実績「ポーランド=リトアニア=モスクワ共和国」を解除したところで*1、前回プレイのAARはしまいじゃ。改めて三帝冠、さらにその先のローマ帝国*2WCを目指すにあたって、何か意見はあるかの?
それではまず外交面、とくに朝貢関係についてです。以前に朝貢国を増やし、維持する美点について話しましたが・・・
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以前のバージョンで存在した「保護国」と同じで、朝貢国を併合するには一旦解放してから征服しなければいけないのです。しかし1回の戦争で潰し切れないような大朝貢国を解放すると天命がゴリゴリ削れてしまうので解放を渋り、その間にその朝貢国は勝手に周辺の朝貢国を併呑してさらに大きくなり・・・という面倒な悪循環に陥ってしまいます。
こちらの天命や軍事力に余裕が出てくるころには、大朝貢国同士で巨大な相互同盟網が築かれてしまうんだよなぁ。こうなると個別に釣りだすのが難しくなり、一つの朝貢国を解放、征服しようとすればいくつもの大朝貢国が反旗を翻して、天命が毎月1以上減っていく惨事になる。
同盟国よりも手を切るタイミングが難しいんじゃのう。積み重なった今までのプレイのSSを見返してみると朝貢国のうち、朝鮮、オイラトかブリヤート、ジャウンプル・グジャラート・バフマニー・ヴィジャヤナガルの中から2つ、ベンガルかMong Yang*3、アユタヤ、マラッカかパサイ、そしてペルシアが、地域圏を統一して巨大化し仮想敵になることが多かったのう。
序盤は少しでも朝貢国を増やして天命を稼ぎたい所ですが、そのうちの半分ぐらいは早めに処理しておきたい所ですね。
次にその天命についてだ。基本的に天命は朝貢国の総規模によって増え、国境を接する非朝貢国の総規模によって減少する。だからせっかく朝貢強制CB(隣接する非朝貢国への宣戦事由)が便利だと言っても、大国相手には使えない。
平時でも、オスマンやロシアといった大国との間には緩衝属国を置き、戦争ではその属国のCBを使って領土を食わせることで少しずつ進むしかありません。明や清のWCを面倒にしている点ですね。
HREと違い、天命の値には改革を通し終え大国となっても苦しめられるからの。
そして第6章でも触れたが、天命減少によって起きる最大の問題が、国難「Civil War」のトリガーとなっているところじゃな。
開始条件 | 進行条件 | 停止条件 |
Civil War未経験 | +2.0% 反乱軍が10%以上のプロビを占領 | 他の国難が勃発 |
摂政政でない | +1.0%~+3.0% 君主の能力値が0 | 摂政政に入る |
’’天命が70未満’’(正統性・遊牧民統一度が50未満) | +1.0% 過剰拡大が10%以上 | ’’天命’’(正統性・遊牧民統一度)’’が75以上’’ |
非海外州の自治度の平均が30%以上 | +0.5 安定度が1未満 |
太字は中華帝国政体*4のみが持つ特徴で、括弧内が普通の国の持つ条件です。明だと大国と隣接したり改革を通したりして天命を若干失うだけですぐにカウントが始まっちゃうんですよね。
また天命が50を割ると、すべてのプロビの反乱タイプが固定されることで、不穏度を0にする以外に進行度をリセットする方法が無くなってしまうのじゃ(第4章参照)。後半でも気を抜けばあっという間に吹き飛ぶ天命を、高い値に維持するのに慣れるまではかなり時間がかかったのう。
例えばこれは最近忘れられかけている一回目の三帝冠達成の時の途中経過(1750年)じゃ。フランス変態を果たし、ローマ帝国再建に必要なプロビも北半分はほとんど確保済みじゃが…
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HRE改革は最後を除き通過済み。画像中ではイギリス、プロイセン、ハンガリー、ロシア、オスマン、マムルーク、チュニス、キプロス、教皇領以外が属国
天命はこうなっておる。第7章でふれた通り、変態すると改革がすべてリセットされてしまうのじゃが、その上この時には調子に乗った正統帝がオスマン・ロシア・ペルシアさん大国と手を切ってしまって大変なことになってしもうた。もう軍量は十分じゃから負けることは無かったにしても、過剰拡大10%の制限が常時かかるのはきつかったのう。
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天命0になると、生産が半減、戦闘時の射撃・白兵被ダメージが半増するんだっけな。
1.22まではそうじゃった。じゃが1.23から天命が50を切ると、少なくなるにつれ傭兵の許容数が減り不穏度が大きく上昇してしまうようになってしもうたから、今後明を試す人に低天命で耐えるやり方は勧められん。次の挑戦でもバージョンは1.22に据え置いておるが、天命が75を下回る状況を極力減らす方針で行こうかの。
そういや、正統帝は序盤戦略の試行錯誤をしていたころにver. 1.24に手を出していましたよね。
AARの休載が伸びているうちに2回もアプデが来てしまったので、試しに最新バージョンで楽になる部分があるかどうか試したそうじゃ。結果は大失敗・・・というほどでは無かったらしいが、とにかく面倒になったのが気に入らず、1.24に慣れるよりAARを完結させる方が先といって1.22に戻ってきたそうじゃ。
1.24だと、三皇帝プレイに関わる範囲では何が変わったんだ?
