時は15世紀、李氏朝鮮の王世宗は我が身を憂いておりました。 世宗はその20年を超える治世において、賢人を集め、学問を起こし、税法を整備し、行政機構を整え、国境の守りを確かなものとしました。 その功績を疑うものはもはや誰もいないでしょう。しかし、いかに名君を称えられる世宗であっても浮世の理からは逃れられません。 年を重ねるつれ病に伏せることも増え、後生の憂慮はつのるばかり。仏僧に自国に伝わる経典を講じさせても納得の行く答えは得られません。 ことここに至って世宗は考えました。仏の故郷、西の方、天竺に到ればもっと素晴らしい経典を得ることができるのではないかと。 そう考えた世宗は早速船と使節団を整え、天竺へと送り出したのでした。
ご存知、EU4開始時点で屈指の名君である世宗(6/5/5)。
すでに高齢なのが難点ですが、ゲーム初期の他国ではとても確保できない豊富な君主点で様々なゲームプレイを可能とします。
対して、後継者の文宗は治世2年で亡くなったこともあり評価は辛め。
Wikiによると世宗在位の頃から摂政として政務に当たっていたようなので、やや不当な評価のようにも思えます。
朝鮮をヨーロッパ外で明に次ぐ植民強国たらしめているのが、この政府機能の「国外重視」。
特権5個分くらいの性能があって、ペナルティは大戦争でもしない限り影響なしという。
植民関係に限っても、植民範囲+25%と入植者+20と破格の性能。明らかに植民ペースを上げてくれます。
総合性能ではポルトガルやスペインに劣るとは言え、ゲーム開始時からノーコストで利用可能なのはいかがなものか。
フォーカスを統治に振ったうえで顧問なしで開始しました。
このゲームの序盤は寺院や市場、交易拠点の拡張を行っていかないと収入が増えません。
収支が+10くらいを超えるまでは顧問の雇用は控えた方がよいでしょう。
ただ、今回は早い段階から統治点と外交点がほしいため、寺院を一通り建て収支が+6くらいになった頃合いで顧問の雇用を開始しました。
植民と内政への寄与を考え、下記のように特権を入れてみました。
自分がプレイすると同じような特権構成になりがちですが、皆さんはどうしているのでしょう。
階級 | 特権 | 時期 | 解説 |
両班の学者 (聖職者) | 統治点+1 | 初期 | 基本中の基本。 |
寺院の開発コスト-5% | これも基本。ルネサンスの発祥やミッション対応でDEVポチが必要なうえ、忠誠均衡値+10%もうれしい。 | ||
政府改革進捗増加 | これもだいたい入れています。後半の政府改革に早くアクセスしたい。 | ||
宗教文化 | 受容文化・自宗教の州の収入増加。植民に専念して当分異文化・異宗教の州にほぼ進出しないため入れ得。 | ||
両班の学者の制度化 | 調和と忠誠度を上げてくれるディシジョンを解禁。調和を早く上げたいのと、階級議会の議題が厳しかった時のフォローがほしい。 | ||
植民特権(聖職者) | 探検アイデア後 | 探検アイデア取得後に投入。反乱率を下げてくれるディシジョンを解禁。植民特権で最後まで残るのはこれ。 | |
両班の行政官 (貴族) | 初期 | 君主に対する優越 | 各階級の忠誠均衡値を合計で30も上げてくれる。階級議会の議題強制が面倒だが、階級の影響度は上がらないし、イベントで忠誠度の下がった階級のフォローに使える。 |
軍事点+1 | ある程度経過後 | 基本中の基本。最近のverは軍事点のDEVポチをしないと人的資源がちっとも増えてくれないので重要。 今回は植民と内政を優先したので、統治点・外交点・宗教文化・王室財産の後 | |
植民特権(貴族) | 探検アイデア後 | 植民維持費の低減は悪くない効果だが地味。征服者ももらえるが忠誠度-15が痛い。 | |
強力な公爵領 | キルワ戦後 | 属国2国が条件だが、植民国家の独立欲求まで抑えてくれる優れもの。外交関係+2もヨーロッパ列強の宣戦を防ぐために超重要。 | |
商人 | 外交点+1 | 初期 | 基本中の基本。 |
商人組合への財政的要求 | 初期 | 基本税+10%に加え建設コスト削減のディシジョンを解禁。建設コストの支出の多い序盤~中盤には必須級。 | |
商人組合の独占権 | 初期 | 忠誠度+15と影響度+10と議題解決のディシジョンを解禁。上記の財政的要求とセット。 上記のディシジョンで減少する忠誠度を補い、影響度を増やして割引率を上げられて一石二鳥。 | |
