AAR/誰でも簡単、糞まみれWC

 

 
 

カザンの力を解放するとき

絶対主義MAXと化したカザンの大膨張が始まりますが、それをお届けする前に、この時点での国力をご確認ください。

 
1622 財政.JPG

上は1622年の財政状況です。
相変わらず税収が貧弱ですが、生産収入と交易収入が爆伸びし、財政を支えています。

これは、1610年頃に「高い収入」ミッションの報酬を得て、一気に工場を建て始めたことも影響していますが、
なにより、貿易会社の効果が大きく、その価値をザンジバルでコレクトする体制が整ったことで、盤石なものとなりました。

支出は、大部分が陸軍維持費となっています。
顧問は、razeのおかげで君主点に困らないため、低レベルでも差し支えなく、財政を圧迫していません。

 
 
1625 陸軍比較.JPG

軍量アイデアを破棄したにも関わらず、圧倒的な物量を誇っています。
こうなってしまえばオスマンも怖くありません。

 
オスマンに勝てない.JPG

 
こんなコメントを見かけましたが、オスマンが強いなら、オスマンより弱いやつを先に倒して、オスマンより強くなってから殴れば良いのです。
AIの拡大はたかが知れており、プレイヤーの拡大速度のほうが、必ず上回ります。

 
それにしても、いつも思うのですが、AIで、特にダカットのあるAIは、砲兵を作りすぎますね。
運用面でもお粗末で、ときとして砲兵が前衛に出たりしています。
下手すると、AIには砲兵を作らせないほうが強いかもしれません。

 
 
ちょっと待って! カザンに騎兵が入ってないやん!!

 
 

解説/騎兵道と戦術思想

序盤の遊牧民の騎兵は、東欧歩兵の三倍という異常なpipがあり、遊牧民のその他の補正も相まって極めて強力です。
部族estateから定期的に騎兵5ユニットを貰えることもありますし、積極的に野戦で運用しています。

しかし、軍事技術レベル7で砲兵が登場すると、騎兵の地位は一気に凋落します。
遊牧民グループということもあり、まだまだ騎兵のpipは強力ですが、
砲兵以後の戦争は、野戦で勝利することよりも、右往左往するAIを尻目に、迅速に要塞を占領し、野戦での消耗なしに戦勝点を稼ぐことが有益な傾向があります。

野戦で勝つと気持ち良いですが、どれだけ大勝しても自軍の損害は避けられません。この損害に比べれば、要塞包囲の消耗は小さいものとなります。
砲兵の登場・集中運用*1によって、迅速に要塞が陥落するようになると、野戦の時代そのものが終わり、結果として騎兵の時代も終わるのです。

もちろん、常にAI軍が右往左往しているわけではなく、プレイヤーの隙を突く形で野戦を仕掛けてくることはありますから、砲兵の前衛となる歩兵は必須です。
そもそも歩兵の(局所的な)軍量で圧倒すれば、AIがビビって野戦を仕掛けてきにくくなるため、塗り絵要員以外にも、歩兵の配置があって然るべきでしょう。

 
なお、戦闘幅のシステムの都合、最低限の騎兵を軍に混ぜるのは、偶発的な野戦に勝利することには資するのですが、
騎兵を混ぜるための操作リソースが惜しいため、どんな国であっても、序盤以外、まったく騎兵を用いない=序盤の内に使い潰すのが、筆者のプレイスタイルです。

 
余談ですが、マルチプレイにおいては、野戦が重要となるため、騎兵を混ぜるのは合理的な選択に見えますが、操作リソースの制約がシングルとは比べ物にならないほど厳しくなる都合、冷遇される傾向があるようです。
ポーランドのような騎兵戦闘力NIがある国で、同じく騎兵戦闘力の含まれる軍質アイデアを合わせ、騎兵のpipが高い*2時期に仕掛ける限りにおいて、いくらか有効であるという実験結果が得られています。*3

 
 