まず一般的な話からするが、AIが簡単に同盟を結ぶようになりおった。
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この回では初手でオイラトを攻めたんじゃが、全国から軍を集めて1445年2月に宣戦するころには既に建州や海西と同盟を結ばれとった。海西に同盟を破棄させて攻め込み勝ちはしたものの、1.22ならオイラトは大抵孤立主義であったゆえ攻めやすさが段違いじゃった。
戦争に弱い正統帝によると、明で北方を平定するなら「オイラトがウズベク・ホルチンをライバル視し、建州がオイラト・野人両方とは同盟しておらず、海西が朝鮮と同盟していない世界線*5」をひくまでリセマラするのが良いそうです。開幕最強国家でここまで厳密なリセマラなんかして恥ずかしくなかったんですかねぇ。とにかく、明は力になってくれる盟邦を持ちにくいですから、このアプデは単純な難化となりました。
次に、MoH導入以来使えたセコいテクニックが、1.23で修正されおった。
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明が関与できないはずの朝貢国の戦争を操る手ですね。かなり分かりにくいアユタヤ・ラーンナー戦争の画像しか残ってなかったのですが*6、ここではラーンナーがアユタヤ(もしくは属国スコータイ)に一発併合されるのを避けるために、同じくアユタヤの属国ながら位置関係上ラーンナー領を獲得できないリゴールへ占領権を回しています。
なるほど、朝貢国はあくまでも従属国家だから、領土分割は宗主国が左右できるのか。この場合、アユタヤ陣営は1プロビも領土拡大が出来ず、賠償金や条約破棄程度の講和で満足するしかなくなるわけだ。
蹂躙されているのが大国であれば、戦勝国は敗戦国内のコアから国を復活させることもあるゆえ、戦勝国を抑えつつ敗戦国を解体することも可能じゃ。その新国を横取りするか朝貢国の列に加えるかは我らの自由となる。
じゃがさすがにパラドもまずいと思ったのか、朝貢国の占領権操作は1.23から無効になってしもうた*7。同盟関係が複雑になって、操作する選択肢も増えたと思ったんじゃがのう。
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アユタヤに負けた直後にまたラーンサーン・タウングー連合に塗られるラーンナー。占領権操作のイメージとしてはこの画像が分かりやすいか。
周辺の地図に目をやると、大きなポテンシャルを持っていたペルシアのコアが消滅したのに代わり、さらに広大な範囲にティムールのコアが散らばるようになったな。
そこで弱ったティムールを属国化してコアを回収したんじゃが・・・
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この回ではティムールの併合を始めたものの、反乱が収まらず延々と外交点をどぶに捨て続ける形*8となって中断したんでしたね。
1575年.属国ティムール、大越、カザン、ペルミ。新大陸国家はアラスカからコロンビア、ブラジルへとまわり、ケープまで欧州に先んじて獲得した。
ティムールは併合開始からちょうど50年経過しているが、進行度は僅か41.1%*9。
本番に移る前に、今まで実際に試しながらボツになった戦略を振り返ろう。
1回目の三帝冠成功以降10回以上は挑戦したんじゃが、そのうち特徴的で比較的成功した3回分を取り上げてみるかの。
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分かりにくい図ですみません(訂正:赤の回では日本に侵攻していませんでした)。こんな図は世界史の資料集で見慣れてますね。
青は第1章から紹介した陸皇帝ルートです。あの後ナポリを征服したところで力尽きました。
緑は上で出した1.24プレイです。植民地国家の早期確保のために初めて東回り探検を主軸とし、ヨーロッパ諸国が太平洋に進出するより早く領土を世界一周させることに成功しました。
陸上では初手でオイラトを攻め、モンゴルを完全併合・復活し、東方の女真族を食わせた。ここも反乱が頻発したから併合に苦労したが、ティムールほどではなかったな。
