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EU4プレイの重要な要素である外交について,多くのプレイヤーは同盟をどの国と結ぶかについてしばしば迷うことがあるのではないだろうか。ここでは同盟を組むメリット・デメリットについておさらいしつつどのような同盟国が有効に働きやすいかということについての考察を述べる。
まず,主に考えられる同盟国を作るメリットは以下の6つだ。
プレイヤーの多くにとって同盟を組む最も大きな目的はこれだろう。同盟を組むことで,自国が戦争を開始した時,(The CossacksのDLCが入っていれば)Favorを使うかPromise Landをすることにより同盟国を参戦させることができる。(汎用戦略 軍事:州譲渡を条件に参戦した同盟国への州譲渡回避 も参照)また,プレイヤーが防衛戦争を仕掛けられたときは借金や自国の外交評判が低いなどの理由があって参戦を拒否されない限り全ての同盟国が味方として参戦してくれる。参戦した同盟国は攻勢により敵の主戦力と交戦してもらったり,戦争中に自国で発生した反乱軍に対処してくれたり,要塞や広大な土地によって敵の主力を引き付けてくれたり,果ては敗戦の責任を押し付ける(汎用戦略 軍事:同盟国を利用した和平 も参照)こともできる。EU4で小国プレイが成り立っているのはこのシステムありきだろう。
自国と対象国が同盟を結んでおり,Opinionが190以上で自国が対象国の中核州を持っておらず両者とも戦争中でない場合,国力差などの要因によって外交的に属国化を行うことができる。これはAEを拡散させずに拡張するのに有効であり,開発度の高い未獲得の中核州及び請求権のある州を保有する国や高レベル要塞を持つ国であれば外交属国の成立はその国の土地以上の価値(再征服利用や人的資源と時間の節約)を持つ。また,キリスト教国家であれば後継者断絶または王位の請求からの継承戦争(無い場合もある)によって同君連合を形成できる可能性があり,婚姻同盟はそれが起こる可能性を高める。DLC Leviathanにより,Favorによって強制的に対象国の後継者を自国と同じ王朝のものにするというシステムが追加された。これは現状全世界にAEがばら撒かれる仕様となっており,連発するのはお勧めできないが長年の同盟先の大国を同君連合にするなど使い方次第では非常に強力だ。
同盟国は自国が他国への侵略を行った際のAEの影響が小さくなるという特性がある。この性質を利用して,包囲網に入られたくない国と先手を打って同盟することでその国が包囲網に入ることを(余程多くのAEを飛散させない限り)抑止することができる。また,HRE内の拡張であれば,皇帝と同盟することにより不法な領土の返還の命令を受けないようにできるし,そのほかの地域でも隣接した国家による宣戦のリスクを同盟している期間は排除することができる。また,敵対的な関係になければInstitutionの伝播も行われる。
敵対国が自国に対して宣戦する場合は主に自国+同盟国の戦力の総和を参照する。この性質を利用し,明やオスマンなどの巨大な戦力を持つ国家と同盟を成立させることで,包囲網も含めたあらゆる被宣戦のリスクを大きく減らすことができる。
自分の仮想敵国となる国(A国)とあえて同盟して,A国の足をとにかく引っ張る戦略が存在する。例えば同盟参戦によりA国の拡張先となる国と強制的に停戦期間を設けさせる,さらにその拡張先を塞ぐ,A国を同盟参戦させている最中にA国の同盟国(B国)と戦争を行いB国を滅亡・弱体化させる(A国はすでに味方として参戦しているのでこちらが最初に始めた戦争を止めない限りB国との戦争にはA国は参戦しない),DLC Leviathanで追加されたFavorアクションを用いて同盟を破壊するなどが挙げられる。
