にかけて、常にプレイを楽にしてくれます。外交官を余らせておけば、必要なときに外交官が居なくて待つイライラが無くなります。

他、外交評判などの効果は、今プレイにおいては割と空気でした。

「外交」は、プレイ方針との合致により優秀ですが、他の強力なアイデアと比べると、やや迫力に劣る印象は否めません。
それでも最初に選択したのは、外交技術を遅らせてでもアイデアを進める、NIを早期解禁するためです。
序盤において、統治技術と軍事技術は遅らせたくないですから、NIの早期解禁のためには、外交系のアイデアが優秀ということです。

 
 

解説/WC最強NIカザン

先に、本wiki内の項目からスクショした、NIの一覧を貼っておきます。

上から、我らのカザン、他の代表的遊牧民の満洲・オイラト、遊牧民汎用*21、タタール遊牧民の変態先のキプチャク、WC有力国のオスマンの順となっています。

 
カザンNI.JPG

満洲NI.JPG

オイラトNI.JPG

汎用遊牧民NI.JPG

キプチャクNI.JPG

オスマンNI.JPG

 

コア化削減

カザンは、2つ目のNIで、コア化-25%を持っています。
これは全NI中の最大値であり、他に-25%を持っているのは、遊牧民系以外ではムガルとイタリアのみで、オスマンは-20%に留まっています。

コア化は、ADMを要する上、即時に完了することはなく、デフォルトでは三年もの期間を要します。
WCでは、大量の州をコア化する必要があり、ADM不足の心配がある他、コア化中はOEが発生するため、OEに起因する不穏度上昇と、OE100%以上によるバッドイベント*22の管理が問題となります。
統治効率と革新性を除くコア化削減効果は、ADMのみならずコア化時間にも寄与します。

つまり、コア化NIが強力であるほど、OEが発生する期間が短くなり、反乱抑制を通じ、プレイヤー厭戦を抑えてくれるのです。

 
また、コア化NIがどれだけ早く得られるかも重要です、
カザンは二番目、つまり最初のアイデアの段階で入手できるという意味で、同じ-25%でも三番目のアイデアまで待たねばならない汎用遊牧民に勝ります。

 

反乱抑制

カザンは、伝統*23により、異教寛容+2を持っています。
これは、オスマンの伝統の異教寛容+3には劣りますが、それでも絶大な効果です。

異教寛容はデフォルトで-3であり、国教寛容のデフォルトの+3を、大幅に下回っています。
これにより、異教の州の不穏度は、国教の州に比べ、6.75も高くなります。*24
カザンは、NIだけで異教寛容を-3から-1まで引き上げる、不穏度に換算するなら-2.5の効果を持っています。
不穏度そのものを下げるNIは、リトアニア等の-2が最大ですから、それを上回っている計算です。

他に不穏度に効く効果として、汎用遊牧民の、分離主義-5年があり、これは不穏度-2.5*25に換算*26でき、これはこれで優秀です。

また、宗教統一が上がる他の画像例に無い効果も、特に序盤において*27反乱対策に寄与しています。

 
プレイヤー厭戦を抑えつつWCを達成するには、反乱抑制は特に重要になりますから、この分野で、オスマン、次いでカザンは、極めて優秀と言えます。

 

AE削減

上の画像の一覧の中で、AE削減-10%を持っているのはカザン・汎用遊牧民・満洲となります。*28

次回以降に詳しく解説しますが、遊牧民CBそのものに強力なAE削減効果があるため、
それとシナジーを発揮することで、AE爆発からの大包囲網の形成を回避するのが容易となります。

 

内政系

カザンの、人的資源+25%は言わずもがな、交易効率+10%も数字こそ小さいですが、中盤以降は交易が収入の軸となり、その軸に最後に乗算してダカットを増やすため、有力です。

交易効率+10%で並び、FL+33%を筆頭に多様な効果を持つオスマンには少し劣っていますが、そう大きな差は無く、
変態先のキプチャクを除く他の遊牧民国家に対しては、明確に優れているように見えます。

 

戦闘系

戦闘については、明確にカザンが不利です。
騎兵強化と将軍機動では、規律・士気・八旗・将軍ショックなどの、明らかに強い効果に敵いません。

次回以降に詳しく解説しますが、騎兵自体があまり有効とは言い難い(特に筆者のプレイスタイルにおいて)ため、
騎兵戦闘力のNIは、ほとんど無視できる程度の価値しかありません。

ただし、マルチならともかくシングルでは、特に中盤以降、野戦の勝利のために軍の質を上げる必要性が低い*29ため、戦闘系のNI自体が、あまり価値が無いとも言えます。

 

