遠い昔。遠い過去の記憶...。
かつて、私はとあるコミュニティへと迷い込んだ。
身の程を知らない私は、"外交"という普段聞きなれない神秘的な言葉に釣られやって来たのだ。
自身の置かれた状況も理解しないまま、そこに住まう人々の姿を見つめ
一員足らしめんと、必死で会話に加わろうとした。
しかし、無理であった。
議論が紛糾する中、ドが付くほどの初心者であった私は
ただ一人話しにも付いて行けず、まごつく他なかった。
能力差を感じると共に、無力さを実感させられた。
そんな時、会話に加わっていた一人から声を掛けられた。
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これが、彼との出合いであった。
4ヵ国チャットにて、今後の展望について語っている最中
AustriaからFrance/Hansa/Ottomansに対して不可侵条約締結の願いが持掛けられた。
今後、彼らと直接対決を望まないのであれば、ここで締結をしておくべきなのだが
外交的に圧倒的に優位なこの状況で、果たしてそれは必要なのだろうか。
敵が敵対意思を示さなくなったのは、飽く迄劣勢であるからで
再び力差が生まれるようになれば、交戦意思を再燃させるのは目に見えていた。
ここはHansaやFranceに領土を取得してもらい
同盟をより強固なものとすべく、利益共有を図るべきであると判断した。
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残る戦争関係国は、Hansaだけである。
Ottomansは現状の利権で満足しているけれど、Hansaの現状の国力は
単身でどこかと戦えるかというと、微妙なラインであった。
是非とも、領土を拡張させ伸長して頂きたいところである。
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FranceはEnglish Channel/Champagne両トレードノード、HansaはLubeckトレードノード+αを
それぞれ取れる取れるだけ均等に取りたいという願い出があった。
一人、何も申請を出さないOttomansを不思議に思ったのか
Franceから何か取得しないのかという問い合わせを受けた。
筆者は、実利より信頼に利益を見出すタイプなので
France/Hansaが欲しい所を取得して、同盟関係に満足をしてくれるならそれで十分であった。
この時にFranceが心配していたのは、OttomansがFrance/Hansaにのみにヘイトを乗せて
気を見て裏切る...なんていう事態だったのかもしれない。
一見、Ottomans=France/Hansa間はなんの軋轢も無いように思えるかもしれないが
実はそうでもなかったりする。
原因は、England戦である。
England戦が発動された理由があまりにも酷く
筆者の中で、「関係国をすべて滅ぼそう」という感情が芽生えていた。
筆者は、理不尽な事をするプレイヤーを決して許さず
執念に追い回す傾向がある。
故に、England戦に関わったFrance/Hansa/Spainは、仮想敵国のトップリストに載っており
何時か一戦交えるビジョンを描いていた。
何で今更こんなことに触れているかというと
当のEngland戦が発動された頃の記事は、プレイ真っ只中に書き上げられたもので
怒り心頭である事を暴露すれば、外交に悪影響を及ぼしかねないと考え秘匿していたからである。
俗に言うチキン野郎というやつだ。
France/Hansaの口からは、不思議とEngland戦を肯定するような発言は見られなかった。
Franceに至っては、当時主犯格であると見ていたのだが
後にAustriaが裏で糸を引き操っていた事を知る所になった。
両国は、OttomansがEngland戦についてどう考えているかを聞いていないにも関わらず
節々で後悔している胸の内を打ち明けていた。
もしかすると、全身から迸る殺意の波動が彼らにそうさせたのかもしれない。
それでEnglandの御霊が救われるかと言われれば、答えはNOであるけれど
Ottomansはこれを誠意として受け取り、そっと矛を降ろす決意を固めた。
逆に、SpainやAustriaはEngland戦発動は至極当然であるというスタンスを貫き
プレイ中でも度々話題にも挙がっていた。
この時、Englandの霊魂はOttomansに「Kill them all!!!」と囁きかけていた様に思え
それがSpain戦なり、Hansa救出戦なりの原動力へと繋がっていった。
天邪鬼気質の筆者は、「力こそすべて!」みたいな事をしているプレイヤーに対しては
圧倒的な力を持ってして血祭に挙げたい衝動に駆られてしまうのだ。
