旧作のイングランドプレイで、実績等に関係のない純粋な興味として収入を最大化する道を探ったことがありました。
この度のムガルWC/OTの裏目標としてもこれを設けており、OT完了後の残り時間を使っていくつかの実験を行っていました。
このページでは実験結果を示すと共に、理論的なことをいくつか書いていきます。
ひとまず、WC達成 or プレイ終了時の収入をまとめてみます。
手元に比較に使えるデータが無いので、wiki内のAARの内、終了時の収入が掲載されていたもの引用させてもらうこととします。
ver | 交易収入*1 | 総収入*2 | 終了時状態 | 引用元 |
1.30 | 9300 | 19800 | WC済・1821年 | AAR/FranceでVer1.30とEmperorに挑戦/収入資料置き場 |
1.30 | 6100 | 9900 | ユーラシア大部分非征服・1821年 | AAR/英国国教会と議会の強さを示す/総括・記録など |
1.31 | 2500 | 4800 | WCOF済・1772年 | AAR/逆張り!ボヘミアで多重変態OF/六章 世界征服とOne Faith |
1.31 | 5200 | 9800 | WCOF済・1787年 | AAR/密教ムガルWCOF 総括 |
1.31 | 7800 | 14200 | 北半球非征服・1821年 | AAR/非武装覇権~陸軍・コア化禁止で目指せ超大国~/07 |
環境によるバラツキはありますが、全てに共通する特徴として交易収入が総収入の過半以上を占めています。
やはり交易収入の最大化こそが総収入の最大化のために最重要と言えるでしょう。
今回のムガルWC/OTにおける、1819年5月時点の結果が以下です。
結果を分かりやすくするため、英国海峡に流入しないチュニス・セビリア・ヴァレンシア・ジェノヴァ・ヴェネツィアの合計五ノードを無視しています。
重さに耐えながらスロットを整理して工場と会計所を整備したかいがありました。
なによりOTによる溶鉱炉補正が極悪。生産財補正が+360%に到達しており、交易収入が伸びるのも当然です。
月収10万ダカットには到達できませんでしたが満足です!!
わーいわーい。
まあ、ここからが本編なんですけどね。
続いて1819年8月、さっきのデータから一工夫だけした結果をご覧ください。
交易収入三倍の時間あああああああああああああwwwwwwwwwwwwww
ちょっとしたスパイスによって、どうしてこれだけ極端な差が付いたのか。その正体はこいつです。
非常に分かりにくいですが、流入する交易額に付加価値が追加されていることが分かると思います。
下流送出任務時の商人は存在するだけで交易額をブーストするという性質を持っており、本wikiでも英wikiでも交易解説ページに記載されています。
私と同じく収入最大化の趣味に走っていた友人Cの「これだけ複利で効いてくる」という発言が核心を突いていますが、
付加価値修正はノードを経由する度に乗っかるので、一度だけ乗算されるに過ぎない他修正よりも大きな寄与があるわけです。
上記リンク先の解説ページが詳しいですが、付加価値の補正は下流送出任務時の商人が存在するだけで、最低5%が保証されています。
この5%に交易誘導の補正が乗っかるので、たとえば海軍伝統MAXで交易誘導+100%の場合、10%の付加価値が期待できるわけです。
海軍伝統以外には、NI*3/交易アイデア/交易+防御ポリシー/交易+拡張ポリシー/ダッカの遺産があり、
上記のムガルプレイではNI以外で交易誘導190%、つまり14.5%の付加価値がノードごと複利で掛かっています。
ここがややこしいですが、交易誘導のみならず商人の数(最大5名)も付加価値を高めます。
ただし商人の数が増えるほど、一人あたりのブースト値が減衰していきます。5→2.5→1.6→1.2→1.0で累計11.3といった具合です。
もし五人の商人全員が交易誘導+100%の国に属しているなら、10→5→3.2→2.4→2.0で累計22.6となります。
こう考えると、あえてOTせず適当に国を残し商人を置いてもらうほうが良さそうに見えますが、AIの商人配置についての研究が必要なことに加え、
厄介な落とし穴として、商人の配置順は国タグの順序に基づくというルールがあります。
交易誘導の補正を考えると、最初の一名として扱われる商人を自国のものとしたいのですが、
いかんせん国タグの順序に基づくため、たとえば562番のムガルよりも、4番のスウェーデンが上位として扱われてしまいます。
交易都市国家/植民地国家/衛星国家は、必ず一般的な国家よりも下の国タグに基づくため、これらを活用すれば管理することはできると思います。
