AAR/オラニエの交易自習室
前回:第七話 太陽が昇りながら沈む国
神聖ローマ戦争で成功を収めたシャヤカ1世の権威はかつてユトレヒトを率いてネーデルラント北部7州の統一を掲げていた時ほどに高まっていた。シャヤカ1世は残るネーデルラント2州の回収を掲げリンブルク・ルクセンブルクを領有するトリーア選帝侯領へと進軍した。トリーアを保護すべく神聖ローマ皇帝のオーストリアがネーデルラントに宣戦を布告し、続てオーストリアの同盟国であるロシア帝国が参戦した。さらにフランス・スペインはネーデルラント帝国を援助すべくこれに参戦し、ついには西欧連合対ハプスブルク=ロシア連合の体を成した。
両陣営の総兵力数は西欧連合50万、東欧連合70万とかつてない規模の大戦争となり、またおよそ1世紀に渡って睨み合ってきた西欧陣営とハプスブルク=ロシア陣営の直接対決となったったため、この戦争を差して「全ての戦争を終わらせる戦争」とも、また単に「世界大戦」とも呼ぶ。東欧陣営の兵力数は西欧陣営に対して優っていたが、ロシア帝国はその広大な領土故に兵力の動員に時間がかかったため西欧陣営はオーストリア軍を各個撃破していき神聖ローマ帝国領内の占領を進めていった。またネーデルラント帝国は神聖ローマ帝国北西部への侵攻に重点を置きトリーア西部の占領を進めた。1808年にはロシア帝国軍が前線に現れるようになったが、フランス・スペイン連合軍の高い士気の下敗退を重ねた。そして1809年、この空前絶後の大戦争はわずか3年で終結し、東欧陣営はネーデルラントにリンブルク・ルクセンブルクの割譲、フランスに神聖ローマ帝国領内の1州の割譲を認め降伏した。
この戦争によりネーデルラント帝国はネーデルラント17州の統一に成功した。シャヤカ1世の権威は絶頂を迎えた。かの皇帝の下ネーデルラント帝国は近代化を進め近代列強の一国として帝国主義時代を迎えるのであった。