スペインとの対決に勝利し、オランダにも辛うじて勝利を収め、フランスの海外勢力を駆逐したイギリス
特に18世紀の大半を費やしたフランスとの戦いは、その長さから第二次百年戦争とも呼ばれています
産業革命を迎えて以降イギリスは「世界の工場」としての地位を確立します
19世紀初めにヨーロッパを制覇したナポレオンに勝ち、遂に世界の覇権を握りました
地上の1/4を支配した有史最大の帝国、イギリス帝国の誕生です
彼らの歴史は最初から華々しい勝利で彩られていたのでしょうか
それは違います
百年戦争では大陸領を奪われ、インドネシアではオランダに負け、ルイ十四世時代のフランスには衛星国のような扱いを受け、アメリカの独立を許し・・・
イギリス帝国には数え切れないほどの敗北の歴史があります
勝利と同じだけ苦難があったのです
それがヘゲモニーの代償だとするならば、イタリアが同じ道を辿るのもまた当然のことなのでした
遠い昔に独立を果たしたオランダは今や列強とまで行かずとも準列強ぐらいの力を持っています
彼らの願い それはかつてオーストリアやブラバントに奪われた土地を取り戻すこと
オランダはネーデルラントを統一すべく戦争を始めました
そこに、フランスに大勝したオーストリアの拡大をよく思わないイタリアが参加します
こうして始まったのがオランダ統一戦争です
東からポーランド、南からイタリア、北からオランダが攻め入り、戦線は一瞬で崩壊しました
オーストリアはフランスから獲得した土地を失い、フランドルが独立
逆にオランダは国土の大部分を統一しました よかったね
後から見ればそれがオランダの最盛期になってしまうのですが、これはまた別のお話
イタリアは不本意にもポーランドとクリミアを勢力圏に収めています
これを打破しようとしたのがロシアです
不凍港を得ることが彼らの悲願ですから、ロシアの南進を完全に塞いでいるイタリアは大きな脅威だったに違いありません
彼らとイタリアは何度も何度も戦場で相まみえることになります
そして今回も剣を交えるのです
ポーランドが頼りにならないせいで
結局、第二次クリミア戦争もイタリアの勝利で終わります
ロシアはデンマークから獲得していたスカンディナヴィアの領土を喪失しました
イタリア・ポーランド連合の勝利です
より正確にはイタリアの勝利です
しかしイタリアの海外進出はロシア戦のために中断を強いられてしまいます
勝っても得るものない無益な戦争
ロシアとの抗争が最終的な解決を見るのはおよそ50年後のことになるのでした
香辛料があったり綿花があったり、目を眩ませるものが溢れかえる魅惑の土地インド
最初に侵攻を始めたイタリアはベンガル地方を拠点に勢力を拡大させます
数回の戦争を経てライバルのスペインを追い落としたイタリアは、インド進出をさらに加速させました
遅れてきたイギリス・ポルトガルもインドに拠点を構えます
18世紀に入って彼らは、まったりムードの流れるイタリアを尻目にアメリカ大陸とここインドで熾烈な争いを繰り広げたのです
イタリアにとってはライバル同士が争うまたとないチャンス
インドの完全支配を確立するべく、イギリスの保護国ジャイサルメールに宣戦布告します
イギリスとその同盟国オーストリアとの交戦状態に入りました
オスマン帝国軍侵入の件といい、北イタリアの人々は生きた心地がしなかったことでしょう
イギリス領インド及びインドネシアを占領し、オーストリアをタコ殴りにします
兵数が少ないイタリアにとって、こういう大きな地域を占領する際にポーランドは大きな助けになります
というか苦労してスペインと戦ったんだから、これぐらい恩恵がないと困る
野戦ではイタリア軍が大活躍します
ロシアで陸戦をしょっちゅう繰り返しているおかげで戦訓だけはやたら高いイタリア
射撃・白兵能力が共に5を超える将軍が掃いて捨てるほど出てきます
ロシア戦も得るところが全くないわけではないようです
イギリスがポルトガルと戦っている隙を突いたのも手伝って、実にあっさりと勝利しました
イギリスが獲得していた元ポルトガル領インドも、シンドとして独立させます
スペインに続いてイギリスもインドから追い出されたのです
イタリアの海外進出は順風満帆 未来は明るいぞ!
