各国戦略

 
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戦略で推奨されるDLC:The Cossacks,Mandate of Heaven,Common Sense,Wealth of Nations,Dharma,Cradle of Civilization,Rights of Man,Art of War
 

あらすじ

 オイラト/Oiratはモンゴル高原西部から現在の新疆の北部にかけて居住するモンゴル系遊牧民族である。元々は現在のモンゴル国西部のフブスグルからトゥヴァ共和国*1までの間に居住していたトゥルク系の集団で,モンゴル帝国が興隆した13世紀にはチンギス・ハーン(テムジン)のモンゴル統一期の最大のライバル・ジャムカに助力してテムジンと戦い,テムジンがモンゴルでの覇権を確立するのに伴い帰順してモンゴル帝国軍の中枢として活躍した。
 その後モンゴル帝国はユーラシア中央部に世界最大の帝国を形成する。しかし栄光はもはや過去のものとなり,その後継国たちは度重なる内紛により崩壊した。フビライ・ハンが中華に築いた元朝も天命を失い,もはや中原を支配することはかなわず北方のモンゴル高原へと追いやられた。オイラトはモンゴル国家の衰亡の中で四オイラトと呼ばれる部族連合を形成し,部族の長トゴンは1434年に後に北元と呼ばれることになる四十モンゴル,つまるところ元の成れの果てを従えて傀儡のハンを擁立することに成功する。
 トゴンの息子エセン・タイシ/Esen Chorosは今やモンゴル高原の覇者となったオイラト連合を率い,彼の強大な軍事指導力をもって新たな中華の覇者となった明帝国との対立を決意する。オイラトの征く先にはかつて帝国が支配した肥沃な大地とどこまでも続く草原が広がっている。全ての末裔が望んだ帝国の復活を目指し,今,止まっていた彼らの時が動き出す……*2

NIとオイラトのゲームにおける特徴

項目名原語効果解説
Traditions.png伝統騎兵戦闘力+20%初手で貰える軍事バフ。序盤の遊牧民ユニットの性能も相まって強力。
コア化コスト-20%征服プレイにおける最重要NI。コア化にかかる期間も20%短縮してくれる。
土木の変で恐れられた戦士Fearsome Warriors of Tumu騎兵コスト-10%騎兵中心の編成を組む場合,序盤に重い出費を減らしてくれるのはありがたい。
陸軍指揮官機動+1供給限界の低い中央アジアのステップでの移動に効く。ユニットの移動速度上昇もGood。
草原の戦士の生き様Life of the Steppe Warrior陸軍損耗-20%戦闘中心に戦勝点を稼ぐ序盤の遊牧民にとって,貴重な人的資源の消耗を抑えてくれるアイデアで相性がいい。
四オイラトThe Four Oirats正統性+1/年基本的に正統性を使える政体にならないので関係無い。
遊牧民の結束+1/年領土拡大に伴って減少しやすくなる遊牧民の結束の減少を緩めてくれる。
トド文字Todo Besheg Script技術コスト-5%3種の技術を上げるのに必要な君主点を減らしてくれる強力なアイデア。
大ハンの遺産Legacy of the Great Khan侵略的拡大-15%非常に強力なアイデア。遊牧民CBの25%カットと合わせ,威信が高い状態をキープすれば常時4割以上のAE割引を得られる。*3
ジュンガルの抵抗Defiance of the Dzungars人的資源回復速度+15%消耗が激しい遊牧民の人的資源に補正を貰えるのはとても嬉しい。
規律+5%戦闘の全フェイズに関わる重要なステータスの上昇で、強力。
征服の栄光Glory of Conquest人的資源+25%人的資源回復と相乗効果を発揮してくれるため,恩恵は大きい。
bonus.png宿願陸軍指揮官白兵+1遊牧民ユニットグループの都合上,中盤以降でも白兵戦の火力が重要になるため指揮官の能力向上は嬉しい。

 オイラトはゲーム開始時点ではモンゴル高原西部に位置する白色の王国級の国家で,以下のような特徴を持つ。

 総評すると,政体・NI・ミッションの全てにおいて優れており,うまく扱えるなら非常に強力な国家であると言える。

 一方で,オイラトがそのパフォーマンスを最大限に発揮するためには以下のような課題もある。

 このページでは遊牧民を初めてプレイする方でもオイラトの強みを十分活かすことができるように,初動の詳しい解説と中盤までの行動の方針を記載する。

初動:南進?西進?それとも東進?