オスマンも道路

あれだけ恐ろしかったオスマンですが、今のカザンでは鎧袖一触。*4
1625年には、綺麗に領土を切り取り、ヨーロッパへの道を整備する100点和平を通しました。

第一次オスマン戦.JPG

どんな強国でも、一発の100点和平を叩き込んでやれば、次回以降の戦争で、もっと簡単に潰すことができます。

 
 

欧州情勢(1625)

1625 欧州.JPG

スペインが好調で、欧州随一の力を持っています。
Golden Century以後の環境では、イベリアンウエディングが不発に終わらない限り、スペインが確実に覇権を握ってますね。

デンマークは、モスクワ没落の恩恵を受けたか、スウェーデン・ノルウェーの併合に成功し、北欧の統一国家として影響力を示しています。

対照的に沈んだのはイングランド、スコットランドに押し込まれ、一時はヨークシャーを完全に失っていました。

なお、リトアニアは、かつてカザンの朝貢国になっていたことからも分かるように、どこかのタイミングでポーランドとの同君が外れていたようです。

オーストリアとハンガリーは見るも無残な姿。
HRE皇帝位はプロテスタントのボヘミアが確保しており、どうやら宗教戦争はプロテスタントの勝利に終わったようですね。

 
 

欧州情勢(1640)

1640 欧州.JPG

なんということでしょう。

わずか15年の間に、欧州一面に広まった灰色*5
高DEV地帯のHREを道路にし、フランスを粉砕することで、スペインまで隣接したカザン。
匠のプレイ*6の前に、AI国家は悲鳴をあげる間もなく滅んでいきます。
壮麗を誇ったローマ・プラハ・アントワープなどの都市は、既にrazeにより半壊しているのです。

 
ちなみに、これに並行して、インドネシアに侵食しつつ、北海道まで到達しています。

1640 アジア.JPG*7

 
 

糞まみれになろうや

ついにチートコードを使ってAARを書く奴が現れたか! と怒り心頭の皆様、いえいえ、チートは使っていませんし、データもいじっていません。
また、明らかなバグを使ったわけでもありません。*8*9

 
 
さて、ここで考えてみましょう。WCを達成する上で最大の障壁はなんでしょうか?
下の画像を見れば、だいたいの方が察しが付くでしょう。

不穏度地獄.JPG

皆さんお馴染み、OEが100%を超えたときに起こるバッドイベントのアレです。
とても嫌な思いをするので、EU4プレイヤーのトラウマ筆頭格に入るかもしれません。

OEが高いだけでも、反乱がすごいことになっちゃうのに、こんなイベントもあるのですから、拡大は、OEに制約されるというのが、基本的な観方です。

 
 
 
 
ここで筆者は考えました。反乱が問題なら、どうにかして反乱を封じる方法は無いだろうか?

もったいぶるようなことでもありません。さっさと開示しましょう。

 
汚職の始まり.JPG

 
汚職の始まり2.JPG

糞の正体は、こいつダーッッッ!!!

 
 

糞の正体

パラドの生み出したテリトリー大杉システムにより、世界のEU4ユーザーに嫌われた汚職(Corruption)

しかし、その汚職こそが、お気楽WCの救世主だったのです。
今プレイでは、政府改革の変更を無駄に連打し、ついでに貨幣を改鋳することで、一気に汚職を引き上げました。

 
ここで、汚職の効果を検討してみましょう。
便宜的に、汚職10のときに、どのような効果が出るのかリストアップします。

 

効果名数値解説
汚職10ウンコは苦くてうまい
最低自治度+5%税・生産・MP・水兵の各収入、陸海扶養限界が減少
君主点消費+10%文字通り、あらゆる消費で増加
他デバフいろいろ無視して良い
国家不穏度-2.0神か?