商人組合の王室財産 | 5年後 | 10/10かつ交易ボーナスかつ領地の接収の免除。 領地の接収の免除は入れておくとその階級の忠誠度の管理をしなくてよくなるため1点くらいは入れておくとよい。 朝鮮のDEVポチ有利を生かすべく忠誠度60を安定して確保するために投入 | |
植民特権(市民) | 探検アイデア後 | 入植者の増加、および、移民距離+10%と探検家のディシジョン解禁。 序盤はこれがないと植民地が育たない。植民距離も物を言う。 |
初期の外交は、明に友好使節を送り、建州女真にライバル返しした上で敵の敵こと海州女真と同盟しておくくらいです。
極東では当面動くつもりはありません。要塞も全て破棄しました。
では、彼らはどこに行くのでしょうか。
はい、ということでNoCB宣戦からのインド侵攻でした。
侵攻先の条件は、朝鮮の視界の届く限界付近のインド西部にあり、港を含む複数の州を持つことです。
候補としては、ジューナーガル(黄緑)が最有力なのですが、今回は北のメーワールと同盟しており厄介だったので、
同盟もなく孤立していたカッチ(ピンク)の方に攻め込みました。
↓ジューナーガルに攻め込めなくて困ったの図。
この侵攻の狙いは遠隔地での植民中継地の確保です。
朝鮮の位置から新大陸に西回りで植民を行うためには複数の中継地点の確保が必要です。
一般的な植民戦略では近場から飛び石状に植民地・コア州を確保してくことになると思いますが、
いきなりインドに足場を確保することで早期の新大陸到達を目指そうというものです。
もちろん、朝鮮の位置からではインドに直接コア州を作ることはできませんが、
EU4には同大陸の属国の隣接州には、コア州との接続や植民地距離を無視してコア化が可能というルールがあり、
属国化には植民地距離が関係のないことを組みあわせると、このように同大陸の遠隔地にいきなりコア州の確保が可能なのです。
この戦術については、ニコニコ動画の観葉植物の人(ほのぼのの人)の方が有名かと思います。
また、あらかじめグジャラートから港湾使用権を取得しているため、消耗はあまり問題となりません。
さて、戦争の方は兵力差もあり楽勝ムードですが、案の定問題が。
カッチが西のシンド、東のグジャラートにハイエナされています。人が弱ったところを襲うなんて、なんてひどい奴らなんだ!
コア州確保のためにカッチを属国化したいのですが、このままカッチを属国化するとカッチの戦争を引き継いでしまいます。
シンドもグジャラートも朝鮮と同程度の兵力を出してきているため、迂闊に講和するとこちらの軍が挟み撃ちにあいかねません。
この点、ジューナーガルの方が他国に侵略されにくいので、展開が安定しやすいのです。
仕方なく様子を見ているとグジャラートは東の1州を確保して帰ったようなので、カッチを属国化し、シンドとの戦争を引き継いで明と海西女真を引き込みます。
中央アジアを抜けて颯爽と救援にやってきた海西女真の勇姿。これはまさしくほのぼの友情パワー。
この後何事もなくシンドに勝利し、賠償金と威信を稼ぎました。
インドで拡張する気はないので、これ以上、周辺諸国を刺激するようなことは控えます。
属国から土地を接収するためには、属国管理画面から「土地の接収」を選択します。
この際、同大陸(朝鮮の場合アジア大陸)の土地であれば、属国との隣州はコア化可能というルールに基づき、植民地距離に関係なくコア化が可能です。
当然、州を奪われた属国は怒り出しますが、当戦略では属国は陸軍FLだけ出してくれればいいので気にしません。
まあ、陸軍FLはほしいのでコア州確保後も開放しないのですが、国力の差が大きいのでそのうち大人しくなります。
なお、ハーラール州はインドとの大国と同盟するためにキープしておきます。ヨーロッパ列強の縄張りに全力で植民する以上、インドの大国との同盟は命綱です。
本AARではジャウンプル君(いつの間にかデリーになってた)とヴィジャヤナガルと同盟できて一安心です。
(ホルチンとシルヴァーんは数合わせ。極東方面で強い同盟国を確保できなかったのは残念だった)
一連の戦争と並行して東アフリカまでの地図を確保していきます。
地図は探検家に探検させることでも確保できますが、広い領域だと探検に2-3年かかったりするため、
外交で確保できるなら確保しておいた方が好ましいです。