オイラトの初手の動き方

 オイラトが初手で侵攻可能な国は明/Ming・チャガタイ/Chagatai・ホルチン/Korchin・ウズベク/Uzbek・カラデル/Kara Delの5か国である。カラデルには重要な使い道があるので除外,またウズベク・チャガタイは一纏めにするものとして,初期の侵攻の方針は3通りになる。それぞれのメリット・デメリットは下記の通り。

 3つのルートはどれも一長一短だが,最もオーソドックスなものは初手で明を攻める戦略だろう。初手西進はややアグレッシブな戦略*4で,初手満州方面攻めは安定感はあるがエセンの能力を活かすという点ではやや劣る。とりあえずは初手明を試してみて軍の運用の仕方を身に着けると良いだろう。

前提知識:土木の変/The Tumu Crisis*5

 ゲームとしての土木の変について説明する。1500年以前かつ明の君主の軍事スキルが2未満の時(多くの場合,初期君主の正統帝朱祁鎮/Qizhen Zhu (1/1/1)の時に発生するだろう)にオイラトと明が戦争状態にあると明でイベント「土木の変/The Tumu Crisis」が発生する。(MTTH1ヶ月)
 このとき,明の君主が強制的に将軍になる。この君主が率いている部隊を会戦で撃破すると,イベント「明皇帝の捕縛/The Capture of the Ming Emperor」が発生し,新たなフラグを得るとともに陸軍士気+20%,包囲能力+25%の補正を君主が変わるまで得ることができる。このフラグを持った状態で北京/Beijingの要塞を陥落させると,華北一帯がオイラトの占領状態になるとともに,一連のイベントにより明の天命が激減する。
 このイベントの存在により,オイラトは初期国力でも比較的簡単に明を打倒し多くの利益を得ることができる。ゲーム的なこのイベントの扱いの争点は,強力な将軍であるエセンの生存中にイベントを発生させて明から確実に利益を得るか,後先長くないエセンよりもその次の君主に強力な補正を残して今後の展開を楽にするかというところだろう。

追記:後継者が率いる軍を撃破した場合でも「明皇帝の捕縛」イベントが発生したとの報告がある。(筆者の環境でも確認済み) 確実にイベントを発生させるなら皇帝の軍を探すべきだが、なかなか出てこない時は後継者(ないしはZhu/朱姓の将軍)の軍を撃破して様子を見ても良いかもしれない。

前提知識:遊牧民の軍の運用について

 遊牧民は平原,具体的に言うと農地/Plains,草原/Grasslands,ステップ/Steppe,乾燥地帯/Drylands,砂漠/Desert,沿岸砂漠/Coastal desertの地形の州で戦闘を行うとき白兵フェイズでの与ダメージが+25%される。一方,それ以外の地形では白兵フェイズの与ダメージが-25%される。遊牧民ユニットの特性及び,遊牧民政体&宗教からの騎兵比率増加によって騎兵による白兵戦が主な火力源となる遊牧民にとってはこのボーナスを利用することは非常に大切である。特に序盤の自分より数が多い敵に仕掛ける展開では高白兵の将軍に騎兵中心の軍を率いらせて平原で敵の殲滅を繰り返す,山岳要塞は安全が確保できるまで無理に包囲しないといった軍の運用の仕方が基本となる。
 遊牧民の軍の運用に関してもう一つ,遊牧民ユニットの性能について触れておく。歩兵は軍事技術3~4及び19~22の時に全ユニットで最高の性能であり,騎兵は軍事技術1~16の長きにわたって全ユニットの中で最も高い性能である。''反面,他のユニットの歩兵が射撃pipを持ち始める軍事技術9~15のあたりや軍事23以降の戦闘ではユニット性能差から戦闘で敗北する可能性が高くなる。
 ユニット性能を踏まえた上での編成の考え方の例としては,Institution受容による技術優位とユニット性能による優位を保てる段階では騎兵比率50%程度の編成に傭兵を加えて戦闘中心に戦勝点を稼ぎ,戦闘毎に統合して騎兵を減らしつつ戦闘幅を埋める分の正規兵の歩兵を補充。年代が下るとともに砲兵を要塞のボーナス分雇って,徐々に包囲&敵を威嚇するための軍量重視の編成へと切り替えていく,といったものが挙げられる。