その時々で為人を判断して外交を行っていく事は、現マルチに於いてイレギュラーな存在である。
利害調整がベターとされる一般的な外交舞台に於いて、相手からすれば面倒な事この上ないので
あまりお勧めできないし、強い外交スタンスでもない。
ぶっちゃけ、相手を見誤れば即死クラスのダメージが自国を襲うので
読者の方々はこれを読み「これが一般的な外交なのか!」等と勘違いしない様にして頂きたい。
話を戻すと、4ヵ国同盟は旧Hansa包囲網国に対して攻勢を掛ける事に合意した。
バルトノード売却交渉・改訂版 ハンザはロシアに8000ダカットを送金する。 内訳は、前金として4000ダカットを任意の期間にロシアへ送金し、ロシアはスカンディナビアのバルトノードにあるロシア領を売却する。 残りの4000ダカットは、ロシアがポロツクを併合後、ロシアのバルトノード全域返還と同時に送金する。 ハンザは今後一切、白海ノード・ノヴゴロドノード・キエフノードに商人・交易船・私掠船を送らないこと。
この決定を受け、Moroccoは既に合意したバルトノード売却交渉に海賊をしては成らないと記入されていない事を指摘し
Moroccoから「Novgorodトレードノードに海賊を送っていいか?」と同意を求めてきた。
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海賊がいかほどの効果を発するのかは分からないが
相手の富を締め上げる分には、反対する理由も見つからない。
既にVeniceには海賊を送っているようで、月間で20D程締め上げているが
それはAustriaが、VeniceトレードノードでCollectせず打ち捨ているからだ。
Russiaの貿易心臓部であるNovgorodトレードノードでどれだけ富を巻き上げられるか
いささか楽しみでもあった。
Hansaの救出こそ成功したものの、今度は別の問題が浮上した。
Russiaの東進である。
Franceと共に、Russiaがどう動くかを予測した所
France/Ottomans(+Hansa)=Austria/Russia/Mughals間の不可侵が続く限り
4ヵ国同盟側に攻め入ってくる可能性は低いという結論が出された。
一方で、不可侵が有効な間にRussiaは東進を行い
Qingを攻める可能性があるのではないかと心配になった。
訳知り顔のFranceは「Mughalsさんじゃないかなぁ」と見立てを申し述べるも
OttomansはHansa戦を見据え、Russia=Mughals間に不可侵が無いわけがないと考えていた。
この時の旧Hansa包囲網諸国の進出見立ては、次の通りである。
【1.】Austria=RussiaによるMughals攻め>【2.】Russia/JapanによるQing攻め>【3.】旧Hansa包囲網諸国による4ヵ国同盟への宣戦 (危険度順
【1.】はFranceによる見立てではあるけれど、実利を考えれば当然だし
今ほど最適な取得時期は無い。
Austriaは月間100Dを支払う代わりにRussiaから保護を受けており
Russiaにその身を委ねているようにも見えた。
Mughalsに対するAustriaの影響力が低下しているのを
Russiaがチャンスと判断すれば、動く可能性は非常に高い。
心情論に触れるならば、Mughalsは曲がりなりにもAustriaを成長させようと躍起になっていた訳だし
見捨てないだろうと考えていた為、Ottomansとしては確率が低いようにも思えた。
【2.】はRussiaがQingを西欧化こそさせたものの
それは4ヵ国同盟と旧Hansa包囲網諸国の対立が表面化する前の外交スタンスであったので
これを覆して攻め入る可能性があった。
RussiaがJapanを新たな同盟国として見据えているならば、Qingを挟撃して関係を深めようとするかもしれない。
【3.】は最も確率が低いが、無くは無い策である。
もしもに備え、Ottomansがスパイで常時監視と防衛計画を考案、配布する事にした。
【2.】のQingが危機に瀕する事態を考え、Qingにいくつか確認事項を送った。
Qing=Russia間では不可侵が1650年まで有効であり
その他、西欧化や利権交渉のみやり取りを行ってきたようである。
また、Spain脱落によりQing=Japan間の対立は消滅し
50年毎更新の同盟が成立している事が告げられた。
Russiaの東進の標的となるかと思っていたが、1650年までの安全は確保できている様子だ。
逆に、欧州から遠く離れた地域で、しかもごく最近西欧化を完了したばかりで情勢を把握できておらず
現在の外交状態に関する質問も受けた。
公になっている部分+実害の無い裏情報を提供し、会話を終えた。