地図の共有を受ける条件は以下のとおりです。
今回の場合、同盟や従属関係がないと出してくれないようなので、明とインド属国から確保しました。
地図3つで威信-45とコストがかなり重いので、戦争時には威信を優先して確保し、また、イベントの選択肢にも気をつけておきましょう。
タイミングをみて市民の特権「芸術の後援者」を入れる予定でしたが、今回はいい感じに威信を確保できたため、必要がありませんでした。
なお、西インド洋の海図については明の方がインド諸国より範囲が広いので明から確保しましょう。
地域 | 入手元 |
アラビア海(海図) | 明 |
西インド洋(海図) | 明 |
東アフリカ(陸) | カッチ(インド属国) |
最終的にここまでの海図と地図を外交で入手しました。
自動探検は必要のないところまで探索する難点がああるため、
初期の地図からここまで探検で確保しようとすると2-3年はかかると思います。
宗家が海賊大名イベントを引いたのを見てげんなりです。
日本ノードに海賊対策船を出す必要がありますが、今回は全艦船がインドに出払っています。
慌てて小型艦を作って配備しましたが、それまでに日本海側の州は軒並み略奪されました。
なお、日本ノードは外海扱いのため、ガレー船では海賊対策ができません。
イベントで海賊大名を引かなければ対策も不要なのですが、今回は運がなかったです。
世宗の派遣した使節団は確かに天竺の地へとたどり着きました。 しかし、使節団の報告によれば、天竺の地はイスラム教の戦士たちに席巻されており、 市井で見られるのはヒンズー教ばかりで、仏教は知るものすらいないという有り様でした。 世宗は大変に落ち込みました。しかし、ふと思い出しました。 かつて龍樹菩薩は南海の龍宮にいたり、龍宮に秘蔵された数々の経典を読破し、その智慧でもって人々を救ったという。 それならば、と、世宗は使節団に南海の果てを目指すよう指示を出したのでした。 しかし、その使節団からの報告が世宗に届くことはありませんでした。
↓1455年に世宗が崩御し文宗が即位。世宗と比較すると大変物足りない。
1453年、ちょうど技術の先行ペナルティのなくなる年に統治レベルが5に到達しました。早速、探検アイデアを取得します。
原住民政策はもちろん弾圧政策。初期の植民では入植者の増加が不十分で、これを入れておかないと植民がなかなか進みません。
また、聖職者の植民特権のディシジョンと、探検・拡張ポリシーを合わせることで、弾圧政策のままでも反乱率をゼロにできます。
ポリシー確保まで反乱を抑えるために小部隊をばら撒く必要があり大変めんどくさいですが我慢します。
さて、植民…といきたいところですが、まだこの時点では植民を行いません。
というのも、初期の植民では植民の完了まで10年近くを必要とし、その分だけ飛び石に時間がかかります。
その点、州を征服してコア化するのはコア化時間が3年、戦争の期間を含めても5年程度で中継地を確保できます。
中継地を征服する場合でも、植民地距離が伸びないと中継地が多く必要となってしまいます。
したがって、今後の目標はスワヒリ海岸もしくはマダガスカル島の南端にコア州を確保することになります。
というわけで、探検アイデア③の植民地距離+50%を取得した上で、
スワヒリ海岸に孤立していたパテをさくっとNoCBで攻め滅ぼしました。(画像撮り忘れ)
この戦争の際も隣のマリンディから港湾使用権と通行強化を得て、船舶の補給を確保しつつ陸路から攻め込みました。
次の相手はキルワかマダガスカル諸国なのですが、
今回はキルワの同盟国がマリンディのみと弱めだったため、キルワに攻め込みました。
キルワならパテの位置から請求権を作成できるので統治点にも優しいです。
↓マリンディを脱落させキルワ首都を落とすも、まだコア化の完了していないパテが占領されていて、
南端のソファラを割譲できないことに気がついて慌てて引き返しているの図。この後、問題なくソファラを獲得できました。
別大陸の州を確保したい場合、「勅許会社」が利用可能です。
勅許会社は植民地範囲内の別大陸の州を金銭で購入できるというもので、州を取得できるだけでなく、即座にテリトリーコアまで付与されます。
この後に続く東アフリカ進出では、勅許会社が使えるならその方が早いのですが、初期の朝鮮の財力では厳しいので戦争による征服を使用しました。