 以下では,初動でいずれのルートを選択する場合でも必要な時間を進める前の動きについて説明する。

共通の初動:リセマラ

共通の初動:外交

共通の初動:内政

共通の初動:軍事

初戦の明戦のコツ

  必ず天命の獲得/ Take Mandate of HeavenのCBで宣戦布告する。ホルチンと同盟している場合は土地約束で参戦させることができる。(当然土地は渡さない。途中で離脱してもらうのがベスト)
 まず,大量の明軍が南から押し寄せてくるが,その中から君主将軍(朱祁鎮/Qizhen Zhu)が率いている軍を探そう。その軍がいる方面に軍を移動させつつ,戦闘を回避しながら敵が孤立するのを待つ。ある程度他の塊とその軍が距離を取ったなら全軍で突撃する。勝つと明皇帝の捕縛のイベントが起こる。
 その後は孤立した敵軍を適度に潰しつつ,北京に向かう。なるべく傭兵に要塞を包囲させ,正規軍は北京の北の宣化/Xuanhuaで待機し明軍が包囲中の兵に突っ込んでこない程度にモンゴル領の占領を解除したり,少数で動き回っている明軍を倒す。正規兵は戦闘が終わるたびに連隊の結合をして充足率を上げつつ人的資源の消耗を抑えるとよい。
 北京の包囲が完了すると,イベントで華北が占領状態になる。ここまで来たら,明の天命もおそらく0になっているはずなので,恐らくモンゴル領内をうろついているであろう明軍を潰すチャンスだ。いくら天命0でこちらの軍質が高いとは言っても,軍を集中されると敗北するので,ここでもある程度の各個撃破を心がけよう。20k程度の塊をあらかた掃除できたら,自国とモンゴルの占領されている土地を開放して戦勝点を稼ぐ。ここまでうまくいっていれば,全土解放+華北占領分+戦闘勝利分で80点程度の講和が可能になっているはずだ。余裕があればもう少し粘って明領の未占領地を占領すると,戦争の期間にもよるが戦勝点75%~80%程度で100点分の講和を通すことができる。もし戦勝点が思ったより伸びていなかったとしても,最低限25点分の即金は取れるようにしよう。北京陥落時にミッション「土木の変/ The Tumu Crisis」が達成可能になるが,これは遊牧民の結束を25回復させる効果があるので,エセンが死んだときの継承危機のリカバリーに使うと良いだろう。
 講和の直前に軍を自国の寧夏/Ningxiaと張掖/Zhangyeに隣接する州に配置し,空きの外交官を2人用意して月初を待つ。カラ・デルのOpinionを確認し,+100以上なら侮辱を送っておく。月が変わったら,講和で取る予定の無い占領中の要塞は全てモスボール(各要塞プロビのプロビ画面の下の方にあるチェックを外す)する。これは次に説明する明銀行と呼ばれる戦略の下準備である。
 講和では即金を最大まで取るのは確定。追加で河套/Hetaoから北京までの道を割譲させるのをお勧めする。戦勝点を更に積めているならば,西安/Xi anや成都/Chengduなどの内陸の要塞や遷都先有力候補の青州/Qingzhouを取っても良いだろう。 (注意:ここでは講和内容の戦争賠償金/War Reparationsは要求してはいけない!なぜならば明とはこの後すぐ再戦するからだ。また,寧夏と張掖の要塞は,この後の明銀行で活用できるので残しておくのが良い。当然だが天命を奪ってもいけない。)
 講和したら,時間を進めずにまず封建制の受容をして,割譲させた全ての州をRazeし,開発度の集約/Concentrate Developmentができる土地はやっておく。戦争疲弊も下げておく。中核化のadmが足りていなければ属国をリリースしたり,モンゴルの中核州のある土地をモンゴルに渡したりして補う。属国に要塞のある土地を食べさせれば,自分は要塞維持費を払わなくても済む上に防御も硬くなっておすすめだ。
 Ver1.30以降,傭兵の仕様が変わったため明は大量の傭兵を雇用し押し寄せてくるようになった。これらの傭兵には強力な将軍がついている場合があり,軍量も20k単位とかなり多いことから遊牧民に有利な戦闘条件であったとしてもこちらが消耗していると敗北する可能性がある。特に天命が下がりきっていない戦争序盤は各個撃破に細心の注意を払わないと失敗の原因になる。また,Ver1.29の頃よりも多くの戦闘をする必要が出てきたのでこちらの人的資源も尽きやすくなった。連隊の結合を繰り返すことで消耗を最小限に抑えつつ,ある程度の人的資源0は許容しよう。
 こちらが明に宣戦する前に明がホルチンに攻め込んでおり,ホルチンが明の朝貢国になると明戦にホルチンが参戦してくるバグが存在している。若干戦勝点は稼ぎにくくなるが,大勢には影響は無い。

