かつて中国は南洋の海を支配していた。
ときがたち、中国は海を捨て陸にあがった。
官僚たちは航海者の地図を燃やし、宝船を焼き、外国から目をそらした。
v1.06の明をおおきく特徴づけているのは、「内的爛熟」の特徴だろう。
内的爛熟はこのようにべらぼうなペナルティを中国に課している。
この特徴があるために、中国は膨大なプロヴィンスをもっているにもかかわらず、収入にブレーキがかかり、軍隊は弱く、外交関係は孤立的で、国内は混乱している。これらのペナルティは派閥によって一部が解除される仕組みになっていて、たとえば官僚閥なら建設コストや安定度コストが通常に戻り、寺院閥なら陸軍の能力全般が通常に戻り、宦官閥なら交易効率や技術コストが通常に戻るといった具合である。
ところで、初期の中国は官僚閥が支配している。
官僚閥は内政に有利だが、鄭和艦隊を敵視しており、彼の海図を焼き払い、宝船を抑留している。これではいけない。私たちは世界の海を支配し続けなければならない。それも永遠に。というわけでゲーム開始から数年後におこる鄭和以後の中国の対外戦略というイベントで宦官閥を支配派閥にする選択肢を選ぼう(三つの選択肢があり、それぞれ官僚閥、寺院閥、宦官閥のどれかを支配派閥にできる)。
宦官閥のもとでは商人の活動が活発になり、顧問が活躍し、外交と技術が発展するだろう。
中国の初期の視界は、東アジアだけに限定されず、インド洋、とくにアラビア海からメッカ、マリンディ、モンパサあたりのアラビア半島や東アフリカ周辺にまで拡大している。これは明らかに十五世紀前半に行われた三宝太鑑鄭和の業績を反映しているのだ。
ちょっと画像が小さくてわかりにくいが、このスクリーンショットから十五世紀中葉の東アジア情勢を概観してみよう。まずでんと構えるわれらが中国(明)。東に目を転じれば、戦国時代に突入しようかという日本。将軍と大名家によって分割支配されている。そこから日本海をはさんで、儒教圏に中国、満州、朝鮮がある。北西に目をやればオイラート先輩がこっちを見ている。彼らはエセン・ハンに支配され、史実では土木の変で私たちの皇帝を捕虜にしたことで有名だ。
東南アジアには大越、ランサン、シャン、アユタヤがいる。マラッカとブルネイはマラッカ国家精神グループに属していて、これが7に達すると植民者を得るから要注意だ。チベットは専制君主によって統一されており(のち神政に移行)、インドは群雄割拠。この世界ではだれがインドを統一するのか、まだわからない。