翌日、Qingから外交が飛んできた。
Ottomansの同盟国はどれだけ居るか、あるいはFrace=Ottomansの同盟は存在するか等と
何か確信に迫る質問を突き付けて来たので
もしかするとRussiaの差し金かも知れないと疑い、後者のみ答えておいた。
すると、ほっと胸をなでおろすような言葉を口にした後
衝撃的な情報を暴露した。
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Mughalsは、Hansa戦をぶち壊しにしたOttomansを裏切り者とし
逆賊討伐令を世界に発布しているようだ。
Hansa戦が発動していたら、Russiaが超大国化して自身の脅威となっていたのだけれど
その辺りMughalsはどう考えていたのかさっぱりである。
声を掛けられたQingはあまり乗り気ではなく
Ottomans戦に際してMughalsを後ろから襲うようなことがあれば
包囲網を敷くと逆に脅され、憤りを隠せない様子であった。
有益な情報を齎してくれたQingに礼を述べると共に
この事態をJapanはどう考えているのか、探りを入れる事にした。
Qingから得た情報をを元に、Japanとの外交の戸口を開くことにした。
Mughalsと繋がっている線を考慮し
Ottomans側が圧倒的である(詳細は敢えて暈かす)事を冒頭で述べた上で
Japan=Mughals間が抱えるある問題を引合いに出した。
その問題とは、ゲーム時間外の適当な会話で拾った情報で
Japan=Mughals間で成立していたBengalトレードノードを日本利権として譲り渡す利権協約を
Mughalsが履行を渋っている事である。
公の場だからか、Japanはその問題を真剣に語ろうともせず
Mughalsも触れようとはしていなかった為、表面化はしていないように思えた。
しかし、Hansa戦が頓挫し旧Hansa包囲網諸国が浮き足立っている様を見て
Japanは隙を伺っているやもしれないと考え、あえて話題を振ってみた。
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Ottomans戦時の立ち位置を聞こうとしたが、聞くまでもなかったようだ。
Japan=Mughalsが戦端を開けば、同盟国であるQingが付いて行く事になるだろう。
時期によっては、Ottomans戦の背を突く形になるだろうし
4ヵ国同盟側で防衛計画を練っておくだけで事足りるだろう。
さて、どう動くか...。
Hansaを属国下位に治めたとはいえ、現Verでは属国もCBを作成できるというトンデモ仕様なのである。
Russiaとの利権復旧交渉も成功した事を受け
Hansaから、旧利権の一つであるSwedenを回収したいと声を掛けられた。
本来であれば、属国化した方が効率がいい所であるが
残念ながら、属国下位の国は他国を属国に収めるが出来ないので
今は一つ一つ領土を割譲して行くほかに道は無い。
戦線が塗り絵へとシフトした頃
Russia=Lithuania国境に、Russia主力が配置されている事を発見した。
加えて、Mughalsの主力もOttomans側に寄っているように見受けられる。
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占領中でバラバラになっているHansa軍が危ないという事で
Sweden戦を打ち切って貰い、Ottomansも南方から軍を呼び集めた。
急ピッチで軍団を編成して戦闘準備を整えつつ
スパイで確保した視野をSSで保存し、各所の軍配置を配っていく。
粗方用意を整え終え、「いつでも来い!」と身構えていた所
RussiaはLithuania戦を開始した。
あ、あれ...?
いや、これはLithuaniaを道路として利用できるように予め整地しておこうという策に違いない!
結局RussiaはLithuaniaから領土を割譲させて講和を終えた。
他に動きは無いかと、スパイで探っていた所
Russiaからチャットが飛んできた。
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てっきり、Mughalsの企画したOttomans戦に乗ったのかと思いきや
そうでもないようだ。
という事は、残る標的はQingかMughals...。
スパイで見つめていた結果、Japanは東南アジアの大陸側領土へ
Russiaが中央アジア側へと軍隊を動かして言ったのを見て、連携をしている事を察した。
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もしかして、Russia=Mughals間では不可侵が成立していない...?