明銀行と戦後処理

 ここまで上手くいっていれば月初の状態で明の朝貢国のカラ・デルに宣戦し,明を釣りだすことができる。 開戦したら,まず寧夏と張掖の要塞に移動する。この二つの要塞は先述の手順でモスボールしているので,包囲1月で陥落する。要塞を陥落させたら,一軍を明の首都包囲に向かわせ,残りの兵で明領の包囲を行う。このとき,もし余裕があれば明領内の反乱軍を倒しておくと,明が爆発しにくくなり今後も賠償金を引き出しやすくできる。
 戦勝点20%程度で明と個別講和する。再度満額の即金を奪う。1戦目と同様の手順で再度の明銀行を行うことも不可能ではないと思われるが,筆者の経験上この戦争が終わった時点で明は大抵破産して釣りだしができなくなる。さらに弱った明はおもむろに朝貢を破棄し始めるため,この2戦目の釣りだしができれば十分と考えよう。場合によっては戦争賠償金を積めるまで戦勝点を稼いでも構わない。明と講和できたら扶養限界を超えた傭兵は解雇し,戦争税は解除しよう。
 主戦国のカラ・デルはこちらの人的資源が0だとしても容易に破れるはずだ。全土併合もしくは玉門の割譲と威信稼ぎで講和しよう。
 さて,ここまで来たら一度内政と外交について再考しよう。まず内政について,おそらく領内で反乱の種が燻っているはずなのでしばし対処しよう。傭兵に鎮圧させると良い。また,中華圏に領土を得たことでテングリの第二国教に儒教/ Confucianismを選択できるようになっているはずだ。これは威信-50と引き換えに統治技術コスト-10%と儒教プロビを真の信仰とみなす効果を得ることができなかなか優秀であるのでぜひ採用しよう。
 次に外交についてだが,まずホルチンの土地はミッション「モンゴル族の統一/ Unite the Mongols」に必要なため同盟していたらすぐ同盟を切る。また,モンゴルはOpinionが+190以上であれば即時併合を開始できるので,開始して開発度の集中をやっておく。新しい同盟の候補として,カザンorノガイ,ジャウンプル,足利,トランスオクシアナorティムールなどが存在する。この後は西側のステップへの侵攻がメインになるため,AE対策と同盟参戦を見越してカザンまたはノガイのどちらかとは同盟を結んでおきたい。ジャウンプルはインド方面の有力な同盟国として長きにわたって活躍してくれる可能性がある。また,足利は中華を切り取っているとAEが溜まってしまうので,包囲網対策のために同盟+関係改善をお勧めする。
 この後の方針であるが,モンゴル地域の統一と西進を主軸に,チベット・満州・中華を定期的に食べてAEを分散させていくことになる。それが難しい場合は外交による朝貢国化をうまく使ってキープしておく。チベット・満州は孤立宗教かつ小国が散らばっており侵攻は容易いが,中華は明が崩壊している場合がやや厄介である。なぜなら,明から独立した国には天命CBを使うことができず,また同宗教同文化の補正により包囲網が非常に組まれやすいからである。うまく停戦サイクルを構築する、西/Xiなどコアの広い国の再征服CBを適宜利用するなど工夫して包囲網を回避しよう。(まあ技術で差をつけて足利さえ対策しておけば勝てなくもないのだが。)

中央アジア方面攻略

 中央アジア方面の攻略であるが,まずはチャガタイ・ウズベクのどちらかと対決することになる。どちらも国力的にはほぼ同等で,同盟国まで含めると油断のならない勢力である。
 まず宣戦するタイミングとしては,初動のエセンがいる状態で仕掛けるか,初手で明に行った場合は軍事技術4で先行した状態になるのでその期間中に侵攻するのが望ましい。
チャガタイ戦はなるべく敵同盟が1か国未満かつジャウンプルと同盟していない場合に仕掛けたい。そうでない場合は後回しにしよう。戦争ではチャガタイの主力軍と同盟国軍が合流しないように,主力を叩いて撃破することを優先しよう。敵の同盟国がムルターンやノガイであれば,州をある程度絨毯包囲すれば戦争から離脱してくれるので,主力を撃破したら(コチコル/Kochkorの山岳要塞を攻略して)同盟国の打破に向かう。同盟国を速攻で離脱させたら,残りの州を占領する。カシュガル/Kashgarの要塞はコチコルとウルムチ/Urumqiを陥落させていれば落とさなくても100%に近い講和ができることを覚えておこう。講和では賠償金と山岳要塞と2/2/2以上の開発度のプロヴィンスを重点的に取りたい(遊牧民の講和の基本)。クチャ/Kuqaには金山があり,敵国から割譲する都合上すぐに出力にはならないものの後の資金源として活用できるだろう。また,チャガタイ領西部には広大な中核州を持つカザフ/Kazakhのコアが埋まっているため,利用を検討しても良い。(遊牧民と属国再征服の相性は悪いことに注意。)
 ウズベク戦には先ほど同盟したカザンかノガイを呼べると楽になる。この戦争は敵の領土にほぼ要塞が無いため占領合戦で勝つことが重要になる。敵の主力をロックオンする軍と占領する軍に分け,ロックオン用の軍で敵を追い回し占領軍で絨毯占領を行うと効率的に戦勝点を稼ぐことができる。講和では西への道,すなわちノガイまたはカザンの同盟していない方に隣接するように一本道状に領土を割譲させる。ライバルならばここで屈辱/Humiliateも加えて時代ボーナスを達成しておくと良い。
 これらの国は2戦目以降も同様の戦略で勝つことができるはずだ。スンニ包囲網を関係改善でかわしつつ,道の先にいる国家に宣戦してさらに道を延ばしていくと素早く拡張することができる。

