ここでは、MODファイルをどうやって作ればいいかを、練習用の「No Culture Mod」(世界中の文化をすべて消すという何の役にも立たない改変)を使って説明していきます。
EU4を始めとする「Clausewitz Engine(クラウゼヴィッツエンジン)2.0」を用いたゲームでMODを起動するには、MODフォルダと拡張子.modのついたファイルが必要です。
マイドキュメント内のParadox Interactive/Europa Universalis IV/modフォルダにこれらのファイルを置きましょう。
今回作るMODではどちらも「noculture」という名前にします。
その際、英数字を使い、間にスペースを作らないようにしてください。不具合の原因になるようです。
通常、.mod拡張子のファイルは、プログラムとの関連付けが特になされていない場合、ウィンドウズメディアプレイヤーのファイルと認識されています。
なお、上の画像では、Notepad++で開くように設定されています。
このテキストエディタは海外のパラドゲーModderたちも愛用しており、英語版EU4 Wikiでも推奨されています。
.mod拡張子ファイルの構造は、下の画像のようになっています。
上から順に説明していきます。
まず、「name」はランチャー上で表示されるModの名前です。Modそのものの名前に加えて、バージョン番号などを書いておくと便利です。
「path」はMODの中身が入ったフォルダの場所指定で、これが間違っているとMODファイルを読み込んでくれません。MODフォルダの名前ではなく、mod/(MODフォルダ名)であることに注意してください。
「supported_version」は、このMODが対応するEU4のバージョンです。例えば1.14と書いてあれば1.14.xのバージョンに対応しています。
「replace_path」は中上級者向けのコードです。大型のファンタジーMODでは、バニラのキャラクターなどは全く必要ありません。その際は、このreplace_pathを使って、バニラではなくMODのファイルのみをロードするように指示し、読み込みの手間を省くことができます。
「user_dir」が指定されていると、マイドキュメントのEU4フォルダの真下に当該MODのサブフォルダが作られます。ログなどを個別に管理する時には便利ですが、今回は必要ありません。
「tags」はSteam Workshopで使うタグ情報です。一般公開しない場合は指定する必要は特にありません。
「picture」も同様に、Steam Workshopで公開するときのサムネイルのために使います。これも今回は必要ありません。
これらの当面必要ない部分は、#でコメントアウトしておけば、ゲームプログラムが読み込むことはありません。
以上の.mod拡張子ファイルでのパス指定が上手くいっていれば、下の画像のように、ランチャーを起動した時にMODタブの所に自作MODの名前が表示されます。
いよいよMODの中身の作成です。
MODファイルの下の構造は、スチームの下などに保存されているオリジナルのEU4の構造と同じである必要があります。
例えば、今回改造する文化関連の情報は、オリジナルのEU4ではEuropa Universalis IV/common/culturesに保管されているので、自作のMODフォルダ(ここでは「noculture」)にもこのcommonフォルダとその下部のculturesフォルダを作る必要があります。
これらのフォルダを作ったら、そこにバニラ(オリジナルEU4)のファイル「cultures.txt」をコピーしましょう。
次に、このファイルをテキストエディタで開きます。何やら細々とした情報が載っていますが、今回は気にすることはありません。
全消去して上書き保存してください。
ここでよく起こるのが、「MODのファイルと思ってうっかりバニラの方を上書き保存してしまう」というハプニングです。十分に気を付けてください。
なお、オリジナルフォルダとMODフォルダに同一ファイルがあった場合、ゲームはMODフォルダの方を優先して読み込みます。
また、バニラのファイルに手を加える以外にも、新規にファイルを作り、該当フォルダに配置する方法もあります。
今回の例ではバニラの文化を全消去したため必要ありませんでしたが、もしバニラのデータとは別に新しい文化を追加するような場合には、新しくファイルを作る方がデータも小規模で済みますし、バニラ部分を間違えて変えてしまう危険もありません。
ちなみに、ゲームがファイルを読み込む順は、数字→アルファベットの順です。EU4のファイルをよく観察すると、この優先順位の違いを活用した部分も散見されます。
実際に改変がゲームに反映されるかを確認するため、このMODをランチャーで起動し任意の国家を選んでゲームを開始します。
通常は「french」などが表示される国家タブの文化欄が「noculture」になっていれば、MODがきちんと読み込まれていることになります。
文化マップモードでもご覧のとおり。きれいさっぱり文化がありません。
今回ご紹介した例は非常に単純(かつ役に立たないもの)ですが、MODをどう作ればいいかという基本部分は、他の大型MODと共通しています。
「MODファイルと.mod拡張子ファイルを作る」という方法は、EU4だけでなくCK2でも基本的に一緒ですし、今後発売されるHoI4、Stellarisなどのパラドゲーでも大きく変わらないのではないかと思います。