つまるところ*10
自治度を通じた収入減による財政問題と、君主点不足を引き起こす可能性がある代わりに、
国家不穏度を著しく引き下げ、反乱を抑制する材料となるのが、汚職なのです。

 
 
君主点については、皆さんもうお分かりでしょう。
遊牧民にはrazeがありますから、君主点は余る一方であり、汚職で消費が増えたところで、さして痛くはありません。

一方で、収入のほうは、さすがに厳しいのではないかという声が上がるかもしれません。ところが、実はそうでもないのです。

 
 

解説/交易収入、お主も悪よのぉ

すべてのプロヴィンスは、DIPに対応する生産値に、工場があれば生産値+5相当を足し、そこに様々な補正の影響を受け、小麦・家畜などの産品を生産しています。
そして、産品の生産量に、産品の価格が乗算され、交易価値(Trade Value)として、交易ノードに乗っかります。

各国は、プロヴィンスや小型船から生み出される、交易力(Trade Power)によって、ノードのシェアを競い、交易価値に対し、シェアの分だけの交易収入を得ます。

 
ここで注意すべきは、交易力には自治度の影響があるが、交易価値には自治度の影響が無いという点です。

考えてみれば当然ですが、お上の統治がどうあれ、住民は生産活動には従事し、それを売買しますよね。
生産活動そのものが損なわれるのは、戦争によって占領されたり、台風が直撃してプロヴィンスの荒廃が上がるときであり、これもまた当然のことです。

 
一方で、自治度による交易力の減少は、
競合しているノードでは問題になりますが、他国がほとんど入ってきていない独占ノードでは、さして影響がありません。

 
今プレイのカザンは、アジア地域のノードを、ほぼ独占しています。
つまるところ、自治度がどうあれ、交易収入は、おおよそ一定なのです。

 
そして、このゲームは、時代が進めば進むほど、総収入に占める交易収入の比重が高くなります。
これは、工場という、DIPのDEVポチ5回を行ったのと同じだけの産品を生む建造物が、猛威を振るうためです。*11
ついでに言えば、既に触れたように、貿易会社のシステムで、理屈は不明ですが生産量が+50%増えて、アジアの産品の価格が高いことも相まって、高収入を生んでいます。

どんなに腐敗した国家であっても、政府と商人が癒着することで、本来ならば生産階級に還元されるべき富を掠め取って、生き続けることができるのです。*12

 
 

オラ行くぜオラ行くぜオラ行くぜ

1643年、拡大を続けるカザンのOEは、262.3%と、今プレイにおける(たぶん)最高記録に達しました。

OE限界突破.JPG

 
OE262.3%による、不穏度+13.12を、汚職92による、不穏度-18.22で、打ち消す以上に押し下げています。
完封でございます!

 
ただし、例のピンポイントで不穏度が+15されるイベントが起こったプロヴィンスでは、反乱の兆しが見えます。*13
これは、かつて絶対主義上昇のために自治度下げを行った対価としての不穏度+10が、ギリギリ残っている*14ところに、ピンポイントのイベントが被った局所的なものです。

これらの不穏度が反乱に結びついたのは、たった一度だけ
1640年代に起こった、スコータイ分離主義者の反乱が、カザンにとって最後の反乱となったのです。

 
理論上、OE100超バッドイベントの+15に、自治度下げや他のイベントの不穏度が上昇が重ならない限り、OE300%を、普通に耐えられる計算となりますが、
今プレイの場合、コア化が13ヶ月で終わる都合、獲得とコア化のサイクルのほうが先に進み、わざとOEを溜めようとしない限り、300%まで到達するのは難しかったです。
NIにコア化減が無い、ましてrazeが使えない国だと、300%超になるでしょうから、その場合は、和平のタイミングを調整し、OEの負担時期をズラしていくお馴染みの細工が必要となります。

 
 

ウンコ詰まった

汚職100.JPG

1651年、西アフリカなど、WCの仕上げ段階に進んでいたカザンは、ついに汚職100に達しました。
これにより、ステート・貿易会社の自治度が50%まで上がり、君主点は常に通常の倍を消費するようになっています。

汚職が100以上になるのかは興味がありましたが、残念ながら(?)カンストのようです。
テリトリーからの汚職は、とっくに+0.8/yearを叩き出してますが、こうなってしまうと関係ありません。

 
 
汚職100と財政.JPG

懸念材料となった汚職下の財政状況は、こんな感じです。

>ちょっと待って!月-1432の大赤字やん!<

慌てることはありません。
これは戦争終了直後、和平で植民地を取りすぎてしまったがために、維持費が指数的爆発を起こし、一時的*15に高まっているだけです。

植民地維持費が適正化すれば、むしろ数百ダカットの黒字ですから、いかに健全な財政状況か分かるでしょう。

 
 