満州方面攻略

 満州方面に積極的に侵攻する場合では,最終的に朝鮮半島への進出を目指す。首都移転戦略の項で述べるが,この地域は極東亜大陸に位置していることと産物の良さ,開発の適性の面から首都移転先の有力な候補の一つとなる。
 攻略自体は孤立宗教で国の規模もオイラトより小さいため,明の介入が無ければあまり苦労することなく侵攻できるだろう。建州女真と朝鮮の山岳要塞は要注意ポイントなので一応全軍を投入できる体制を作っておこう。この地域は交易ノード的には旨味の少ない土地なので,ソロンやUdege*7など土地を取る必要性が薄い国は予め朝貢国にして包囲網を対策しても良い。

中盤の目標:ミッション攻略と包囲網への対処,安定した基盤の形成

 まずミッションの流れから説明しよう。モンゴルを併合し,ホルチンから領土を奪うとミッション「モンゴル族の統一/ Unite the Mongols」を達成し,中央アジアと華北,チベットの広大な範囲にPermanent Claimを得る。ここでイベント「モンゴル族の再統一/Reuniting the Mongols」が発生し,所有しているモンゴル系文化をモンゴル文化として統一するか,文化受容枠+3を得るかを選択できる。どちらも強力な効果だが,前者は短期的な出力向上に役立つ一方,後者は長期的に見たときに出力向上により貢献する。好みで選ぶと良いだろう。
 これ以降のミッションは①東アジアツリー②西進ツリー③チベットツリーに分岐する。メインで進めるべきは②の西進ツリーである。なぜならば国家不穏度-3,戦勝点コスト-15%といった目玉となる恒久補正は②を進めることにより得られるからである。①のツリーは中華における経済基盤の強化と大元への早期の変態を目指すなら役に立つだろう。③のツリーはラサ/Lhasaとチベット地域10州の領有で安定度1の消費で密教への改宗をすることができ,オイラトで密教に改宗するための基本のルートとなっている。
 ここでは②の流れを追って,ミッション「ルーシの打破/Defeat the Rus」の達成までを解説する。まず,②のツリーの最初は「ステップ支配の復活/Restore Rule on the Steppe」であるが,これの達成には中央アジア地域の州30州と初期でノガイが領有しているルィン/Ryn及びトランスオクシアナが領有しているヒヴァ/Khivaが必要になる。必須となる州の指定は無いためできるだけ開発度の低い土地を中心に獲得することで効率良く達成することが可能であるが,如何せん数が多すぎてミッション達成までのんびりしているとあえなくスンニ包囲網で壊滅することになる。従って,停戦サイクルとスンニ国家への関係改善,朝貢国の作成によりこれを対策する。
 具体的には,まずノガイを打通する道を作り,大オルダ及びカザンに隣接する。ティムールとオスマンに関係改善を送りつつ,大オルダに宣戦しモスクワ・ポリ連合に隣接,カザンと同盟破棄。ここでうまくオスマンのライバルをライバル指定できればオスマンと同盟が組める可能性がある。ただし,オスマンがポントス草原地域に進出している場合は逆に敵対が不可避となる。続いて返す刀でトランスオクシアナを攻めてヒヴァ含む土地を割譲,ホラーサーンなどに隣接。隣接した小国を全て朝貢国にして中央アジア方面の停戦が切れるまで中華やチベット,余裕があればモスクワやポリ連合に侵攻&新規朝貢国作成。停戦が明け次第再び順繰りに中央アジア方面の国家を攻撃し,領土割譲させてミッション達成という流れとなる。ここまでの一連の流れでオスマンと崩壊していない明さえ包囲網に入られなければAEマネジメントに成功していると言ってよい。もし侵攻スピードが遅かったり人的が尽きて停戦サイクルを回せなくなり,包囲網が組まれてしまったとしても安心してほしい。ここまでに十分な量の朝貢国を作成していれば負け講和で彼らを開放することでAEを減らしつつ包囲網をやり過ごすことができる。多少自国の領土が削られてしまっても問題ない。後で2度焼きできてむしろ得だとポジティブに考えていこう。
 冗談はさておき,このミッションを達成するための最終段階ではポントス草原の15州およびキエフ/Kiev及びモスクワ/Moskvaの領有が必須であるため,ポリ連合とモスクワ,運次第ではオスマンと対決し,停戦サイクルを回せるようにしなければならない。それに必要なことは,もはや小手先の戦術では無く安定した経済基盤と戦争を遂行するのに十分な軍量の確保,そして制度の受容である。
 これを達成するためには内政で力をつけておくことが望ましい。具体的にどのようにするのかというと,華北地域と玉門ノードの州をステート化&宗教問題を解決し,賠償金で無理やり建築することで行う。DLC Leviathanを導入している場合,この内政の鍵を握るのが首都の位置である。首都に関しては首都移転戦略で,宗教問題に関してはアイデア取得で対策するとして,次項ではオイラトの内政事情について触れておく。

