ブルゴーニュ公シャルルの野心がついに表面化した。
ブルゴーニュ本国に加え豊かな低地諸国を従えるその兵力は40,000を超えており、フランス軍にも匹敵する。
その狙いはノルマンディー……かねてよりフランスが奪還を狙う、イングランド領の因縁の地であった。
ノルマンディー東端の都市コーにブルゴーニュ軍がなだれ込んだ。
フランスが欲する都市、コーに向かって、である。
時を同じくして、フランス宮廷にブルゴーニュ公シャルルからの書状が届く。
? なんだ、白紙か……?
巻かれた書状を広げきったその時、ついにブルゴーニュ公の文字が現れた。
「こうやって奪うのだ」*1
静かな怒りがフランス宮廷を包む――
ブルゴーニュ軍がコーを占領しました。
……介入しますか?
いや、まだ厳しい。フランス単独とブルゴーニュではほぼ互角。
加えてうちは今、形だけとはいえカスティーリャのレコンキスタに参戦中だ。
そのカスティーリャはもとより、プロヴァンス公もブルゴーニュへの友好関係から対立を避けているので、今同盟国はあてに出来ない。
イングランドもブルゴーニュもうちに攻められない今、ただ手をこまねいているのは勿体無いですな。
財政は建て直されましたし、今のうちにどこかへ拡張したいですが……
南のアラゴン・ナポリ連合も片手間で相手をするには大きすぎた。
北も東も南も無理となれば、残るは……
西に丁度いいのがいましたな!
決まりだな!
ブルターニュを黙らせておけば、東方進出の際の憂いを絶てよう。
北方軍は直ちにブルターニュ半島へ進軍すべし!
フランスの土地はフランス王に返すがよい。
ブルターニュ公よ臣従せよ、さもなくば馬上にて剣を交えようぞ!(宣戦布告)
(ティアコネルはアイルランド島の少勢力。ユトレヒトはオランダ方面の少勢力)
早速ヴァロワにて敵軍を発見、迎撃します!
半島側の敵戦力にも突撃だー!
ブルターニュ側が降伏するのにそう時間はかからなかった。
半島先端の要塞都市フィニステールの包囲が始まった時、ブルターニュ公国のそれ以外の領土は全てフランスに占領されていた。
ブルターニュの領地は全部で5州。
しかし3州以上要求すると、周辺国の怒りを買うようだ。
おや、唯一の要塞都市フィニステールも要求できるようです、まだ陥落していないというのに!
是非とも取っておきましょう!
"西の海の向こう"を目指す上でも、半島の先端フィニステールは魅力的だな。
よし、そこを含む2州と140ダカット、そして10年間の賠償金を要求するとしよう!
ブルターニュを属国にする手もあった。
が、この頃から既にフランスには海外探索の野望があり、そのため外交力の莫大な消費を避けるべく、今回は武力併合を望んだ。
勝利万歳!
例え格下相手でも、勝利とはとても嬉しいものだな。
何気に初の攻撃戦争でしたな、フランス万歳!
では早速、得たお金で教会を建てていくとしよう!
賠償金で建築ラッシュを行うこの瞬間が最高に楽しいんだよな~
おや、外交情報がどさっと溜まってますな。マザラン殿はいずこに。
横領がばれたから謹慎中らしいぞい。
ブルターニュ遠征から程なくして、フランスも参加していたレコンキスタ終結の報が届く。
グラナダは滅亡し、イスラーム勢力がイベリア半島から完全に駆逐されたのだった。
おお、我が国初のアイデアが取得できますぞ!
軍事系のものを取りましょう、是非是非、最強のフランス軍を作りましょう!
いや、ここは統治を取ろうと思う。
権勢も欲しかったが、大きな属国を作る予定が当分ないし、次のアイデアグループでは探検を選びたいので、そもそも今外交系を選ぶのは厳しい。
また、まだまだ軍事技術や戦争税がとても重要で、軍事系アイデアも難しい。
うーむ……(不服)
当分は中核州奪還や1~2州征服の戦争が続くだろうから、統治力があまりがちなんだ。
同宗教・同文化圏の土地を取っていくため治安に問題がないから、不穏抑制系のものもまだいらない。
なので初期投資で最も美味しいであろう統治を選びたい。
政府改革ポイントも溜まりきったな。
人的資源+15%と税収+10%の2択か。
今なら金も欲しいが、最終的には人的資源の方が価値は上だろうから、前者を選択するぞい。
ああそうそう、またブルゴーニュ公シャルルから書状が届いていたそうで。
なんだ? またイキり文章か~?
