第3話:秘中の秘
とまれ、その前に2つほど先ほどの図上演習について総括いたしたく存じまする。
ぬぁにーーー!!
いらぬいらぬ! 不要じゃ!
ワシは過ぎたことは想わぬ性質じゃ!
反省など不要じゃ!
はよう次の策を述べよ!
待った!
黙って聞いてればまったく、これじゃおんなじことの繰り返しがミエミエよ!
そもそもねぇ。
ロシアの東進を止める可能性があるっていうから其の弐:ペルシャ解放の策を選んだんじゃないの?
まったく止められてないじゃない!
ちょっとナベ聞いてるの?
これについて申し開きすることがあればしてみなさいよ!
左様…。
ペルシャを解放し、ウズベクを征服しシベリア方面に先に入植するというこの策。
結論から申すと無理でござった。
左様。まったく無理。不可能でござった。さしずめ絵に描いた餅でござるな。
なぁによ!
開き直って! あんた進言しといて無責任なんじゃないの?!
そんな戦で死んでいった兵たちの気持ち考えたことあんの?
まず、アラビア半島を統一しただけでは、せいぜい当家の戦力は20k。
それに比してティムールの動員兵力は軽く40kを超える。
当家の戦力ではティムールを解体するのに想定以上の時が必要であったということでござろう。
もし、この策を突き詰めるならば、ペルシャ解放にこだわらず、カスピ海沿岸だけティムールから奪って、すぐノガイへ戦線布告⇒属国化という流れのほうがよかったやもしれませぬ。
ただし、その場合強力なティムールに腹背を脅かされる状況となることは必定。
こんなバカげた実績に挑戦するんだから、そんな危険は織り込み済みなんじゃないの?
後ろから刺されたらさっきみたいにやり直せばいいじゃない?
それがしの役割は我が君の大望を成就するにあたって、その確実性を高めることでござる。
具体的にはいつ強敵に宣戦され崩壊してもおかしくない、という綱渡りを避けることでござる。
して、ナベよ。
図上演習最後のモスクワ戦では、当家の兵は次々に繰り出されるモスクワ兵の前に連戦連敗。
やはり西○化が遅れてしまうことも、この其の弐:ペルシャ解放策の欠点ではないか?
ロシアが遊牧民を征服し終わる前には西○化を終えておきたいところじゃ。
左様でござる。
ティムールと戦うにはマムルークとの同盟が必要。
マムルークと結べば北アフリカへ進出不能。
このジレンマがござる。
西○化が遅れることの欠点は単に仮想敵に比して質的に劣るのみならず、西○化そのものの苦難もまた増えるところでござる。
それよそれ!
今回の西○化の時、毎月4点ずつしか加算されてなかったわ!
これはなんなのよ!
収入が高くなるほど、具体的には15Goldごとに-1され申す。
当家は我が君が自慢された通り、世界最大の収入があり申した。よって西○化に余計な時間がかかるわけでござる。
(数字の話は眠くなるのぅ…)
あい分かった。
では、ナベの言う秘中の秘の策とは、
一、早期に西○化が可能
二、複数の強敵から敵視されない
この両方を満たすということじゃな?
ワシの周囲で強敵といえば、マムルーク・オスマン・ティムール・ロシアの4か国であろう。
その4つから敵対されないような進路などあるのか?
そろそろよかろう、その策を述べよ。
まずは、この図をご覧頂きたく存じまする。
赤い線がティムールが勢力圏とみなす範囲ね。
緑の線がオスマン。
んー…、やっぱり安全な拡張余地なんかないじゃない!
左様。北に進んでも、西に進んでも、東に進んでも、かならず両者が勢力圏とみなしがちな地域を通ることになる。
上記の線内はそれぞれオスマンとティムールが初期から領有権を主張している地域でござる。領有を主張している州を影響下においていると大幅な友好度ダウンの原因となり申す。
ただし、この地域に入ると即戦線布告ということはあり申さぬ。
きちんと友好度を維持していけば数州の範囲であれば友好関係を維持することも不可能ではありませぬ。
え、じゃぁこの黒羊朝・白羊朝・グルジアの細い領土を縫っていくってわけ?