しかし、さすがにそこまでする気にはなれませんでした。*4
例として、マラッカから英国海峡への富の流れを考えてみましょう。便宜的に付加価値補正を10%として計算します。
最短ルートは、マラッカ → 喜望峰 → 象牙海岸 → 英国海峡で、3回分の付加価値補正を挟むため、1.331倍(1.1の3乗)となります。
一方の最長ルートは、
マラッカ → ベンガル → ドアーブ → デカン → コロマンデル → グジャラート → アデン湾 → ホルムズ → バスラ → ペルシア → アレッポ → アレクサンドリア → コンスタンティ → ラグーザ → ペシュト → クラクフ → ウィーン → ザクセン → ラインラント → シャンパーニュ → 英国海峡と、
20回分の付加価値補正を挟むため、6.72倍(1.1の20乗)となります。エグいっすね。
上の収入画像で三倍もの差が生じたのは、商人任務による送出先をより回り道の方へ調整したからです。
付加価値補正に基づくと、英国海峡でコレクトする富は 英国海峡の州で生産された財 <<< 遠くから運ばれてきた財 になることが明らかです。
英国海峡から最も遠いノードはカリフォルニア/リオグランデで、
カリフォルニア → メキシコ → ポリネシア → 日本 → 杭州 → マラッカ(以下略)で、25回分、つまり10.83倍(1.1の25乗)の付加価値補正を受けられます。
つまり英国海峡の生産財よりもカリフォルニアの生産財を高めるほうが利益になるということです。
DEVポチするならカリフォルニア・リオグランデ、次いでメキシコ・フィリピン、更に次いで吉林・広州・ポリネシア・オーストラリアを優先したいところです。英国の石炭よりカリフォルニアの小麦です。
ちなみにver1.31の場合、カリフォルニアの石炭州にDEV集約することによって凄いことになったはずです。
以上の付加価値の仕様、かなりバカにできないのですが、プレイヤーの間では空気に近い扱いを受けていたと推測できます。
本wikiにおいて付加価値を検索すると、本ページ追加前の時点では検索結果0件。
multipleとかboostとかoutgoingとかの対応する原語で検索しても関連する記述はありません。
かくいう私も、存在こそ認知していたもののプレイする上で気にしたことはありませんでした。
普通のプレイの過程においてこのシステムを活きる場面は結構あると思います。
たとえばオスマンで、コンスタンティノープルに加えてアレクサンドリア・アレッポも支配している場合、アレッポからコンスタンティノープルに直通させるよりもアレクサンドリアを経由させたほうが収入が大きくなる可能性が大です。
なにより交易誘導の値を意識する価値が大いにあると思います。海軍伝統MAXは関連遺産とLV3海CoTの一定数保有で容易に達成できます。交易アイデアはもともと強く、防衛・拡張とのポリシーが検討材料に入りはするでしょう。
貿易会社の投資についても、交易額+5%よりも該当ノード誘導+50%のほうが収入を高める場合が多いと考えられます。
そして貿易同盟、これもまた東方富豪政治の強さを示すものであり、意図的に友好関係のある1プロビ国家を温存し貿易同盟に組み入れていくことで、かなりの利益が見込めるでしょう。
交易誘導には付加価値ブーストのみならず、送出先の競争時に交易力に乗算される効果もあり、これが効いてくる場面も多い印象。
交易誘導が+300%なら、ちょっと突っ込んだ小型船が4倍の圧力を発揮するという意味ですから、そらもうアレよ。
まだ変身を残している。
200万ダカット超だあああああああああああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
従来の19年8月のデータと比較し、19年11月、12月、翌年1月と大爆発していきました。
東方富豪政治の交易都市国家作成機能で、貿易同盟加入国を量産しました。
*5
これにより、
えげつない量の交易誘導で、ムガル商人の付加価値補正が14.5% → 24.5%へ上昇。
場所によってはAI商人が同方向に送出してくれており、さらなる付加価値補正の上積みが生じています。
一ゴミプロビ国家のコレクトはたかが知れてるので、遥かにこちらの寄与が大きいですね。
上の三つの収支画像で、しれっとインフレ率が爆伸びしていることが確認できます。
これは一月ごと大量の借金が行われているためです。
どうして借金が生じるのか、それは高すぎる収支により残高がオーバーフローを起こしマイナスに突入、そのマイナスを補おうとするためです。
残高の上限は1000k、つまり100万ですから、200万の収支によって爆発してしまったわけです。
たまげたオチだなあ。