1650年までOttomans=Mughals間で不可侵を結んでいる一方で
MughalsがRussiaに不可侵を打診していないはずがない...というのがOttomansの見立てであったが
Franceが予見した通り、RussiaはMughalsを打ち取りに行く動きを見せていた。
しばらくして、Russia/JapanがMughalsに宣戦布告したという内容のPOPが表示された。
Mughalsは、Russiaが相手方で参戦している事に絶望した様子であった。
ゲームを停止させると共に、Russiaから布告がなされた。
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VCを使っての布告であったが、音量が低すぎて
折角の名文もまったく脳内に入って来ない。
ライブ中継先のリポーターがピンマイク付け忘れたような、ギャグ展開となってしまっていた。
粗方読み終えた辺りで、ほとんどのプレイヤーの頭上に「?」マークが付いていた事に気が付いたのか
今度はVCではなく、文章での布告に切り替えた。
Russia及び日本は、Mughalsの悪逆非道な犯罪行為に対して、激しく抗議する。 オスマン対ハンザ条約を違反し、情報を流出させたこと および致命的な情報の流出によってHansa包囲網を頓挫させたこと Bengalトレードノードを占領し、Japanとの条約の違反状態を継続させたこと Mughalsはこれらの過去の行いを深く反省しなければ、国際社会で孤立を深める結果になる。 世界の普遍的な歴史清算の方式に従って、誠意ある謝罪と賠償を行うべきだ。 具体的には、 『Samarkandトレードノード・KashmirトレードノードのRussiaへの割譲 Bengalノード全域とセイロン島のJapanへの割譲 Hansa包囲網参加国及びJapanに対して、各1000ダカットの賠償金支払い』を行うのがよい。 さもなくば、即時に無慈悲な鉄槌を下し、Mughals軍を容赦なく撃滅して、国際社会に代わって断固として懲罰する。 なお、期限は1630年まで
最後の「期間」という文言は、割譲期限を指す。
どうやら、Mughalsは『オスマン対ハンザ条約』に記載されていたリーク禁止の条項に違反していたようなのだ。
興味本位で、Russia=Mughals間で不可侵は成立していないのかと聞いてみた所
「ずっと前から結ばれていない」と教えられた。
え、マジで...。
Mughalsは、Ottomansを警戒するあまり
他の外敵へ目が向いていないように見受けられた。
RussiaがSamarkandトレードノードのみならず、Kashmirトレードノードまでを押さえるとなると
伸びすぎではないかと感じ、Mughals側で介入する準備を開始した。
MughalsはJapanに対して「言ってくれれば渡したのに...。」と一定の抵抗を見せるが
南北でRussia/Japanに挟み撃ちにされる格好で、西には仮想敵国のOttomansが控えている事に万策尽きたと悟ったのか
突き付けられた要求を受け入れた。
要求から受け入れまでの時間、約2分。
声を挙げる暇すらなかった。
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当初はJapan/Qingだろうと思っていたが、Franceの読み通りの展開となった。
Japanがアジアの覇者の座へ就くと共に、Russiaは戦略的パートナーを得た。
一方で、Mughalsは敵中で孤立し
Russia/Japanが再び領土欲を燃やすならば、単独でそれを食い止める術は無いだろう。
Japanの同盟国のQingも加わればMughalsを食べきる事は容易いだろうし
戦略的にも理に叶っている。
西に臨んだOttomansは、Mughalsの立ち尽くす様に息吹を感じられず
Russia/Japan/Qingの実質的支配領域と言っても過言ではなかった。
その後、RussiaはMughalsから該当地域の売却を受け満足げであったが
あまりにガッツリ取り過ぎて、周辺各国に「首位を狙う為に行動を続けるのでは」と警戒をされるきっかけを作ってしまったようにも思えた。
Mughalsの悲嘆を横目に、ゲームは止め処なく進む。
事件が起きた地より遥か西では、Austria/Hansaが関係を拗らしたまま睨みあいを続けていた。
以前の貿易論争と違った事は、HansaがOttomansの傘下にあり
Austriaが圧倒的劣勢に立たされている点である。
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周辺国へと送った和睦の申請が散々断られた事が響いたのか
Austria自身も大分衰弱している様子であった。
ゲーム序盤とは打って変わって、どんどん言葉数が減っていく様は
見ていて哀れにも思えた。
Hansaの「タイマンで勝てる」という発言にカチンッと来たのか
Austriaは無言のまま軍拡を開始した。
プールされていた資金を内政に注ぎ込み、陸軍扶養限界がみるみる上昇して行く。
AustriaはFrance/Ottomans/Hansaが攻め込んでくるであろう
不可侵条約が失効する1650年に向けて軍拡を開始したようだ。
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EnglandやSpainがそうであったように