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赤は1.22で1721年代まで到達しながら結局中断した回じゃったな。最初の三帝冠達成プレイの戦略に立ち戻り、西回りで直接西欧を目指したんじゃ。
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属国ペルシア、スウェーデン、カタルーニャ、ガスコーニュ
後から考えると残り100年でWCするのは全く不可能というわけではなかったと思うんですが・・・
まずあれじゃな、序盤で誤ってキリスト教をHarmonizeしてしまったばかりに反乱による国教変更が出来なくなったんじゃ。それでもヨーロッパを完全征服すればまだ国教改宗イベントがポップする目はあったんじゃが、その前に2つ大失敗を犯してプレイヤー厭戦値がぶっ壊れたんじゃ。
上の画像じゃが、実はこの20年くらい前には北米東海岸の大半が明の支配下にあったんじゃが・・・。それを失った事の顛末はこうじゃ。「少しでも早く北米をキリスト教化したい」という奇妙な欲に囚われた正統帝は、自分で建国した東海岸植民地(儒教国だがイギリスから奪ったプロテスタントプロビが大半)を放棄、フランスから奪った植民地国家A(カトリック)にこれを食わせる策を取った。じゃがプロテスタントプロビを食わせすぎて、Aは勝手にプロテスタントに改宗してしもうた*10。
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動転した正統帝はショーニー族に停戦無視で宣戦、プロテスタントプロビを押し付けようとしたが2プロビしか受け取ってもらえず・・・
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新大陸に進出していたブラバントを当たっても(停戦無視)無視され・・・
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結局イギリスにすべてを明け渡すこととなった(停戦無視)。最後の方は完全に目的を見失っとったな。
あのころの正統帝の精神状態はリアルでも危なかったからなぁ。この後フロリダに残っていたカトリックプロビを切り取り新植民地国家を建国、宗教反乱を起こさせてカトリック国家を復活させる所まで行ったが、最後にHRE大連合相手の戦争で、旧大陸の軍の大半(計100k以上)をアルプス山中に失い、投了を決断した。
見苦しい愚痴はここまでにしましょうか。これまでの経験をまとめて、次章からのWC本編の戦略を練りましょう。
中盤までの戦略の大雑把な選択肢は、西回り探検*11、東回り探検*12、西方突貫の3種類が今までに出たかな。早期の西方進出は当然として、植民方向はどうする?
今回は東回り探検をとる。交易路の比較的上流にある中国にとって、さらに上流にある北米の植民地国家の「数」と「金山」は中盤の収入の伸びに直結するからじゃ。西回りでも喜望峰や西アフリカを独占すれば金が入るものの、植民地国家の建設速度が東回りに劣るのがつらいんじゃ。
それと大陸での拡張も、今回はOpen China早期獲得にこだわらず、地盤を固めながら着実に拡張するのが良いでしょう。東アジアに我々以外の大国が残ると、終盤で厄介なことになります。
あれか、前回最後にカジミェシュのおっさんが言っていたやつ。「西は後回し。北を平らげ、東を抑える」だったか?
あれの故国ポーランドは、史実では北のスウェーデンや東のロシアと激しく戦い、乗っ取ったり乗っ取られたりを繰り返した国じゃ。力関係は異なるものの、我が明帝国も北にオイラト・モンゴル、東に女真・朝鮮という(仮想)敵国がおる*13。慌てて西方へ進むことなく、まずこれらへの対策を万全にしてから進めという事じゃな。ふふ、新しい序盤戦略が見えてきたわい。
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1.24プレイの中でも属国カザフを使ったことがあったんですが・・・
水色から白色になったな。ウズベクやノガイと似ていたところにトランスオクシアナとホラーサーンまで入ってきて、さすがに同系統色じゃ苦しくなったか。