さすがにちょっと厳しいものが

ここまで余裕ぶっこいてきましたが、唯一、厳しい要素があります。

自治度がダイレクトに効く要素であるMPが、軍量アイデアを破棄したことと重なり、不足してきたのです。

 
 
なんて言いましたが、嘘です。全く不足しません。

MIL50*16を費やして将軍を雇用すると、熟練度が1%上がります。
熟練度5%=MIL250*17を費やして、「募集基準の緩和」を行うと、MP二年分が手に入ります。
この変換無しでは、さすがに傭兵を主力にする必要がありますが、変換有りなら、正規兵だけで走り抜けられます。

変換.JPG

 
合計で数十回は変換をポチりましたが、それを上回るペースでMILが湧いてくるので、高熟練度を維持できています。

汚職で消費が2倍なのに、どうしてそれ以上のペースで湧いてくるのか、はっきり言って異常だ。

 
 

ダッシュの結果

下は、1668年の世界です。

1668 世界.JPG

ペルシアのオレンジの国は、ミッション報酬で形成できるイル・ハン国で、辺境伯となっています。

残るは、日本を制圧し、大国の残滓を処理し、未だ原住民が残る新大陸を征服し、未入植地を埋めるだけ*18の、消化試合の中の消化試合となっています。

AARに書きたかったことは、一通り書けたので、ここで事実上として完結したようなものですが、一応、WCの条件を満たすまで続行します。

 
 

今回(1620頃~1668)のプレイ補足

ここでは、第四回のプレイ内容について、上で書ききれなかったことを補足します。

 

余った君主点の行方

前回以前も含めて、ここまでに書き忘れてましたが、余った君主点の使い道を説明します。

最初は、植民地主義・活版印刷の受容*19のために、バーシュギルド金山の周辺のステップにDEVポチし、
インド到達後は、DIPはインドの高価な産品に、MILはステート(カザン本土のステップ)にDEVポチしています。

絶対主義時代以降は、1DEVあたりの価値が相対的に下がるため、全体を強化するため、DIPは重商主義、MILは将軍雇用を通じた熟練度上げ=MP変換に用いています。

 
 

今回(1620頃~1668)のまとめ

汚職パワーで、世界を一気に我が物としたぜ。
 
 
 
 
前  第三回 コア化の黒字経営
次  第五回(終) 走りきった遊牧民の末路


*1 レベル2要塞に対しては、砲兵10の投入で、5ポイントの包囲ボーナスが入ります。
*2 一例として、東欧グループのレベル14の騎兵(コサック)は、ショック攻が4pipと、同時代の他ユニットの追随を許さない打撃力があります。
*3 これは、筆者が騎兵運用おじさんとの実験に付き合った経験によるものです。
*4 油断して野戦で数回負けてることは、正史から抹消しています。
*5 hoiのドイツかな?
*6 自画自賛
*7 画面左のカザンの国号も、あまりの急拡大にグルグルしている。
*8 遊牧民の性能自体が、一種のバグみたいなものだと思わんでも無いですが。
*9 razeが、パラドの意図通りに弱体化されても、同じ手が使えるので、その点でもバグありきではありません。
*10 ウンコだけに
*11 ついでに言えば、石炭溶鉱炉が建つと、1つ建てば+5%、5つ建てば+25%と、産品の生産が爆伸びし、頭のおかしい収入になりますが、今プレイでは、石炭の時代に進む前に、ほぼゲームが決着しています。
*12 唐突なマルキシズム要素
*13 既存の反乱軍の表示は、和平による国家消滅時に残っていた軍が、分離主義反乱軍に変化し、プロヴィンスを占領したものです。
*14 30年で効果が切れます。
*15 ほんとぉ?
*16 汚職100の影響で、実際はMIL100
*17 汚職100の影響で、実際はMIL500
*18 既に、拡張アイデアを取得済みです。
*19 世界貿易・工場は、DEVポチ無しで受容しています。

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