パラドのつぶやきをチェックしている方々は御存じでしょうが、かつて開発側からユーザーへとこんな質問がなされた事がありました。
プレイヤー側が行えるチートとして、「世界地図をプレイヤーは知っている」が公式認定された結果ランダム新大陸システムが導入された過去もあります。
もしかしたら将来のバージョンでは、「停戦期間無視」や「NO CB宣戦」がプレイヤー側が行えるチートとしてシステム上不可能となる日が来るかもしれません。
あくまでも本AARはver1.25.1の時点で可能な戦略であったとの忘備録としてとらえてください。
さて弱小国プレイではゲーム開始恒例の現状確認ですが、今回は略式で。
EU4では東のビザンツと並んで西のグラナダと称えられる大人気の横綱国家グラナダですから、このページを見に来る方であれば国力は御存じでしょう。
知らない方の為に一言述べますと、グラナダとは特に何もしなければ1450年を迎える事は出来ないであろう青息吐息の要介護国家です。
古典的手法ではモロッコ・トレムセンを生贄に捧げるか、カスティーリャ首都のトレドへと玉砕特攻が推奨されますね。
しかしながらよくよく考えますと他国を生贄に捧げるのって、良くないと思うんですよ。
でもカスティーリャが狙って来る? グラナダを明け渡さないと命はないって?
逆に考えましょう。心臓なんて手放してしまえば良いんです。
それはそれとして羊肉は別腹です。今回の獲物はこちら 皆さん大好き東フリースラント地方です。HRE領域に隣接しながらも、幾度となく派遣される代官を叩き出してきた化外の地。
「領主なきフリースラント」と呼ばれる空白地です。
調理方法はもちろんNO CB!!!
ver1.21以降AIの同盟関係が複雑化しましたので、初手東フリースラント地方征服戦術は下火となりましたね。
今回ほど恵まれた環境はそれほどないでしょうが、彼らがデンマークと同盟をしていない限りはどうにかなるでしょう。
デンマークの保護下にある場合はリセットです。
フランス・ミュンスター辺りから通行券を貰えば陸路で彼らを征服できるはず。
船は捨てましょう、維持費が払えません。
歩いてたどり着けない? さらに他国から重ねて通行券を貰いましょう。外交枠超過で外交点を払うことになっても構いません。のんびりしすぎるとカスティーリャにグラナダが滅ぼされます。
さて無事に東フリースラント地方を懲らしめる事が出来ましたか? 和平の前に外交関係をチェック。
ふむ西フリースラントからハイエナ参戦を受けていますね。狙い通りです。
彼らを属国化し、宗主国として防衛戦争を引き受けます。
モロッコに海上封鎖を手伝ってもらいながら無事勝利。
そしてここで大きなミスが発覚。
欲を出してオルデンブルクではなく西フリースラント地方を要求した為、対抗同盟を組まれる危険性が大。
資金をケチって外交関係改善のアドバイザーを雇っていなかったせいですね。
HRE領域へ手を出そうとするとこれが怖いです。
しかしながらAEの溜まりは54から60程度なので、3~4年ほど戦争を長引かせAEの軽減を待つことにします。
本来ならばこれはほぼリセット案件なのですが、この世界のカスティーリャはたまたま内戦イベントで人的資源を大きく減らしておりますので少しは時間に余裕が出来ました。
良いこの皆は欲張らずに開発度のより低い、オルデンブルクやミュンスターを切り取りましょうね。
新領土を確保できれば今後はほぼ安泰です。
1455年カスティーリャから宣戦布告を受けました。
1450年前後を想定しておりましたが、ずいぶんと遅かったですね。
おそらくミッションシステムのツリー化で、アンダルシアへのクレーム確保が人的資源依存となった為でしょうね。内戦イベントの都合でクレーム確保が遅れたのでしょう。
お相手は6万を超える大軍。イベリア半島のキリスト教化へ向けて全国家が参戦しておりますね。
とても勝てそうにありません。全面降伏です。
3領土の引き渡しと多額の賠償金。戦勝点約80点分の敗北を認めれば許してくれるそうです。
ナスル朝グラナダの終焉ですね。イベリア半島からの退去を迫られる事となりました。
史実でのグラナダは1492年まで粘っていましたが、先人の偉業にはかないませんでした。
これからどうしようか。やっぱりカスティーリャに勝とうだなんて夢だったのかな。
そうだこれは夢なんだ。きっと夢から覚めれば僕はまた、1444年スタートのグラナダでリセットを繰り返すそんな火の点かないマッチを必死で擦り続ける日々を繰り返しているんだ。
眼を開ければほら 「警告 イタリア諸侯に帝国離脱のおそれあり」
あれ? 世界線を間違えたかな。
確認しよう 時代は1455年 首都はGroningen 領地はHRE領域。国家名は……帝国ムスリム宗務局グラナダ。