オイラトにおける内政

 率直に言って,オイラトは内政に関してはかなり難があると言って良い。常に戦争続きで自治度の下降は遅く,手に入れた土地はもれなくRazeし財政難から要塞も破壊せざるを得ないため荒廃度と低開発度ですぐには使い物にならない。初期ホームノードの玉門は内陸かつノードの総交易力がどうやっても低いため,交易をかなり引き抜かれてしまう,更に最初の明銀行でインフレが爆発しており建築も一苦労といった具合である。ちなみに階級が1つしかないため統治キャパシティも厳しい。
 拡張を続けつつこれらの困難を解決するための方針は以下の4つである。

1.顧問とNF,Razeで統治点を荒稼ぎし統治アイデアを取った上でインフレ削減とステート化に注ぎ込む。

2.交易会社を稼働させて経済を回す。

3.交易または経済アイデアを取得して経済を回す。

4.巨大首都を作って統治キャパシティを圧縮しつつ,少ない投資で少しでも多くの利益を得る。

首都移転戦略

 オイラトの悩みは巨大首都が全て解決してくれる。というわけで,オイラトが比較的容易に獲得でき,巨大首都を置くのにふさわしいであろう場所について考察した結果をこの項では記す。筆者が考えるオイラトのおすすめ首都は以下の3つである。

 3つのいずれも直接の道が繋がった段階で遷都しないとコア化が面倒になる点に注意。

国家改宗戦略

※以下,発展的な要素を含みます。初心者の方は注意。
 ここでは,オイラトの国教であるテングリと,改宗先として優秀な宗教について記す。

国家変態戦略

 ここでは,オイラトの有力な変態先と採用の価値があるNIを紹介する。以下の変態先は全て変態しても中華帝国を除き遊牧民政体を維持することが可能である。

大元(元)/Yuan★

 恐らくオイラトにとって最もオーソドックスな変態先であろう。NIは世界征服を目指すのであれば最上級のNIの一つであると言って良い。変態に際して,中華皇帝を滅ぼして帝国ランクになるという条件を満たすことで遊牧民政体を維持したまま変態することが可能である。ただし,成るにあたっての問題点として,この国はEnd-Game-Tagであるということが挙げられる。やや高等なテクニックではあるが,ミッションの変化する別の国に変態することで元に直に変態するよりも多くの利益を得られる可能性があることは念頭に置くべきだ。
ミッションツリー変更なし

Traditions.png伝統人的資源+25%
騎兵戦闘力+20%
大哉乾元Dai Zai Qian Yuanコア化コスト-25%
神聖で魅惑的で野蛮な王国A Savage Kingdom Holy and Enchanted陸軍士気+10%
三教九流の厚遇The Three Teachings and Nine Schools All Respected技術コスト-10%
ケシクと衛軍Keshik and Weijun与白兵ダメージ+10%
家のように1000マイルA Thousand Miles As If At Home使節の移動時間-10%
移動速度+15%
支那-モンゴル政権Sino-Mongol Administration統治効率+5%
パクス・モンゴリカPax Mongolica交易品生産量+10%
bonus.png宿願政府管理限界+10%

キプチャク=ハン/Golden Horde

 タタール/Tatar文化グループの文化を主要文化にすることで変態できる。白眉は変態に伴って一新されるミッションツリーであり,最後まで進めることで20年間統治効率+10%の補正を得ることができる。オイラトミッションの戦勝点コスト-15%の恒久補正と合わせて世界征服の早解きに良く利用される。NIは征服に関しての評価だとオイラト以上元未満,軍質ならオイラトの方が上で,世界征服プレイでは実用的な範疇でわざわざ元に変えるほどでは無い。異教寛容度+2が有力な効果であり,ヒンドゥーやスンニに改宗した場合はこのNIに変更するのも選択肢である。
ミッションツリーはこちら

