御老人 私の方が貴方よりも強い
なのに 打ち込む隙が見つかりませぬ それはなぜですか?
それは儂が無であるからじゃ
お主がどんなに強くとも赤子は殺せぬ それと同じ事
強さが極まればそれは弱さへと転ずる 逆もまたしかり
赤子は弱い ゆえに誰も脅威と見なさず争いを生まぬ
強きものに敵は無く 弱きものに敵は無し 全て嬰児に帰すのみよ
本Verでの陸戦システムへ触れる前に、旧Verにおける陸戦時の特殊判定についておさらいします。
特殊判定が行われるのは以下2パターンのはず。
1.戦力比が1:10である
この場合両者の軍質を無視して、兵数10の側が兵数1に接敵すると同時に戦闘を介さず兵数1の側が殲滅されます。
旧Verでは新大陸側のプレイヤー先住民が、軍質の高い西洋軍へ勝利する為に軍量を水増しして勝利を目指す等の手法で有名でした。
2.開戦から12日以内に士気が0となった場合、士気が0の側が殲滅されます。
手前味噌ですが、筆者の旧作AARでの指揮官補正によるビザンツでのオスマン退治方法等が実例になりますね。
軍質を極めたプロイセンプレイで敵軍を殲滅して回る喜びを御存じの方も多いはず。
おさらいはすみましたので、それを踏まえたうえで本編へと移りましょう。
本プレイの開始は1792年シナリオ。プレイ国家はスペインです。
対戦相手はCPU軍質最強と見なせる革命フランスですね。
戦闘検証の為にチートコートでプレイヤー国家へ徴兵資金と人的資源を追加しています。
1795年 スペイン軍 192k VS 革命フランス軍 41k が戦闘を開始します
初日 損害 スペイン 1744 : 革命フランス 1170
スペイン側は指揮官無し 規律110% フランス側は史実星5指揮官付き 規律120% 騎兵と砲兵の支援あり
質だけを見れば革命フランス側の圧勝になるはず。
しかしながら本プレイでの重要ポイントは戦闘開始時点でスペインの士気が0.5であることです。
あらかじめ陸軍維持費を最低値とし、士気を下げてあります。
2日目 損害 スペイン 1723 : 革命フランス 1169
3日目 損害 スペイン 1698 : 革命フランス 1180
4日目 損害 スペイン 960 : 革命フランス 197
士気が0となったスペイン側ユニットが戦闘から取り除かれ、前線に穴が開いています。
5日目 損害 スペイン 271 : 革命フランス 29
穴がさらに広がりスペイン側前線のユニットは1体のみ、192kの軍量があっても前線への配置が間に合わず後詰の大半は遊兵となっています。
どうみましてもスペイン側の敗北ですね。
6日目
スペイン側が6396の損害で革命フランス軍41kを殲滅いたしました。
事実上スペイン側の損害は皆無と言っても差し支えないでしょう、完全勝利の栄誉が手に入りました皆様の応援のおかげです。
1744+1723+1698+960+271=6396の為、戦闘結果とスペイン側損害の合計値が一致している事が確認できるはずです。
つまりこの結果は6日目の戦闘開始前に特殊判定による敵軍殲滅がなされたとみなす事が出来ます。
じゃあ、士気が0.5なら常に勝てるのでしょうか?
1795年 スペイン軍 34.6k VS 革命フランス軍 47k が戦闘を開始します
損害 スペイン 5960 : 革命フランス 361 でスペイン側が敗北となりました。
どうやらこの辺りに特殊判定理解のカギがありそうですね。
上記画像4日目を再掲します。
Ver1.34では戦闘中に士気が0になった部隊はその場で戦場から取り除かれるようにシステムが変更されました。
その一方で戦闘開始から12日以内に士気が0となった部隊は殲滅されるとの従来の特殊判定も一部残っている模様です。
一部としましたのはスペイン側が士気0.5の34.6kで敗北したときに、自軍が殲滅されなかった為ですね。
筆者の頭では理解できないのでここから先は他の有識者の方々の理解となります。
1.Ver1.34では戦闘開始から12日以内に士気が0となった部隊は殲滅されるとの従来の特殊判定も一部残っている
2.ただしこの特殊判定の前に両軍の前線のどちらかのユニット数が0になった時点で戦闘終了との判定が発生する。
3.戦闘終了の判定発生時点での両軍の軍量を比較する
4-1.軍量の差が2倍以内である
4-1-2 士気残量の低い側が敗北となり撤退行動を開始する
4-2.軍量の差が2倍以上である
4-2-2.軍量の小さい側が特殊判定により殲滅される 註 士気残量の低い側ではない
どの様な基準なんでしょうね、これ?
再び筆者の理解に戻りますがおそらくは旧Verでのプロイセンプレイで軍質が極まった結果、
ユーザー側が意図せずに開戦から12日以内に士気が0となった場合、士気が0の側が殲滅されるとの特殊判定を悪用していたのでしょうね。
数が少ない側が数の多い側に勝利する事はあるでしょうが、さすがに数の少ない側が5倍の軍量を殲滅する等の状況はおこりえないと見なされたのでしょう。
捕虜を取るにしても、数で圧倒しない限り敵軍殲滅は出来ませんよとのパラド史観が今Verの戦闘システムなのでしょうね。
まあ、なので軍量の小さい側が特殊判定により殲滅されるとの設定そのものは間違っていないと思いますよ。
ただこの場合ですと、ゲーム後半に入植地の先住民をプレイヤーが技術差もあるし2kで殲滅しようとしたら士気量の差で特殊判定発生。
竹槍6kの先住民部隊に、銃を持つプレイヤー側先進国部隊が敗北等の困った事態が起こる可能性があるだけなので。
バグと言えばバグなのですが、旧Verと違いユーザーが意図しない限り発生しない挙動でしょうし致命的な問題ではないでしょうね。
バグは必ず潰すべし、穴は必ず埋めるべし。それはそれで一つの考え方でしょうが、それですとメンテが忙しすぎて新作を作れないのではないでしょうか。
「大丈夫? このゲームはきちんとセーブ&ロードが出来るの?」
古典派プレイヤーにとってはなじみ深いパラドQ&Aあるあるですが、ガバガバなゲームはガバガバなゲームとして楽しめればそれは素敵な事なのでしょうね。
短いながらもお付き合いくださり、ありがとうございました。それではいつか又他国にてお会いいたしましょう。
三十輻一轂を共にす。其の無に当たりて、車の用あり。
埴をこねて以って器を為る。その無に当たりて、器の用あり。
戸ユウをうがちて以って室を為る。其の無に当たりて、室の用有り。
故に有の以って利を為すは、無の以って用を為せばなり。