交易系実績を目指すにせよそうでないにせよ、まずは生き残る事を考える事から始めなければいけません。
1444シナリオ開始時点のノブゴロド軍備は歩兵9000.騎兵3000の中堅国家です。
東に位置するルーシ諸侯のライバルであるモスクワは歩兵18000.騎兵5000+属国歩兵7000.騎兵2000。
……戦力差は約3倍ですね。
北へ目を向けるとライバルはデンマークの歩兵15000.騎兵5000.属国歩兵13000.騎兵5000。
……戦力差は約3倍ですね。
南へ目を向ければライバルはリトアニアの歩兵17000.騎兵7000+ポーランド歩兵15000.騎兵6000。
……戦力差は約4倍ですね。
大丈夫、どうにかなります。
英語wikiでは難易度中間判定であるSwitzerlake(スイスの湖)よりも、ノブゴロドは対外拡張に関しての難易度は低いです。
スイスプレイ時に歩兵5000.騎兵2000の初期戦力でフランス・ブルゴーニュ・オーストリアの戦力差約4倍~9倍の超大国に囲まれている状況と比べれば楽なんです。
そして史実でのノブゴロドはモスクワに滅ぼされていますので、ゲーム上ではヒストリカルライバルにモスクワが指定されております。
オピニオンに対して-25の補正が付与されますので関係の改善を目指すよりは、生き残る為にモスクワを滅ぼす事を考えた方が良いでしょうね。
流石に単独で3倍の軍を持つモスクワ相手に勝負を挑むのは無謀にもほどがありますので、他国の動向に気を払うべきですね。
モスクワはタタールのくびきを脱する為、キプチャク・カザン・ノガイの諸ハン国への強い敵意を保持しています。
そして3ハン国は皆互いをライバル視しておりますので、ステップ地帯の覇権を目指し何れは争いが始まります。
ハン国同士が争う→二虎競食の計成功によりモスクワがハン国征服を始める→ノブゴロドがその背中を刺す。
これぞ正しく豹(カザン)に向かって虎(キプチャク)をけしかけ、虎の穴を留守にさせ、この隙に狼(モスクワ)に虎の穴を狙わせようという策です。
実際の所はAI同士が勝手に争いあう様子を眺めているだけですが、介入時期の決断も立派な戦略です。
実に完璧な回答ですね。
ゲーム内時間を進めるとAI同士の争いが始まり、モスクワも脱タタールのくびきを目指して戦争を始めました。
まだだ、慌ててはいけない。
ゲーム内統計でモスクワの人的資源が0になった事を確認した後、おもむろに宣戦。
そして5年後―――
そこには―――ボロボロになりながらも殴り合いを続ける両者の姿が。
……何かがおかしい。
陸戦勝利による戦勝点の上乗せ限界40%へ到達したのに、敵軍の兵士が常に2万前後から減らない。
自軍損害 戦死者42000 損耗6400
敵軍損害 戦死者152000 損耗18500
当初の予定通りキルレートは1:3を超えておりますので、何か根本的なところで間違えているはず。
改めてゲーム内統計を確認すると―――
―――モスクワが傭兵15000雇用の事実が判明。
ロシアでは畑から兵士が取れるとの名言があります。
長大な後背地を抱えるロシアの大地に対して、国境付近で人的資源をすりつぶす消耗戦を挑んだ事そのものが誤りでしたね。
この後はノブゴロド憎しで手を結んだデンマーク・モスクワ同盟に復讐戦を挑まれ順当に敗北。
この世界はリセットです。
モスクワ→ロシア変態プレイでしたら、周りは全て敵だとのパワープレイでどうにかなるのですがそこまで甘くはありませんでしたね。
結論
大軍に策無し。
小手先でどうにかするのではなくモスクワ全土を占領し、新規徴兵を妨害できるだけの圧倒的戦力を用意すべし。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず。ルーシ統一を目指す為にも、自国の強みを知りましょう。
ノブゴロドは商業共和制国家であり、専用National Ideaを保持しています。
項目名 | 原語 | 効果 | 備考 |
伝統 | 傭兵雇用コスト-25% | ||
外交評判+1 | |||
芸術の北の中心地 | Northern Center of Arts | 年間威信+1 | |
教会都市 | City of Churches | 布教強度+1 | |
イヴァンの百人 | Ivan's Hundred | 年間共和制伝統+0.5 | イヴァン先鋭教会の周囲で結成された商人ギルド。 ロシアでの最初のギルドと言われており、 このギルドの指導的メンバーはノヴゴロド連邦共和国の評議会議員でもあった |
ハンザ同盟交易所の支配 | Control of the Hanseatic Kontor | 商人+1 | Kontorはハンザ同盟がバルト海周辺諸国に置いた交易所 |
交易力+5% | |||
