兄弟二人、不相容
またあの女から勅命が来たよ。兄さんを長官から解任するつもりだ。
謹んで拝命しよう。戦支度も始めないとな……今度の戦は長くなりそうだ……付いてきてくれるか?
もちろんだよ、ヘラートへ攻め入るんだね。ようやく僕らの時代が来るんだ。
行き先はコロンボだ。塩の流れる所らしい。
父さんの予言を忘れたのかい? 海を越えるなって。弟は海の民(ホルムズ)に敗れて山へと追いやられたのに。
姉上のお望みだ。水に沈む木を差し出せと……姉上は父上の予言に怯えている。
そうだね、あの女を殺せるものはこの世にただ一つ。
塩の水よりも重い武器―――兄さんの持つ鉄刀木だけだ。
兵は皆長官の証である、鉄刀木を持つ者へと従う。
水に沈む木は他にもある、私は何年も探していた。
仏教徒である覚者(ブッダ)の遺物、鉄木がそれ。どうやらセイロン島にあるそうだ。
軍旗を奪われ、髭をむしられる辱めを受けて、それでもまだ頭を下げるのかい?
チンギスの娘はヒィンドゥスターンの全てを支配せよと命じられた。
地果て海尽きるまで馬を駆ける事が出来るんだ。こんなにも嬉しい事はない。
嘘だ。戦を続ける限り兄さんは何時までも長官でいられる。
兄さんはイスカンダールではなかった。保身に走り軍権を手放さず、砂に塗れて孤高の王を気取る。
そのくせあの女にも逆らえない。栄光を求めないお前はもう戦士ですらない、単なる臆病者だ!
言葉を慎め。
お前は私の弟だが、今の私は六王国の長官なんだぞ。
僕ら兄弟は昔からなんでも分け合ってきた。だけど玉座だけは分け合えない。
無事にムガール化を果たしましたので、さらなる上流ノードであるベンガルを目指し拡大をしておりました。
1509年 とうとう包囲網が組まれ始めましたね。
オスマンとの同盟だけでは抑止力が足りなそうなので、適当な同盟国を探します。
後はまあ、うーん、そうですね。君主点に余裕があるので、植民地主義の受容を目指して領土を開発していたはずです。
1512年頃 植民地主義を受容 画像の保存ミスがなく一安心。
ベンガルへと進出を果たしたこの頃は、南方のヴィジャルナガル・東方のアッサムをどう殴ろうかと悩んでいたんです。
インド大陸に領土を持つアッサムがチベットへと拡大を続け、完全体明の朝貢国になっていたんですよね。
天山山脈越えのチベット南下ルートを採用しなかったツケが回ってきております。
釣りだし宣戦をするとしてどこをどう殴ろうかなと、多方面作戦を抱え始め筆者の処理能力が追い付かず細かい記憶がありません。
アーンドラを属国解放→外交属国化→再征服CBでヴィジャルナガルを始めて殴ったのが1527年。
そして重大な事実が判明。戦勝点96点分の領土を奪っても、完全征服にはあと366点分の戦争勝利が必要。
……これ……のこり23年ですと、多分実績達成には間に合いませんね。
ヴィジャルナガルはヒンドゥー国家である為、同盟国がおらず釣りだし参戦で休戦期間リセットも考えにくいです。
よって最後の手段プレイヤーチートを採用すると決めて、解禁時期は1540年以降と設定。
それまでの間にその他インド全域の制覇を終わらせます。
1546年 プレイヤーチート 休戦協定無視宣戦を発動。
しかも二回。
AIは休戦協定を律義に守りますが、それを無視できるのがプレイヤーの卑劣さです。
スマートとは決して言えない最後の駆け込みにて、1548年実績達成です。
まずは外交関係から
緩やかなインド征服を行っていた為か、包囲網に囲まれて身動きが取れないなんてことはありませんでした。
属国事情
クジャラートとヴィジャルナガルが領土紛争を起こしていたので、クジャラート強制属国化から防衛戦争の引き受けを行いました。
その為クジャラートだけが不忠ですが、時間をかければ反抗心も抑え込めるでしょう。
アーンドラは土地を渡しすぎた為か、DEV値が宗主国の25%を超えてしまい軍事ボーナスを失っていますね。
軍量
属国兵も含めると、インド統一の時点で約15kを運用。まだまだ余裕はありますね。
財政
健全の一言で済ませる事が出来れば良かったのですが、租税収入があまりにも飛びぬけてしまっています。
一般にEU4ではゲーム序盤に直接税で国を支え、中盤から交易収入で稼ぐことが推奨されるので真逆の展開となり違和感があります。
エステート事情
王室直轄領が約20%。領土の大半がズィンミーと商人階級に牛耳られております。
領土が細分化され地方分権が常態化。さらに帝国内の宗教統一もほぼ不可能となりますと……。
史実再現でシーク教が活性化し、隆盛を始めるはずなので今後の雲行きが怪しいですね。
歴代君主
後継者の廃嫡(DLC要素)により名君の博覧会です。
むしろ名君のカリスマだけで無理やり国を保っています。
最終DVE
列強TOPの国力と技術優位がありますので、今しばらくはプレイヤーの介入がなくともムガールは安泰でしょう。
名君のいる間に行政機構を整備し、インドへと定住出来ればあと200年、国が持ってくれるかもしれません。
しかしながら、遊牧民文化が土台にあるので無能君主即位で一発内戦帝国崩壊のティムール朝史実再現が起こりそうなんですよね。
インドの藩王達が内戦時にどんな動きをするかも不明ですが、そこはまあ神のみぞ知ると言ったところでしょう。
1.インド南部への侵攻が遅すぎた。
交易ノードの上流を目指してベンガルを直轄支配したのですが、交易収入・国力の向上に繋がりませんでした。
商人が2名しかおらずベンガル湾の富をサマルカンドへと運び込め無かったことが原因です。
結果として経済力は十分すぎるほどありましたので、ムガール化直後から南進を考えても良かったはず。
2.砲兵の活用が出来なかった。
史実のムガール帝国は火砲の充実が特徴であり、時代ボーナス(DLC要素)にも砲兵コスト-50%ボーナスがあるのですが……
使用していた砲兵が要塞包囲用の僅か11k。国家規模に合わせて陸軍テンプレートを改修しておらず凡百の国家と区別がつきません。
ムガール帝国らしさが感じきれませんでしたね。野戦も辺境伯に任せていましたし。ロマン成分が足りません。
そうは言いましても無事にプレイ目標は達成できました。
どこかの誰かがきっともっとスマートな実績達成をなしとげて、AARを投稿してくださることでしょう。
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
それではいつかまた、他国にてお会いいたしましょう。
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それで、今度の王ってのは誰なんだ?
勝利王(ヴィクトリア)だそうだ。紅毛族の娘で海賊の姫君なんだとさ。
また海の民か、おまけに女王。苦手なもんが二つもきたらそら敵わねえわな。
まったくだ。ま、上がだれでも俺らにゃ関係がねえ。おーい勘定を頼むぞ。
居酒屋の灯はこうして途切れることなく毎日灯っています。
王朝の崩壊。
それはこんにち、姉弟道ならぬ恋に苦しんだ二人が互いを諦める為、実現不可能な無理難題を押し付けあった騎士道文学として花開きました。
パセリ・セージ・ローズマリー・タイム。お後がよろしいようで。