マルチでは、納得できる形で戦いが始まる事は滅多に起きない。
HansaがAustriaを憎む事は、互いに納得が気出来る範疇ではあるだろうけれど
そこにFrance/Ottomansが絡んでくる事に、彼は納得が出来ないだろう。
皮肉にも、AustriaはHansaに煽られ軍拡を急ぐあまり
かつてOttomansがFranceに示した、他国をはるかに凌ぐ超大国Austriaの像を纏うようになってしまった。
抜きん出た国力を持つ事は、外交面で余程の安全が確保されていない限りは勧められず
他国に警戒の念を抱かせない為にも、バランスオブパワーに重きを置く事が重要になってくる。
それを乱すのであれば、ヘイトマネジメントの観点からも重大な損失を生むであろうし
「超大国許すまじ」というフレーズの下、情け容赦のない鉄槌が振りかざされ
国際世論が同調する事も往々にしてある。
白熱する軍拡競争を余所に、Moroccoが派遣した海賊によって
English Channelトレードノードが汚染され始めていた。
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その言葉の通り、English Channelトレードノードの暗黒領域はみるみる広まり
Moroccoのハイテンションぶりとは裏腹に、各国は次は我が身と震えて見守っていた。
特に、貿易主体の収入基盤である隣国Hansaなんかは、身の危険を覚えていたのではないだろうか。
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軽いノリの後、追加生産し終えたMorocco海賊は
Novgord トレードノードに流し込まれ、今度はRussiaが抗議の声を挙げた。
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どうも、Russiaは筆者が第9回マルチで海賊が猛威を振るった事を知っていると思っているらしい。
そんな話は初めて聞いたのと、オブザーバー枠とはいえ
毎度観戦していた程暇ではなかったので、筆者が知ったのはこの時が初めてであった。
続々と産み落とされるMorocco海賊は勢いを増す一方で
今後の参考にと「ちょっとだけ!ちょっとだけ!!先っちょだけ!!!」と言いながら
同盟国のHansaやFrance、さらにはOttomansの主要貿易地点へと、1ヶ月だけ派遣してくるシーンも見られた。
これを見たJapanやQingが、「遠く離れた国で良かった...。」と安どの表情を浮かべるも
空かさずMoroccoは、「いつかそっちにも送るから、安心してお待ちください。」と追い打ちを掛けていた。
もはや、ここまで来たら対AIの拡張内容は書く意味も薄れてきているので
箇条書きで済ませようと思う。
あ、手抜きって言う指摘は無しでお願いします。
【Ottomans】 Funji/Haasa併合(9プロビ) Yemen/Ethiopia/Najd/Kilwaよりプロビ割譲(25プロビ) 【Hansa】 Sweden/Moldavia併合(2プロビ) Poland/Lithuania(5プロビ)
1650年となり、各国の不可侵条約は失効した。
この瞬間に攻め込まれると思い込んでいたAustriaは、「さぁ来い!」と威勢のいい声を出すも
その気があるプレイヤーは誰も居なかった。
それもそのはず、Austriaは陸軍上限を突破・Policyを採用した状態であり
適当に放置しておいても勝手に衰弱してくれるのだから。
4ヵ国チャットの方でも「10年程延期してへたるのを待とう。」という意見が持ち上がり
Austriaの臨戦態勢とは裏腹にのんびりとした空気が立ち込めていた。
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Austriaの軍拡は、1650年を迎えてすぐに終了を迎えた。
負担に耐え切れなくなったのか、あるいは4ヵ国同盟側が攻めてこないと考えたのかもしれない。
何れにせよ、Austriaは10年以上もの間、陸軍扶養限界を上回る数を養い
資金を無駄食いし続けた形となった。
なかなか楽しいモノを見れたと満足なOttomansであったが
Austriaからすれば、今後も放置プレイを受けるのかと思うと胃が休まらない日々が続くに違いない。
ふと、すっかり沈みきったMughalsの事が気になり、外交を飛ばす事にした。
Russia/Japanに攻められて以降、口数が少なくなったばかりか
ドロップアウトを仄めかす言葉を口にしていたからだ。
もしも、それが本気であるなら
空白地を巡ってRussia/Japanと競り合わなければいけないだろう。
Mughalsの現外交状態では、2度目の宣戦があれば綺麗に分割されかねないし
仮想敵国のRussiaが力を付け過ぎるのは頂けない。
Mughalに今後の方針を聞こうと声を掛けると、すさまじい勢いで悲痛なチャットが垂れ流された。
関係を持っていたすべての国から見捨てられれば、こうも荒れ狂いたくもなるだろう。
現に、Mughalsの中で最もショックだったのはAustriaから見捨てられた事だと述べ
しきりに「俺は餌だったんだ...。」と自身が良いように使われてきた駒に過ぎなかったのだと自嘲していた。
