わが征くは星の大海!
「まだ興奮しとるな」
「殿、それより目に映るものを視て下さいな」
政宗の御所『龍宮城』
「いつまでこんなあばら屋に住まうんですか?拝火教徒かアンタは」
「開幕、ぶち壊した米沢城――」
「再建しましょうよ」
「よろずに倹約を用い金を備うべし。倹約の仕方は不自由を忍ぶにあり…」
「新領整備と造船でクビが廻んねえんだよ」
「ちったあ、テメーの才覚でゼニ作ってこいや、この穀潰し」
「金山潰しに言われたかねーな」
「草
とフランチェスコ会、政宗自身の見聞etc…から集めた情報をまとめて」
「相関図を作ったので見て欲しい」
(ワクテカ)
「あん?」
「豊臣がアイヌを冊封してんですが、もしかして豊臣は独立大名なんですか?」
「おう、プライドだけは高い
が…」
「主家筋殺しのドチンピラの山猿に臣従などできんどす!次が勝負でがんす! とかのたまっててな」
「まだ豊臣は隠然たる勢力です。油断なりませんね」
「フンッ」
力が掟のこの世界……
「刃向かおうってんなら、いつでも来やがれ」
「しかし
「七つの海どころか、日本すら闊歩できないんじゃ話になんないっす」
「そのうち
「こりゃあ……アジアの
「南海に目を向けりゃ
「ああ…ともに米沢幕府の明日を左右するいくさだな…!」
「……」
「それで?」
「注視に注視を重ねて注視しており、なおいっそう注視を強める用意がある…!」
「力がないので、見てるだけ、っと」
「……」
「私ではありません (キリッ ヨハンです 」
「——っったく、頭に入んねえよ」
「ん……?」
「みんな仲悪くないですか?」
「そうそう、大国間の同盟がイッコもない」
「そりゃ好都合」
「争え……もっと争え」
伊達の宿願は……
我が船が
風をはらんだ家紋をはためかせ
水煙万里の大海原を支配する——
——交 易 帝 国 の 創 造 ……にこそある!
「おおっ」
「そこで、どうしても取らねばならん港がある」
「して、そこは?」
文明と交易の波が押し寄せる海の旧都
南海とインド洋の
アジアの
マラッカ…!
「スペイン帝国の縄張り…」
「宿敵スペインをぶっ倒さなきゃ手に入らない……!」
「そういうこと」
「たどり着くもの簡単ではない…」
「……!」
「……立ち塞がる化け物がいますね……」
「
「戦えば…」
「下手すりゃ、幕府…いや日本が吹っ飛びますよ」
「そうならないために
「なるほど」
(いつまでも見下ろされるのは……ガマンならねぇ)
(首根っこつかんで、地に叩きつけてやる。このオレの…力でな)
「米沢幕府の仕事始めは……」
最 上 家 の 再 興 !
マ ジ で !?
母上は鬼であった。
最上と語り政宗に毒を盛り、秀吉と内通する米沢一派に加担し……!
しかし親子の情というものは霊妙なものよ。憎んでも、ついに憎みきれなんだ。
そして、真っさらな
母上は
自分の宿命、宿願を貫こうと身命を賭した、一人の武将であった、と。
そして、政宗を鍛えに鍛え、天下を取るほどまでに強うした、誠の師でもあったのだ。
「気づくのが遅れ、生前和睦できなかったのは、政宗の落ち度である」
「……」
「ヨロシク、取りはからってくれ…」
「……母上の宿願を叶えよう、さあ!」
「はい!」
「よみがえれ! いにしえの
「……」
斯 波 !? 斯 波 !? 斯 波 !? 斯 波 !? 斯 波 !? 斯 波 !?
ご愛読ありがとうございましたー