左様でござる。
ところで我が君、我が君は「しょぅうぃんどう」というものをご存じでござろうか?
ヨシ! その策こそ我が意を得たり!
いざ出陣ぞ! 貝を鳴らせ! 馬をひけい!
ちょっと!ちょっと!
御意。じゃないでしょ??
ナベあんたなんか聞いてたんじゃないの?
ショーウィンドウがなんとかって!
うぬ?
「しょううぃんどう」とな?
あれ、あれか、本朝の言葉でいうところの「飾り窓」のことか!
うむうむ。よぉく知っておるぞ。
ではワシがゲーレで"オランダ変態プレイ"をしたときのとっておきの話を…
我が君…。
先に示した当家の拡張進路の先には、オランダではなくイタリアのショーウィンドウがございまする。
西○の先端技術がそこに存在し、暗い遊牧世界で艶やかな灯を灯し続ける・・・。
そう、クリミア半島のジェノヴァ領こそがそれでござる。
時を置けば、クリミア・オスマン両国の分け取りに合い、早晩遊牧世界からは消え果る運命。
そここそが、我が君の大望を成就させるこの策の秘訣でござる。
アフリカ地域が植民地会社化されるv1.6において、ムスリム・遊牧民がもっともはやく西○技術国に隣接する方法がおそらくこれでござる。
でかした!
さすが当家の誇る名臣よ。ワシの絶倫たる采配をもってしても弱兵を率いては、オスマン・ロシアを確実に葬ることは難しかろう。
しかも、この策によれば、西○技術に接するまでに領有するのは山がちで貧しい州が多いゆえ税収も上がるまい。
なおかつ、オスマン・マムルークと同盟を維持したまま、ティムールだけを敵に絞ることができようぞ!
やるものねぇ。
この策が成功すれば、ノガイやカザンといった遊牧国家をロシアより先に属国化してロシアの中央アジア進出を遅らせることもできるんじゃない?
そこは、時の流れ次第でござろう。
ロシアが欧州戦線にかまけているようであればその隙もあるやもしれぬ。
シベリア植民を塞ぐのは難しいかもしれぬが、もし中央アジアを先に抑えることができれば、征服すべき州をだいぶ減らすことができよう。
それがしの敬愛する名将の言葉でござるが、
「高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います」
AAR/ハートマン軍曹白熱教室/世界征服解説第6回「高度の柔軟性、臨機応変に対処」
ぐわっはっは!
気に入ったぞ! 今の言葉!
要はその場その場で本能的に反射神経で対応していくしかないってことよな!
ワシの気質にぴったりじゃ!
よし、議論は尽くした!
出来るだけ早くクリミア半島へ喰らいつけ!西○化が終わるまでは、オスマンのご機嫌をうかがい、ティムールの靴を頭にいただこうとも不要な戦は避けるのじゃ!
此度の戦は「飾り窓作戦」と名付ける!
オスマン・クリミアの無粋な輩に検挙され閉店する前になんとしても登楼するのじゃ!
急げ者共! いざ出陣じゃ!
今日のチラシの裏
冷戦時代の西ベルリンは"資本主義のショーウィンドウ"として社会主義陣営の人々には眩しい場所だったとか。そのショーウィンドウを見えなくするためベルリンの壁ができたなんて言われるほどに。
今回の挑戦も最初は、ケープあたりでスペインかポルトガルに接すればOKと思ってましたが、列強はアフリカ領土を残らず植民地会社化してしまいました(T_T
モロッコはとてもとても遠いし…。そんな中ジェノヴァはほんと暗闇を照らす唯一の灯り…。そう考えると、Golden Hordeは西○化が超容易なので恵まれてますね。Golden Hordeプレイ中は思わなかったけど…。
今だと日本の西○化って飛び石植民でマリあたりを殴って奪わないと無理?
下手すれば北米いったほうが早いんじゃ…。どなたか教えてください(>_<)
え、オランダ変態プレイの中身ですか? それはまた別の機会に…。
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AAR/Jihad!!!!/第5話:宣戦布告
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