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込み上げた感情が止まらないのか、今までの外交を洗いざらい吐露するMughalsであったが
同情できる点はいくつかあった。
JapanがMughalsに突き付けたBengar トレードノードは、事前に決められていた利権を渡したに過ぎないが
宣戦を受けるまでに直接要求があった訳でもなく、突然襲い掛かられたのだと言う。
(*どっちが本当の事を言っているか分からない上に、聞き逃している可能性もある。)
それが本当であれば、Japanの参戦はRussiaに同調する為の口実に過ぎなかったのだろう。
Russiaの大義名分()が、Mughalsの情報漏えいのみであった事を考えれば
2人はMughalsを襲う気が元からあったのかもしれない。
話しは続き、話題はRussia/Japanに宣戦される以前へと移って行った。
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Mughalsの言葉を鵜呑みにするならば、Austriaを信用して止まず
Austriaの成長に全力で取り組むつもりで居た事になる。
Hansa戦を企画したのも、そうした思いがあったのだろうし
擁護出来ないほどのずさんな内容だったにせよ、彼なりに死力を尽くした結果なのだろう。
しかし、それはAustriaからの手切りにより、今までの努力は無に帰した。
他国の評価を貶めようとしている可能性も無きにしも非ずだが
この状況で、そんな事をしてMughalsに何のメリットがあるかと言えば無いので、恐らくは本当の事なのだろう。
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諦めを通り越して可笑しくなってしまったのか、Ottomansに領土を譲ると言い始めたが
目覚めが悪い事この上ないので、きっぱりと断っておいた。
Ottomansがペルシア地域を取れば、必然的に世界からの注目が集まって敵視される事に繋がるし
何より、「Ottomansが取るなら...。」と言った形でRussia/Japanが再び分割へ動き出すトリガーとなる事は目に見えていた。
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これまでの200年間、MughalsはAustriaと戦略的互恵関係を結び、Austriaを育てる事に尽力してきた。
今思えば、あれだけOttomansに対して牽制を繰り返していたのは
Austriaの番犬としての行動だったのかもしれない。
目標を失った今、どうするべきか。
自分が思うように振る舞い、行動してもいいのではないだろうか。
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一方で、忘れてはならないのが、Mughalsが企画していたOttomans戦である。
発動こそはしなかったものの、今までの非礼を含めて
「神罰である!」とか口遊みながら打ち滅ぼすべき所だろう。
現に、命乞いの様な文言をOttomansの前に並べるのであれば、切り伏せる事も選択肢に入れていたのだが
筆者に対して最も効果的である感情論で訴えかけた事が功を奏し、すべてを許す事にした。
【ムガル、オスマン同盟条約】 1:ムガル、オスマン両国は同盟関係となり永久の友好を誓う。 2:オスマン帝国はムガル帝国の有事に対し必ずムガル側で参戦する義務を負う。 3:ムガル帝国はオスマン帝国の要請があり次第必ずオスマン側で参戦する義務を負う。 4:両国は不可侵であり、両者の領土主張を保証する。
同時に、Mughalsから同盟を求められたが
もはや敵対要素が消滅していたので、快く受け入れた。
初日から友好を前面に出したアプローチを続けてきたつもりで居たが
ここに至るまでが長かった。
紆余曲折を経ての事だが、旨く収まったし結果オーライと言った感じか。
Mughalsからは、「同盟を公表するか?」と問い合わせを受けたが
1.Russia/Japanを必要以上に刺激して、対策を練らせない為
2.JapanがOttomansへ意識を向け、Austriaと結びつかせない為
3.事実上の中立地帯として機能させ、Mughalsが力を蓄えるまでの時間を稼ぐ為
4.Qing/Japanの結びつきをこれ以上発展させず、アジア外交を停滞させる為
等の理由により、これを秘匿する事を言い渡した。
平たく言えば、死んだふりをして貰って、一時的に各国の意識の中から消し去るということだ。
4ヵ国同盟には「MughalsはOttomansと個別で同盟を結ぶ」という事を伝え
外郭戦力として機能させていくことに決定した。
4ヵ国同盟とMughalsとの同盟は、離れ過ぎているというのが大きな理由でもあったが
別々で行動させる事により、コネクション構築を阻む狙いもあった。
同様に、4ヵ国同盟内部でも、重要情報を取り扱う際はOttomansとの個別会話で行う仕向ける事で
各国の必要以上な接近を阻害しておいた。
こうすることにより、離反が生じるようであれば情報が転がり込んでくるだろうし
早めに対策を講じることが出来る。
外交で重要なのは、情報の出入り口を管理する事である。
すなわち信頼の足る情報元(入口)の確保と
流出の可能性がある人物(出口)を予め把握しておけば、圧倒的優位な情勢で先手を打つことも容易いのだ。