ローマ教皇の肝煎りで行われたイベリア半島における十字軍運動は大成功に終わった。
これは東方よりもたらされた、「ビザンツ帝国がムスリムに屈服した」との凶報へ沈むキリスト教徒にとってはこの上ない福音であった。
しかしこの晩鐘へ苦虫を噛み潰したかの様な形相を浮かべる男が一人あった。
HRE皇帝にしてオーストリア大公・地上の支配者。その人である。
元来教皇と皇帝は天上の恩寵と地上の代行を巡って果てしない戦いを繰り広げる間柄であり、十字軍の成功はその天秤を教皇へと大きく傾けるものとなる。
困り果てた彼はイブの甘言を受けずとも、自らの手で禁断の果実へ手を伸ばす。
「グラナダ公 彼は余が愛する独り子イサクなり。彼と共にモリヤの地へ向かおう。
焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる」
HRE皇帝にとって目の上のたんこぶであった「まつろわぬ民・フリジア人」を服属させた功績によって、グラナダ公は帝国への臣従を許された。
教皇は異教徒を駆逐するが、皇帝は異端者を服属させる。どちらもキリストの御名を世にあまねく広めるとして天秤への秤へムスリムを載せたのである。
皇帝直属の家臣となった元グラナダ王の称号はムスリム宗務局・公爵待遇であった。
選帝侯ではないから「治めるべき土地を持たないムスリムの爵位を認める事は出来ない」との高圧的な皇帝の使者に対し、
グラナダの返礼は「余が忠誠を誓うのは御自分を朕とお呼びになる皇帝陛下その人である。一人称を余などと申す大公風情ではない」とあくまでも同格の立場であることを主張。
また与えられた任務についても皇帝側の書面では―――
「ムスリムを(生死を問わず)いかようにでも扱える異端審問官」とされているのに対し、
グラナダ側の書面では―――
「異端者の(生殺与奪を)いかようにでも扱えるムスリムである保護官」とわざと誤訳を記載する始末である。
このムスリムの受け入れは姉妹作クルセイダーキングスではよくある事ですね国粋主義者にとってはドイツ史上最大の誤りであると酷評する声が大きい。
かと思えば、北イタリア人の分離によってドイツ人の王国へと転落しかけていた帝国を諸国民の王へと押し留めた英断であると評する声もある。
皇帝の意図は明白だが、一方で臣従を受け入れたグラナダの心はどこにあったのだろうか?
元来イベリア半島にて迫害されるムスリムの保護者であったグラナダ王国は、フレジアの地へと流浪するに至り、碑文を残した。
これはクォ・ヴァディスなり。鞭うたれ磔にされるものを今一度、保護しよう。グラナダの地へ戻り、我次こそは十字架にかからん。
キリスト教的な表現に終始しているが、以降の歴代ムスリム総務局は全員イスラームを信奉しており、これは「レ・レコンキスタを成し遂げるまではおとなしくしてやろう」とHRE皇帝の面子を保つ為の見せかけにすぎなかったとの解釈が通説である。
さて妄想はここまでにしてゲーム的な解釈へ戻ります。
HREへ加盟してまで、スンニ派で異文化+異教の領土を手に入れるのは利があるのかどうかとの問題がありますが、利点はあるとお答えいたします。
実はグラナダはイベリア半島キリスト教国家への臣従の国史・及び異教徒(ユダヤ人)へ寛容であったとの史実を踏まえてか宗教へ対してゆるやかなNIが設定されております。
その為人文主義ideaを取りますと、宗教寛容度150%の八百万神がおこしになりますにぎやかな国となります。宗教反乱とは無縁ですね。
そしてHRE領域で拡大をする際に気になる非コア領土へ対する皇帝からのunlawful territory認定ですが、無効化されます。
unlawful territoryとの認定基準はキリスト教国家であるかどうかが条件ですので、イスラーム国家であるグラナダは直轄支配にたいしてペナルティがありません。
ちなみにこの強制HRE入り戦術ですが、元来はテオドロ公国で実績 Gothic Invasionを成し遂げる為の古いテクニックの一つでした。
ドイツ領域を外から支配するよりは、中から食い破る方が楽ですしね。
註 テオドロは正教国でありキリスト教国家ですので、当然ながら皇帝からunlawful territoryの認定がなされてしまいます。領土拡大にはご注意を。
ここまで来ますと後はHRE領域内での緩やかな領土拡大となりますので、省略。
なんやかんやとありまして低地地方を統一し、十分な国力を付けましたのが1587年です。
首都が低地地方にあります都合上、オランダ反乱を警戒する必要がないのでイングリッシュチャンネルから交易のうま味を吸い上げる方向で拡大。
後はイベリア半島へと攻め込むだけですね。