再び巻かれた書状を広げていくルイ9世。
そこに書かれていたのは――
「軍事通行権をください」
え……?
なんでも、コーより西のイングランド領へは、フランスからの通行許可がなければ陸からは向かえないそうです。
はは、笑い者ですな!
いやいや流石に無鉄砲すぎるだろ~
当然、拒否!!!!!
フランスからの通行許可もなければ制海権もない。
結局ブルゴーニュ公はコー以外のイングランド領に足を踏み入れることが一切叶わず……
ブルゴーニュ=イングランド戦争は、コーのブルゴーニュへの割譲で幕を閉じた。
フランス王国に束の間の休息が訪れた。
ブルターニュ半島で得た新たな領土の中核化も完了し、ルイ9世は、フランスの国力がじんわりと伸びていくのを実感していた。
あとはどうにかしてブルゴーニュ公を鎮めることができれば、と考えていたまさにその時。
ブルゴーニュ公、リエージュ司教領に対して宣戦を布告。
大義名分は「リエージュの征服」。
ついに! 我らに背を向けたな!
ま、まだあるみたいです!
オーストリア、"皇帝として"ブルゴーニュ公国に対し宣戦を布告。
大義名分は「外敵からのローマ帝国の保護」。
な、なんと……神聖ローマ皇帝が……
オーストリアの同盟国ハンガリーも防衛側に付き、ブルゴーニュ公は不利な状況に!
ブルゴーニュ軍が揃って東方へ進軍したことも確認しました!
もっけの幸い、しかし、感謝する!
フランスの兵士たちよ、東部国境に集結せよ!
……フランスからの書状がブルゴーニュ公シャルルの元に届いていた。
はは、ブールジュのフランス王様か、弱音でも書き綴ったか?
フランスからの書状には次のように記されていた。
「こうやって奪うのだ」
1458年、フランスはついにブルゴーニュ公国へ宣戦を布告する。
「中核州コーの奪還」を大義名分とするフランス軍が、堰を切ったようにブルゴーニュ領内へとなだれ込んでいく。
ブルゴーニュ本国にて敵軍15,000×2を補足。
殲滅はできませんでしたが、いずれも各個撃破に成功しました。
士気が高く厄介な相手でしたが、相当無理をしているようです。
しかし、皇帝軍に何度も殴られたはずなのに、まだ30,000も運用するか……。
やはり滅ぼすべき相手ですな。
フランス軍に敵わないと知ったブルゴーニュ軍はリエージュ(現ベルギー)方面へと転進。
しかしそれ故にフランスによる都市包囲は順調に進み、ブルゴーニュ首都北方の要塞オークセロワが陥落。
首都ディジョンがフランス軍に包囲された時、ブルゴーニュ公はフランスの要求を受け入れざるを得なくなった。
我らが中核州たるコー、そしてブルゴーニュ首都すぐ真上のオークセロワ要塞を頂こう。
また、2度とノルマンディー方面に来れないように、コーのすぐ東の2州を独立国家ピカルディとして解放させ、緩衝国とする。
モンジョワ! 神と兵士たちに最大限の感謝を!
ピカルディはやがて……ぐふふ……
あ、さては属国に……!
1461年、ブルゴーニュ公国はリエージュ・皇帝とも講和条約を締結。
ブルゴーニュ公国はナミュール(ベルギー方面の都市)をリエージュに割譲し、その威信は大きく失墜。
ブルゴーニュ公が起こした大きな戦乱は、しかし彼を弱めるのみであった。
フランスは新設のピカルディ公国の属国化を企む。
もとよりピカルディの解放は、フランドルへの進出を企図したが故のものだった。
……しかし、これがそもそもの失敗であった。