前回のあらすじ。
ボヘミア王兼神聖ローマ皇帝ジャン・ペトロは六度の戦争に勝利し、異端を焼き討ちにし、ポーランドを血祭りにあげて、ボヘミア王国の覇権を確立しました。
「勝利者」ジャン・ペトロの後継者となったのが、御年52歳のカレル6世でした。
カレル6世の能力値は4-3-3。カレルの息子のヴラディスラフの能力値は3-5-6だったので(ヴラディスラフの年齢は父の即位時点で34歳)、ボヘミア貴族たちはカレルがはやく引退することを望んでいました。
君主が引退するためには条件が二つあります。
一つは後継者が成人していること。この問題は、既にヴラディスラフの場合は解決済みです。
そしてもう一つは、君主自身の年齢が60以上であるか、統治年数が20年以上であることです。
カレル6世の場合、20年の統治を待つよりは60歳の定年を待つほうが合理的です。それでは、カレル6世のわずか8年の治世の事績を確認しましょう。
1442年のHRE。
カレル6世は1435年にポーランド王国の侮辱をうけて、第三次ポーランド戦役を起こします。
この戦争は二年間続き、ポーランド王国はほぼ再起不能の打撃をこうむりました。カレル6世はジャン・ペトロの事績、つまりポーランド王国打倒という事績を完遂し、東方の脅威を完全に取り除いたのです。
この戦勝に満足したカレル6世は1442年、家督を息子のヴラディスラフに譲って引退します。
家督を継いだ時のヴラディスラフは43歳、3-5-6の能力値を今後十分に生かせる年齢でした。
とくにボヘミアは、一つ目のアイデアに外交部門の外交アイデアを、二つ目のアイデアに軍事部門の貴族アイデアをとっていたため、外交と軍事の能力が高い君主は大歓迎です。
しかもヴラディスラフは自由な発想の持ち主Free Thinkerでした。
この特性はアイデア取得の際の君主点をいくらか削減してくれル、非常に助かる特性です。
しかし今回のプレイに限って言えば、この、カトリックの伝統的権威に挑戦するような皇帝の特性がとんでもない事態を招きます。
すなわち、皇帝ヴラディスラフの破門です。
エクスコミュニケーション!
破門は強力な効果を発揮します。
威信、信仰、そして教皇庁への影響力に多大なデバフがかかる、だけではありません。
カトリックを信仰する聖職諸侯の、破門君主に対するopinionに、軒並み-200のデバフがかかるのです。
このため、外交関係値の拡大に伴って同盟を結んでいたトリーア、マインツ、そしてケルンといった聖職諸侯は順次、軒並み、ボヘミアとの同盟破棄を通告してきます。
これら聖職諸侯は皇帝選挙で一致してプファルツ選帝侯を対立皇帝として推薦し、ボヘミア王の再選を危うくします。
ボヘミア王ヴラディスラフは、いまや生涯で最大の危機に立たされたのです。
(続く)