Traditions.png伝統人的資源+25%
陸軍維持費-5%
キプチャクの遺産Legacy of the Golden Horde正統性+1/年
遊牧民の結束+1/年
失われたモンゴル統治Perso-Mongol Administrationコア化コスト-25%
タタールの伝統Tatar Traditions騎兵戦闘力+20%
交易路の保証Secure the Trade Routes州からの交易力+10%
カーンの兵站Logistics of the Khan人的資源回復速度+20%
草原への居住Populating the Steppes開発コスト-10%
宗教的現実主義Religious Pragmatism異教寛容度+2
bonus.png宿願主義思想の伝播速度+10%

満州/Manchu

 女真/Jurchen文化にシフトすることで変態が可能。ポイントは八旗を雇用できる点。ミッションの恒久補正は分離主義-2年のみで弱い。NIも征服面ではオイラトの方が強い。中華を制圧した上で,キプチャクやシャムに変態するついでに中核州と恒久補正を拾うために変態するのはアリだと思われる。注意すべき点として,満州の状態でアルタイ文化グループにシフトしても元に変態することはできない。代わりに,モンゴル系ミッションツリーを同時採用した清に変態することができる。
ミッションツリーはこちら

シャム/Siam

 タイ/Thai文化グループの文化にシフトすることで変態が可能。ねらい目はミッション1-3「我が作品を見よ/Look Upon My Works」でこれにより建設コスト-10%及び大事業のアップグレードコスト-25%の効果を獲得することができる。モニュメントによって強化をする必要のある密教などに改宗している場合は,変態は良い選択肢と言えるだろう。NIはバランス型で強力だが,征服に寄与するものが外交併合コスト-20%のみで属国戦略は遊牧民と相性が悪いため割愛。
ミッションツリーはこちら(DLC Leviathan導入済みの場合)

ティムール/Timurids

 1490年以前に遊牧民または君主制の状態で主要文化をイラングループまたはウズベク・トルクメンに変更していると「ティムールの王子を王座に/Enthrone Timurid Prince」のディシジョンを使ってTimur朝の君主を手に入れることができる。王朝がTimurの状態かつ国教がムスリムグループ,主要文化同上の条件でペルシア地方の数都市を抑えることで変態可能。条件を満たすのがやや面倒で,変態してもNIは征服プレイにおいては魅力的とは言えず,ミッションもオイラトのものと比べるとやや小ぶりなものに変更される。では何故ここで挙げているかと言うと,早期に変態することで滅亡したティムールのコアを利用できる可能性と,時限付きでありながら強烈なミッションの効果(中核化コスト-20%など)を得ることができるからである。この変態を使いこなせるならばあなたはオイラト上級者を名乗れるだろう。
ミッションツリーはこちら(DLC Dharma導入済みの場合)

モンゴル帝国/Mongol Empire★

 元,キプチャク,イルハンのいずれかのTagで所定の州を全て領有すると変態することができる。変態先の政体「モンゴル大ハーン国/Great Mongol State」は遊牧民からデバフ要素を取り除き遊牧民の結束+1/年と八旗の使用を許可したもので,非常に強力である。NI,ミッションツリーの変更は無し。かつて地球上でもっとも広い面積を支配した国の復活ということもあって,ロマン要素のある変態となっている。

 注意事項:自国がイスラム教グループの場合,オスマンがコンスタンティノープルを持っていると変態からMTTH1年で「モンゴル帝国・スルタン国/The Sultanate of Mongol Empire」 *9 のイベントが発生する。このイベントの選択肢で上の「我々はこの遠々しき土地に旅し、彼らの支援を求めよう!/ Let us travel to this faraway land and seek their support!」を選択してしまうと,この後MTTH1ヶ月×2で起こるイベント「カリフがスルタン国を承認/ Caliph Approves of Sultanate」で強制的に君主制に変えられてしまう!モンゴル大ハーン国の政体を維持したい場合はイベントに細心の注意を払うこと。

