AAR/米 沢 幕 府 !
ここ米沢は『世界三都』に列する巨大な都市だ。
しかし、コンスタンティノープル『憧れの都』、直江津『夢を超えた街』のような美称を持たない。
うち捨てられた公共工事。それにくたびれた田畑がえんえんと続くばかりで、これといった美点がないからだ。
天守のない城は朽ちるにまかせてあり、都にあるべきはずの防衛機能もない。
欠点は列挙しきれない。
ただ、ひとが無数にある。おそらく100万人はいる。
要するにスラムである。
ロペス・パチェコ『ヨネザワ 驚異の旅』(1640年)より

さて、開府祭りの最終日。
『かぶき座』に聖歌が響き渡っている。
入市式を終え、演劇に招かれた海外使臣がそろり、そろりと入場してくる。
正面桟敷の来賓側にはヌエバ・エスパーニャ副王を中心に、米沢大司教ルイス・ソテロ、フィリピン総督コルクェラなどが列席し、威風あたりを払う。
幕府側は伊達政宗、愛姫夫妻をはじめ片倉小十郎、将軍家元康、松平忠輝らが英姿颯爽として国賓のもてなしにあたり、
民間の住友友以、淀屋言當、大賀宗伯、鴻池直文ら商人は副王の知遇を得ようといそがしい。
本番5秒前†
「成実どの率いる『米沢一派』が、副王をひとにらみして退場していきますね」
「それにオレ見てニヤッともしたぞ。あぶねえ奴だ」
「あっツバまで吐きやがった!きたねえ」
「もう奴はただの老いぼれよ。捨て置け」
「……ところで演劇ってなんですか?」
「そろそろ始まる。黙って見とけ」
「……」
「これは殿ですね。反省しましょう」
「米沢一派の仕業だな。クソが」
(ざまあ)
古代地中海世界
われらが海——は途方もない拡がりを見せていた・・・!
カルタゴの航海者ハンノは紀元前450年頃 早くもギニア湾に到達し |
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最盛期のローマ人は、紅海から年120隻の船をインド洋に送り出し、海路中国世界に達する。 さらに最古の地球儀を作ったマロスのクラテスは アフリカ廻りのインド航路をすでに構想していた。 |
しかし
そして
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非道な悪魔イスラムと 欧州半島の’’付け根''に巣喰う浮浪者に挟撃され 神の栄光を広める術のない |
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堂々たる封建社会が成立し 神からの賜物である温暖化や天与の才能により技術が発展。生産力が向上。 人口が急増しヨーロッパの外に展開していった。 |
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地中海に向かっては十字軍 内陸では東に向かって北方十字軍 イベリア半島ではレコンキスタ |
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復活の火は灯され カトリック世界は真の光を取り戻しつつあった。 |
さらにシルクロード、シーロードを失っていた西欧は
14世紀、念願の独自航路開発に成功する。
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欧州人の3分の1くらい死にました。 おやすみなさい。 |
13世紀終盤すでに黄昏の陽がさし始めていた欧州半島を
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悪運は重なった。気候は一転寒冷化。経済は落下。 領民と領主は闘争を激化。一方で飢饉が頻発し廃村があいついだ。 |
だが
広場に転がる死体を片づけながらも
西欧人は夢想をやめなかった
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マルコポーロが記した黄金の国を 十字軍の土産話に聴いた、眩いほどの贅沢品の数々を そして、なにより黄金の価値を持つ万能薬、胡椒を
のどやかで、洗練された豊かさに満ちた世界 |
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コンスタンティノープルの陥落 近代の扉が、重々しく開かれた。 ステップロードの出口すら封鎖され、 いよいよ逃げ場がなくなった欧州半島。
その頃、人口100万人程度の、何も生産しない 世界の周縁の地中海の、かつて周縁であった小国が 未知の大海に脱出を試みていた |
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アヴィス朝ポルトガル。最も若く、最も敬虔で、最も命知らずの王国。 抑えようもない聖なる炎は海を越える。 なんと金の集積所、セウを一日で陥落せしめた。 |