過剰拡大が180%になっていることを除けばですが
急速に拡大したイタリアは、戦後処理のためにしばらく平和な時代を経験することになります
連発するバッドイベントに対処する日々 血反吐が出そうです
と言っても、何もしないのもアレなのでしばらく国際情勢を眺めましょう
まず西アジア
腐っても大国のオスマンは衰退著しいティムールに侵攻しています
ver1.4だった頃はティムールを保護国にしてイタリアの大きな障害となっていたのですが、今回はガッツリ敵対している様子
ティムールは戦争のたびに国土を縮小させ、ペルシャが復興したりクリミアが進出したりで最終的にはわずか3プロビの弱小国家になります
余談ですが、ここに写っているコラサンはポルトガルの保護国時代を経て西欧化した技術先進国です
このバージョンになってからなのか分かりませんが、非西欧国家の西欧化のスピードが妙に早い気がします
18世紀半ばにして既にマリ王国やモロッコ、アルジェリア、デリー、果てにはインカ帝国まで西欧化
北アメリカの部族国家もかなりが西欧化を済ませ、チカソーに至ってはニューイタリーに匹敵する国力を持っています
見ている分には結構面白いのですが、西欧国家プレイでは非文明国征服CBが使いにくかったりしてゲーム的にはどうなのかな、と思います
筆者としてはアルジェリアやモロッコのほうがオスマン帝国より技術的に進んでるってのが受け入れがたいです
とはいえ難しくしすぎても面白くないでしょうし、ここら辺のバランスがEU4の醍醐味と言えるのかもしませんね
閑話休題
ヨーロッパに話を移します
まずイギリスですが、せっかく統一したのにまたアイルランドの一部を失ってしまいます
何やってるんだろうほんと
大陸側も戦争が絶える気配は全くありません
いつ見ても必ずどこかが戦争をやっています イタリアもその一員ですが
たまたまアホくさい画像があったので一枚ペタリ
なんでしょうこの感じ
ボクシングでお互いに顔面パンチが決まり、同時にノックダウンみたいなものでしょうか
何回見てもアホくさい以外の感想が出てきません
結局どっちが勝ったのかは忘れましたが、大した領土の変動はなかったように思います
そしてイタリア最大のライバルスペイン
インドとインドネシアから追い出された腹いせに東アジアの国々を苛め始めます
私たちの祖国日本も八つ当たりの対象になりました
許すまじスペイン
つかの間の平和を破ったのはブラジルでした
敗戦間際のロンバルドブラジルを救うためにイタリアはもはや何度目かもわからないスペインとの戦いに駆り出されます
何回戦争させれば気が済むんだ もう独立させようかなこの国
もちろんイタリアはいつ戦争が起きてもいいように外交でスペイン戦に備えていました
西欧化マリと同盟し、スペイン領北アフリカに攻め込んでもらいます
にしても流石にその棒人間の国旗はどうかと思うよ 君らだけ8bitだよ
イタリア軍はブラジルに上陸してカスティーリャブラジルを制圧
ちゃっちゃと戦いを終わらせます
イタリアの戦争疲弊度はほとんどありませんが、筆者の厭戦感情が10ぐらいにまで上がっているのです
また、イタリアはこの戦いで初めて海外での大規模な海戦を経験しました
その名もマラッカ沖海戦です
ヨーロッパから来る敵船団は毎回バカ正直にここを通るため、マラッカではこの後も何度となく大海戦が行われます
沈没した船で海底にはフローリングができていることでしょう なんて贅沢な深海魚だ
戦後カスティーリャブラジルの領土を大きく削り、スペイン領北アフリカも大部分をマリに割譲させました
マリにあげた土地は地続きでなかったからかすぐモロッコに売り払われました
せっかくあげたのにもったいない
ここで初めてモロッコが西欧化していることに気づいたイタリアは彼らと同盟を結びます
マリには向こうから同盟を切られました 上等だファミコン野郎
ここでロシアとの第三次クリミア戦争が勃発します
一年かけて追い返しましたが本当にまったくもって得るものがない
18世紀に入っても戦乱続きのヨーロッパ諸国
オランダはオーストリアに再々制服されて領土を縮小
フランスとブランデンブルクはずっと殴り合いをしています
イギリスはそれに乗じてアイルランドをフランスから取り返しました
イタリアも例外ではありません
東アジアでは中国の海南島を併合
インドやインドネシアのほぼ全土を自国領に編入しました
他にもアメリカやクリミアに振り回され、スペイン、ロシアとの戦争を繰り返します
戦い疲れたイタリアは、第五次クリミア戦争である決断をしたのです
イタリアはポーランドに軍隊を派遣せず、戦場を見守りました
次々と破られるポーランド軍
イタリアはロシアの要求を飲んで和平します
その要求とはクリミア=ハン国の解放 ロシアはタタールならぬイタリアの頸木を解きたかったのでしょう
イタリアの影響力は縮小しました
しかしそのおかげでロシアとの戦争は終結
その後クリミア戦争は一度として起こりませんでした
むしろ拡大したロシアとオスマン帝国が敵対し、結果的にイタリアは得をします
長期的に見れば、その評価は変わるのかもしれません
ですが、イタリアは長い平和を手にすることができました
それがイタリアの選んだ道
パックス・イタリアーナなのです