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ジョージ1世の晩年を悩ませたのはブラジル問題だった
1706年ブラジルはポルトガルから独立を認められたが、
軍のクーデターによって初代ブラジル共和国統領アントニオ・デ・ソウトは
倒され新たに軍人ディエゴ・デ・サが統領となった
フランスはオーストリア・トルコ戦争への介入のため
南米大陸政策を転換し独立ブラジルの弾圧から支援に移り
ブラジルはその支援の下でスペイン領ラプラタの独立を煽り、影響を強めた
アメリカ議会はフランスが南米全土を勢力圏に入れるのを恐れ
ブラジルへの軍事介入を提案、ジョージ1世はこれを受け入れ
1709年、アメリカ軍がブラジル首都アマパに上陸した
アメリカはアントニオ・デ・ソウトによる傀儡政権を樹立したが
ブラジル全土での支持は得られず、ディエゴ・デ・サはディアマンティアに逃れ抵抗を続けた
1713年にはジョージ1世が崩御する。
彼は遺言で彼の統治下における軍の肥大化と軍需産業の影響力の拡大*1、
それらが与えた人民のための統治への妨害を批判した。
厭戦感情の溜まっていたアメリカ社会は休戦を要求、
唯一の帝位継承者である曾孫ジョージが若齢のため
摂政議会がディアマンティア政府と交渉にあたり
アマゾン流域および沿岸部をアマパ政府の統治*2におくことで
1729年までの休戦を成立させた
1720年、ジョージ2世(5/6/1)が成年に達し親政を開始した
ジョージ2世は曾祖父の偉大なる統治神話のもとで絶対的権力を振るい
ブラジル撤兵問題、経済問題でアメリカ社会が分裂していくなか、
議会は有効な方策を打ち出せず、議会・諸団体は王の手腕に依存していくこととなる
先ず1721年にはメキシコを武力で完全併合し、
属国ノルウェー*3をアメリカに併合した
1723年にはフランス・プロヴァンス戦争に介入する
プロヴァンス側にイギリスがついていたため、アメリカは
イギリス領ニカラグア・カリフォルニアを占領したが、
新大陸でのアメリカの伸張を望まないフランスによって
講和会議*4で返還させられた
ジョージ2世は新大陸からのフランスの完全排除をめざし
1729年休戦が切れるとディアマンティア政府領に侵攻し
1744年までの更に有利な休戦協定を結ぶ
1731年にはディアマンティア政府を支援していたスペイン・ポルトガルへ
宣戦しスペイン領ラプラタ*5とポルトガル領アラスカを獲得した
1738年、ついにアメリカから空白地が消滅し250年続いた開拓が完了した
ジョージ2世は植民事業の終了を宣言し海運業への移行を勧めた*6
1740年には通貨改革を実施し交易も活発化した*7
ジョージ2世は来たるフランスとの戦争を見据えて
ハプスブルク君主国を破り神聖ローマ帝国内で最大勢力となった
ブランデンブルク選定侯と同盟を結び
1741年、バルト海・英仏海峡における交易業で対立していた
ホランド・グレートブリテンに宣戦布告する
圧倒的優勢のもとで1745年にはアムステルダムを占領し、講和を結んだ
アメリカはホランド領ラプラタ*8、英領ニカラグア・カリフォルニアを
ブランデンブルクはホランド領ミュンスター・アムステルダムを獲得した
1744年ディアマンティア政府との休戦が切れるとこれを完全に併合した
ジョージ2世はさらにイタリア半島で最大勢力となっていた
トスカーナとイタリア統一を条件に同盟を約した
しかしフランスとの開戦を見る前にジョージ2世は1748年病死してしまうと
ウィリアム4世(5/1/5)が王位と彼の政策を継承した
ウィリアム4世はまず仏領コロンビアに囲まれたベラグアスを
緩衝国家として独立させ*9、フランスとの友好を装った
一方で対オーストリア戦の支援を口実にトスカーナに大量の兵を輸送し
フランス本土への侵攻を準備した
インド洋艦隊が、ティムールとの戦争*10で
アラビア半島に展開するフランス軍を発見する*11とこれを好機と
1751年ウィリアム4世は新大陸の全領土割譲を求めフランスに宣戦した
アメリカ軍はトスカーナ国境からフランス本土に、
ブランデンブルクはフランス同盟国リトアニアに侵攻した*12
リムーザンでアメリカ軍10万とフランス軍7万が衝突し
アメリカ軍が負けるという事故を起こしながらも
ポワトゥーの戦いで勝利し、撤退先モルビアンで殲滅に成功する
フランスに上陸したアメリカ軍28万は各地へ散らばり
フランスの農村・都市を略奪・占領した
全ての生産物がフランス人から奪われ、人口の1/3が亡くなったと言われている
1756年にはフランス本土全土を占領し、フランス新大陸領土全ての割譲で講和した*13
ウィリアム4世は新大陸から欧州国家を完全に排除するのに成功し
南米にもアメリカ本土と同様の統治の樹立を試みたが
それは激烈な反発を買った*14
南米諸民族はそれぞれ大規模な反乱を起こした
フランスへの派兵で手薄になっていたため鎮圧も遅れ、反乱軍による独立も各地で叫ばれた
一方で北米でもウィリアム4世の圧政に自由主義者たちが反乱を起こし
リッチモンドは3万人の市民軍に包囲され、西インド諸島は完全にその手に落ちた
しかしフランスから精鋭の王軍が帰還すると
市民軍は散り散りになり革命は未然に防がれた*15
南米ではフランス系との妥協が行われ、フランス系の自治を
認める代わりに南米におけるアメリカ統治に協力させ、
残されたブラジル・ラプラタの反乱を鎮圧した
1761年には反乱が完全に終結し、南米に唯一残っていた
原住民国家マプチェ*16を併合し新大陸を統一した
新たに獲得した領土に12万ダカットをつぎ込み全ての州で
農産業の近代化が行われた
また、1762年にはパナマ運河の掘削も開始された
これらの経済政策によって、1766年のアメリカ経済は1710年の2.3倍に達した
新大陸を統合した超大国アメリカは、欧州への影響を強めていくこととなる