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ただし、イスラム隊商はセウタを回避した。オワタ。 交易はなく、防衛費ばかりが嵩む。 とまれ主目的は布教である。 勘違いしないでよね! とまれかくまれ、西欧が半島を脱出したのである。ハジマタ。 |
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始まった史上最大の冒険。それを主導したのが、かのエンリケ航海王子である。 |
船酔いジジイ。学校なんて作ってないし、航海事業におけるエンリケの仕事は3分の1程度らしい
大西洋の南下から流れて10年。ある難所をどうしても抜くことができないでいた。
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ボジャドール岬である。 怪物が棲まい、海水はぐつぐつと煮えたぎる『世界の果て』と信じられ みな怖じ気づいて引き返す。 |
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ようやく1434年、独自に開発したキャラベル船で怪物を爆殺。 船に乗ってるので海水の温度もわりと大丈夫で迂回に成功。 |
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出費に見合うリターンがない、と反乱の危機に瀕していたエンリケは、 異教徒を保護した上、無明を照らし文明化する事業をはじめる。 この慈悲深いベンチャーは大当たりし、冒険事業も継続された。アーメン。 |
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リスボンから3000km南下した偉大なるエンリケの死。 ちょっと後に商人フェルナン・ゴメスが2、3年で同じくらい南下したけど とにかくエンリケは偉大なのです。アーメン。 |
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そして1488年嵐で漂流していたディアスが、北上したところに喜望峰があった。 インドはすぐそこだ!いくぜ! |
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ついた。スペインが。 ようやくカナリア諸島を征服しただけのスペインが。 インディアスについた。 |
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さらにコロンブスがポルトガルをおちょくったせいで イベリア兄弟間の緊張が、デンジャラシングだったが |
愛する兄弟よ、十字架に誓え!
兄は西へ、弟は東へ。
戦いを聖とし、聖地を取り戻すのだ。
容赦はいらない。……悪魔どもには情けはいらない。……獣声を気にしてはならない。
剣を持て!燃えるこころが凍てつく前に剣を持て!正義の剣を異教徒の血で赤く染めたまえ!
弓をとれ 銃をとれ 驟雨のような地獄を放て!
アフリカを、アジアを、インドを
その果ての果てまでを主に捧げるのだ
キリストの再臨は近い。最後の鐘が響めくのだ
愛する兄弟よ、十字架を掲げろ!
終わりを始めるのだ……。
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神の援護。6年後ポルトガルも西回りでインドについた。 アジアに到着したのだ。 そしてインド洋は真のエデンであった。 極めて自由で、豊かで、平和で、 それゆえ完全に堕落しきっていた。
神から賜りし富を守る、その聖なる意図がない。 ポルトガルが持つような戦艦がない。技術がなく知識を得ても作れない。 無知蒙昧な不信心者は許せない。 征け 進め かかれ! 無知の闇を照らし、キリストに捧げるのだ! |
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幸運王マヌエルの時代。ディーウ沖の戦いで最強のマムルーク朝を一方的に粉砕 インド洋の絶対命令権を手に入れた |
| 紅海を封鎖しレヴァント交易の締め上げは成功。ジッダへは6年間商船の入港がなくなり、アレクサンドリアの関税収入がゼロとなるほどだった。 |
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&size(20){さらには地中海の覇者オスマン帝国の十全に準備された艦隊も退けた(1538)}これ以後も、二強間で抗争が繰り替えされるも常にポルトガルの勝利、あるいは防衛勝ちをおさめた。ポルトガルがアジア海を征服した。; |
ポルトガルは最後に最大の幸運が待っていた
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スペインの一員として認められたのである。こうして疑いようもなくスペインの世界征服は成った。 |
ポルトガルは最後に最大の幸運が待っていた
1581年 フェリペ二世の帝国の一部と
以後、残る反乱軍との戦いを継続しながら