アイデア選択

 ここではオイラトと相性の良いアイデアについて紹介する。

できれば取りたいアイデア

状況に応じて取りたいアイデア

オイラトで狙える主な実績

 オイラトには固有の実績は無いが,以下の実績はオイラトで開始すると比較的容易に達成することが可能である。

関連wiki内ページ

コメント欄

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • EU4Ver1.32のアップデートに伴い、こちらの記事の首都移転戦略及び国家改宗戦略は陳腐化しております。参考にされる際はご注意ください。また、1.32で追加された新実績KHAAAAAANはオイラトが達成に非常に適したスタート国家であるのでそれに対応して戦略を追記したいとも考えています。当方は事情により早くとも11月末まで更新・検証作業を行うことが困難なため、可能な方は更新・追記をしていただけると大変助かります。 -- 初期筆者 2021-11-12 (金) 10:58:30
  • ここで紹介していいか分からんけど、1.31でオイラトでゲームスタートからほぼ50年でWCした猛者(Terry氏、EU4 speedrun world recordで検索すれば出てくると思う)がYoutubeに解説動画UPしてる。英語での解説だけどオイラトで高速征服やるなら非常に参考になると思う。 -- 2021-11-24 (水) 12:37:33
  • 今更ながら1.32向けにアップデートしました。次回アプデのbetaが来るのが早すぎて震えています。 -- 2022-02-07 (月) 12:32:21
  • 1.33向けに更新しました。 -- 2022-07-29 (金) 17:27:20
  • モンゴル帝国化すると一ヶ月ほど交易収入が激減し(自分が見た限りでは800→30。交易品の交易ボーナスも消える)、また一ヶ月たつと元に戻る(交易ボーナスも戻る)。これだけならば良いが、軍隊量の計算も一時的にぶっ飛ぶのか、モンゴル帝国化しなければ組まれない包囲網が全世界で組まれたりする。モンゴル帝国になったから、というより国家変態時に起こりうる現象かもしれないが、注意しておいたほうがいい。 -- 2024-02-27 (火) 00:10:13
  • モンゴル帝国になるとカラコルムへの首都移転が発生するからかな 一時的なものだからそんなに気にしなくてもいいと思うけど -- 2024-02-27 (火) 23:02:51
  • 交易収入はいいんだけど「本来組まれない包囲網を組まれる」のは大分致命的…。プレイヤーによっては利用も出来そうだけど。 -- 2024-02-27 (火) 23:07:20
  • オイラト(モンゴルミッション)出発の中華皇帝ヒンドゥームガルを作ろうとしたのですが失敗したのでメモとしてコメントします。オイラト→中華皇帝簒奪→アニミズム改宗→イスラム改宗→ペルシア文化シフト→あとは戦勝点コスト減などの強力な永続補正貰ってムガルに変態するだけ…→ディシジョンに出ない! 日wikiの変態のページには載ってないのですがどうやらムガル変態ディシジョン出現に中華皇帝NGが入っているみたいです。中華皇帝で-20%、ヒンドゥーで10%~、清NIで25%(統治効率もある)のコア化コスト減貰えるのでムガルは諦めて清などに変態したほうが良いかもですね。もしくは中華皇帝をあきらめてムガル化。インドへの請求権を考えたら普通にムガル化でも良いかも。 -- 2024-03-17 (日) 10:17:50
  • ムガルになってから中華皇帝になればいいんでない オイラトの密教改宗イベント持ち越しでムガルになった後で宗教変更、中華皇帝奪取。その後ヒンドゥーに。 -- 2024-03-17 (日) 12:37:44
  • 1.37では後継者で土木の変が起きるバグが修正されるらしい。あれってバグだったのか。 -- 2024-05-01 (水) 00:35:49
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*1 EU4での地名はタンヌ・ウリャンカイ。某ゲームで有名なタンヌ・トゥヴァのことである。
*2 なお,実際のオイラトはエセンの没後,ダヤン・ハーンによるモンゴル再編や清朝の勃興の影響のさなかで没落し,その末裔はチベットのグシ・ハン王朝(ゲームではホシュート/Khoshutとして登場)や最後の遊牧帝国と呼ばれたジュンガル帝国(オイラトが滅んでいる場合,ジュンガル/Dzungarsのコアが発生するイベントが存在する),ヴォルガ川下流部のカルムイク(ゲーム後半にアストラハン地域に発生することがある)といった国々に離散した。やがて清から独立したモンゴル国の下で,オイラト人はハルハ・モンゴル人と同化していくことになる。
*3 威信・NI・アイデアなどから得られる侵略的拡大のmodifierの合計とCBによる侵略的拡大減少modifierはそれぞれベースとなる侵略的拡大に乗算でかかることに注意。
*4 WCタイムアタックで良く用いられている印象がある
*5 実際の土木の変は1449年に親征を行っていた正統帝をエセンが捕縛した事件。このとき明は廷臣の于謙らの活躍により北京の防衛に成功し,1450年にエセンとの和平と正統帝の送還が成立した。
*6 影響力50%のとき,人的資源回復速度-30%,遊牧民の結束-3/年,Razeからの君主点収入-75%,国家不穏度+1.5%
*7 満州中央部の浅葱色の国。変換できない
*8 内訳:パガンのパガン寺院群/Bagan Temples,ペルシアのバーミヤーンの大仏/Buddha statues,ノルウェーのヘッダール・スターヴ教会/Heddal Stave Church
*9 本来西アフリカの部族国家用のイベントで,Steppe hordeであるなら発生しないのだが,どうやらGreat Mongol Stateは対象外でイベントが発生してしまうらしい。パラドのガバ。ちなみにイベントの内部IDはwest_african.1

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