大公軍 | The Grand Duke's Army | 人的資源+20% | |
ウシュキィニクスへの出資 | Funding the Ushkuiniks | 年間海軍伝統+1 | Ushkuiniksはノヴゴロドを拠点とした海賊 |
私掠船効率+15% | |||
バルト海造船所 | Baltic Shipyard | 小型船建造コスト-20% | |
宿願 | 要塞防御+20% |
共和国である事・交易・海軍へのボーナスが目につきます。
交易系実績の達成を目指す都合上、交易と海軍へのボーナスは嬉しいですね。
ゲーム序盤のノブゴロドでは傭兵雇用コストにボーナスがありますので、戦時疲弊が気になるならば大国の特権である傭兵主体の軍備を行えますね。
対するモスクワ(ロシア)ですと以下。
項目名 | 原語 | 効果 | 備考 | |
伝統 | 人的資源+25% | |||
歩兵雇用コスト-20% | ||||
1 | 1497年法典 | Sudebnik | コア化コスト-15% | イヴァン3世が1497年に制定した法律集。 中央集権化の拡大、イヴァン3世が併合した諸公国へのモスクワ法典の適用などが定められ、ロシアの中世終焉の象徴 |
2 | ストレリツィ | The Streltsy | 陸軍扶養限界+50% | イヴァン4世が創設したロシア初の常備軍。 兵種としては16-17世紀のロシア歩兵のこと |
3 | オプリーチニナ | Opprichina | 文化転向費用-20% | イヴァン4世に使えた直属家臣団であり、貴族を弾圧した。 |
人的資源回復速度+10% | ||||
4 | 門地制の廃止 | Abolishment of Mestnichestvo | 生産効率+10% | 1682年フョードル3世が行った改革で、それ以前は身分により軍司令官が任命されていたためしばしば国土防衛に支障をきたした。 |
5 | シベリア開拓 | Siberian Frontier | 植民者+1 | |
州に植民した時周りの州が明らかになる | ||||
6 | 序列表 | Table of Ranks | 年間陸軍伝統+0.5 | 1722年にピョートル大帝により導入された軍、行政、宮廷の序列の明確化。 |
7 | 軍幼年学校課程の拡張 | Broaden Curriculum of the Cadet Corps | 研究機関制度(Institution)の伝播速度+20% | 1732年サンクトペテルブルクにて特権階級の子弟の教育機関として設置。 最初は陸軍のみだったが後に海軍にも拡大された。 |
宿願 | 人的資源+50% |
膨大な人的資源による常備軍歩兵の充実。
シベリア開拓へのボーナスが目につきます。
ノブゴロド→ロシアへの変態時にアイディアの切り替えが行えますので、どちらを選ぶのか予め考えておくべきでしょうね。
シベリアへの注力を目指すならば、モスクワアイディアが望ましいですね。
共和制国家共通の特性として、君主を選択可能・共和国伝統が極端に低いと政体変更イベントが発生するとの点がありますね。
君主制ですと馬上槍試合で平民が優勝し陸軍指揮官get等のイベントがありますが、共和制でも時折陸軍伝統100の将軍を雇えるランダムイベントが起こりますので、戦闘面の不利益はないと感じます。
そして共和国から君主制への移行を目指す場合はディシジョンかランダムイベント、選挙が候補に挙がりますね。
ランダムイベントと選挙に頼る場合。
商業共和制→独裁官制→封建君主制
または商業共和制→寡頭制→独裁官制→封建君主制 と寡頭制への移行を迫られるワンクッションが挟まれる可能性も。
三頭政治からカエサルの独裁官就任、やがては帝政ローマへと移り変わる歴史の流れ。
それをローマの伝統を受け継ぐ第三のローマであるルーシ地域で再現できる事は、非常に魅力あるロマンプレイですね。
しかしながら共和国伝統が極端に低い状態を続けているとランダムイベントで君主点-50イベントが起こるような気がしますので実利の面ではあまりよろしくないですね。
共和国伝統が低いと安定度の回復にマイナスの補正が付与され、また君主制への移行直後も正当性が低く君主点の管理が大変でした。
ロシアプレイですと東方への拡大の際、外交併合を用いる必要性が少ないので異なる政体による外交属国化へのオピニオンマイナス補正は気にする必要はないでしょう。
共和制か君主制かの選択は、好みの差でよいとおもいます。
テストプレイでは独裁官の死後、一足早い封建制君主国家ロマノフ朝ノブゴロドが誕生いたしましたのでフレーバー要素でみても個人的には大満足でした。
商業共和制についての国家解説がまだありますが、ページ配分の都合から本編の実践編へ回します。