NI総論

筆者のWC理論における諸効果の重み付けは、
コア化削減>>>>>反乱抑制>>>>>AE削減>>内政系>>>>>戦闘系  という位置になっています。

よって、コア削減で世界一の座を他国と分け合い、反乱抑制でもオスマンの次点にあり、ついでにAE削減もあるカザンNIこそ、WCに最適であると言えるのです。

 
なお、変態先であるキプチャクは、さすがに同類*30だけあり、よく似たNIとなっています。

人的資源優位・交易優位*31・将軍機動のカザンに対し、DEVポチコスト・制度受容のキプチャクといった対比で、特にDEVポチコスト減が有力であるために迷いましたが、
キプチャクを形成するための条件州が、やたら東西に広く、それらの確保は急ぐほどの価値は無いと判断し、
ゲーム終盤、自然と条件州を確保した頃には、もうDEVポチの必要性がないほど諸収入が伸びていたため、最後までカザンのままプレイすることになりました。

 
 

今回(1444~1470頃)のまとめ

razeと賠償金の力で、永久に止まらないカザンの遊牧民人生がスタートした!

 
 
 
 
次  第二回 パラドの認めた失敗


*1 例として、中堅国の序盤が苦手であるが、中盤以降(大国化以降)のプレイで巻き返していくタイプのプレイヤーであれば、オスマンのほうが適している可能性があります。
*2 例外として、タタール遊牧民ツリーのミッション報酬として結成できるイル・ハン国を、記念に作ったのと、4プロビのシンドの処理を持て余して属国化したものがあります。
*3 記念で作ったイル・ハン国の管理が面倒になり、リリース&武力征服を考えたぐらいなので、どうやら筆者のプレイスタイルに属国の存在は合致していないようです。
*4 遊牧民団結が低い状態だと、反乱軍が湧いたりして大変なことになり、AI遊牧民国家がよく真っ黒になっています。
*5 終盤になるほど規律の効果は大きくなりますが、序盤でも十分に強いです。体感として、士気+10%の顧問が勝る状況は無いように思われます。
*6 金-で忠誠+15と、忠誠-15で人的資源+で、忠誠の増減がトントンになるアクションがあり、かなりお得に人的資源を得られるため、使えるときに使っていきます。
*7 州の破壊。下の解説の項目も参照。
*8 州からの略奪。各州には貯金箱が設定されていて、戦争中に敵国の州に乗っていると、勝手に貯金箱から略奪してダカットを引き出します。
*9 領土の獲得ができず、もっぱら君主力100ずつの獲得和平が目的となる、対ライバルCBを除きます。
*10 今プレイではショック4
*11 スクショ撮り忘れ&良いタイミングのセーブデータが無かったため、別のプレイで再現した画像となります。
*12 遊牧民間のCBは、上のノガイ戦の開始時の画像にあるように、州の占領が戦勝目標となります。
*13 ノブゴロドの同盟国として参戦したリャザンから、モスクワが奪っていたもの。
*14 事前準備として、制度受容布告を活用し、バーシュギルドに封建制を受容させた後、開発布告を発した状態でDECポチしています。
*15 軍事技術3のとき
*16 軍事技術8以上のとき
*17 成都いっつも破壊されてんな。
*18 州全体の傾向として、税収・生産に比べて人的資源の値は小さいため、得られるMILもその分だけ小さくなる傾向があります。
*19 このあたりは筆者が正しく理解しておらず、コメント欄で有志の方にご指導をいただきました。この場においても御礼申し上げます。
*20 辺境伯化するイベントは、クリミア側の拒絶で流れました。これはカザンにとっては幸運です。
*21 大オルド・ノガイ・ウズベクなど
*22 もっぱら、特定の2州の不穏度が+15されるイベントの連発が、プレイヤーの心を折ってきます。
*23 ゲーム開始時から保有するNI
*24 寛容は正の値1あたり不穏度-1、負の値1あたり不穏度+1.25と、正負で効果の幅が変わるので注意。
*25 コメントで指摘していただき、表記ミスを修正しました。
*26 分離主義1あたり、不穏度0.5
*27 人文アイデアを取るまでという意味
*28 他の例としては、琉球が唯一無二のAE-20%を持つ強烈な個性を持ちます。
*29 これも次回以降、騎兵についての解説の部分で、合わせて解説します。
*30 カザン・ハン国は、もともとキプチャク・ハン国の一部であったとwikipediaに書いてました。
*31 キプチャクのNIは、州からの交易力の強化であり、交易収入計算の途中の段階に入ってくるため、最終段階でダカットに直接に寄与するカザンのNIに、明確に劣っています。

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