なお、明は序盤こそ君主能力の絶望的な差により朝鮮に遅れを取りますが、勅許会社で東アフリカをすっとばせるため、同程度の年代には喜望峰に到達可能です。
そして、追いついてしまえば、天朝改革の植民者+1と圧倒的な財力による並行植民で朝鮮を圧倒します。
とはいえ、明は色々と面倒なことが多いので、植民のみを楽しみたいなら朝鮮の方が圧倒的によいでしょう。
1464年、ソファラ州の中核化が完了しました。事前の探検もバッチリ。今度こそ本当に植民を開始します。
が、何か忘れていないだろうか
…ミクロネシアへの植民を忘れていました。
ミクロネシアには大事業「ナンマトル」があり、最初からLv1であるため、植民しただけで植民者の増加を+10してくれます。
植民初期においては、植民時間と植民費用を1割程度は引いてくれますので、効果は絶大です。
喜望峰に植民する前に確保しておくべきです。予め「北西大西洋」を探索しておき、探検アイデア③を取得次第、入植しておくべきでした。
このタイミングで気がついたため、一旦、ミクロネシアに植民して、その後で希望峰に入植しましたが、1年ほどのロスとなりました。
ちなみに、植民地距離は下記のとおりとなっています。
朝鮮は政府機能による植民距離の増加があるため、外交技術Lv3+探検アイデア③の段階で、中継地を挟むことなくミクロネシアに植民が可能です。ホント何でこんな能力を朝鮮が持っているんだか。
基準年 | 外交技術Lv | 基本範囲 | 探検③ | ~+特権 | ~+顧問 | ~+明/朝鮮 |
1440 | 3 | 160 | 240 | 256 | 288 | 328 |
1479 | 7 | 275 | 412 | 440 | 495 | 563 |
1505 | 9 | 325 | 487 | 520 | 585 | 666 |
なお、大名や琉球や東南アジアでプレイする際はフィリピンの2州国家に対して、隣地入植からの属国化+州の回収+コア化のコンボを決めましょう。
フィリピンからであればミクロネシアに届きます。
さて、気を取り直して喜望峰に入植しましょうというところですが、実はここで入植したい州は喜望峰のあるケープ州ではなく、その北西の小ナマクアランドの方です。
小ナマクアランドはケープより海域1つ分新大陸に近く、ぜひともここに入植したいのです。でも、ご覧の通り、朝鮮を持ってしても小ナマクアランドに届きません。
こんな時は慌てず騒がず、まずはケープ州に植民しましょう。
するとあら不思議。入植地の隣の州は入植可能のルールが発動し、小ナマクアランドが入植可能となっています。これでまた一歩新大陸に近づきました。
この尺取り虫植民を使用すると、陸続きならば植民地距離を無視してどこまでも植民が可能ですが、
朝鮮から喜望峰・新大陸のように植民者の移動に1年以上かかる状況では、使い道は限定的と言えるでしょう。
ちなみにこの後、ミクロネシアへの植民中で植民超加数が2となるため、植民地維持費をけちってケープ州への植民を一旦破棄しましたが、
やはりケープ州の開発度はほしいということで、南米植民中に再入植しました。方針がブレブレです。
1476年、ついに小ナマクアランドへの入植が完了しました。
この次はセントヘレナ島に入植…と言いたいところですが、その必要はありません。植民地距離の伸びる外交技術Lv7の基準年は1479年は間近です。
今からセントヘレナ島に入植してもとても入植は完了しません。一旦、入植の手を止め、探検家を南アメリカ大西洋岸に送り出します。
海図探索に出た探検家が南大西洋を期間中に1479年に到達。外交技術Lv7を解禁しました。
探検が帰還するなり南アメリカ大陸の海岸探索に再派遣。これでようやく入植が可能となりました。
そして…
1480年12月、ブラジル一番乗りを果たしました!
小ナマクアランドの確保により中継地点としての役割を終えたパテ州とソファラ州ですが、
特権「宗教文化」を入れており、異教・異文化の州の不穏度が厳しいことになっているため、
管理が困難ということでそれぞれ独立および返却を行いました。
特権「強力な公爵領」も入れることもパテを独立させた理由です。
ですが、ソファラについてはキルワに返却した直後に気が付きました。ここ、金山州じゃん…と。
さすがにソファラは無理をしてでもコア州として保持しておいた方がよかったと思います。