防衛戦争を行っている国に対して同盟をし,Call to Armsを受けることで戦争に介入し,講和で利を得るという手法が存在する。ビザンツにおけるアルバニアトラップなどで利用されている。和平の強制,列強介入,武力属国化からの防衛戦争と比較した時の利点は,自国の大きさに関わらず行うことができ,敵よりも早く対象国を占領する必要が無く戦争の和平が起こることも無く,継続して有力な味方を作ることができる可能性があるという点である。対して欠点は何らかの理由により確実にCtAを受けることができるとは限らない点,外交枠を一つ使ってしまう点である。(汎用戦略 軍事:解放国家からの同盟参戦 も参照。)
一方,同盟国の作成に伴うデメリットは以下の4つだ。
6.で欠点として触れたが同盟国は当然ながら外交枠を使用する。外交枠をオーバーした場合には毎月枠の超過数分の外交点が消費されるため,やみくもに同盟を結ぶことはできない。属国や独立保証などのその他の外交枠を使うアクションとの兼ね合いを考えながら慎重に同盟国を選別・乗り換えしていくことがこのゲームでは必要である。
自国が同盟国を戦争に参戦させるように,同盟国は自国を戦争に参戦させることができる。戦力差が互角以上の戦争に巻き込まれた場合は自国も被害を受けることが予想される。また,繰り返し戦争に駆り出されることで戦争疲労や借金が溜まったり,人的資源を消耗したりして自分の思い通りの戦略(例えば停戦サイクルの管理や敵の同盟の弱体化を待っての宣戦)を取ることが難しくなる場合がある。参戦を拒否することもできるが,威信と外交評判に場合によっては致命的なペナルティを食らう。
同盟国は基本的にはFavorと引き換えに参戦させるが,Favorが溜まっていない場合は当然参戦させることはできないし,敵との関係が良好な同盟国は参戦させることが難しい。借金や人的資源の損耗により防衛戦争にすら参戦してくれないことも多くある。必ず戦争に参加してくれる属国と比較して外交枠に割くべきはどちらなのか,国の立地や状況を考慮して選択するべきである。また,Ver1.31ではAIが請求権や中核州のある土地を欲しがったり敵の同盟を重視して,それに応じて参戦の可否が決まるという仕様がある。これに関しては基本的に単独で宣戦して後から同盟を呼ぶことで多くの場合無視することができるので,留意しておくべきだ。
Ver1.31から同盟参戦させた国に請求権・中核州のある土地を渡さないとTrustが下がるという仕様になった。AIの請求権のある土地への欲求対策については,汎用戦略 占領権の横取り を参照することで,相手国へ渡す土地を最小限に抑えることが重要となる。また,前VerまではPromise Landをした場合先に占領権を取ることで約束破りのペナルティを受けずに済む小技があったが,現Verでは占領権に関わらず約束破りのペナルティは発生する模様。(検証求)
以上の内容を踏まえ,同盟国として有力な国及び同盟に向かない国はどのようなものかについて述べる。筆者が考える同盟国として有力な国は,以下の特徴を持つ国である。
このような国はOpinionに補正が付き,もっとも同盟がしやすい。さらに敵国と隣接しているならば高い確率でPromise Landで参戦してくれるため,一時的・長期的な戦争のパートナーとして役に立つだろう。
これらの国は敵国の外交を切り崩すのに適している。釣り出しを活用して参戦させ,上手く同盟を切らせたり,味方として参戦させて仮想敵に単独で宣戦布告可能な状況を作ったり,Favorを使って同盟を切らせたりというアクションを駆使して仮想敵の外交網を破壊しよう。ただし,ライバルの同盟国は同盟のしやすさにマイナス補正がかかるので注意すべきだ。
例:オスマン,明,オーストリア,フランスなど
このような国は自国が大国であっても,小国であっても戦力として,また抑止力として,さらに彼らと敵対しないためにも同盟は非常に有用だ。国内に存在する多くの要塞は敵の進軍を阻み,時間稼ぎをしてくれるだろう。同君連合が成立した時のリターンが大きいのも嬉しい。また,これらの国を同盟参戦を利用して疲弊させ,拡張を抑止することで自身の将来的な拡張が楽になる可能性がある。ただし,無謀な継承戦争に巻き込まれたり,国力差が近くなるとライバル指定で同盟を破棄されるリスクもあることを承知しておくべきだ。
例:ミラノ,ホルムズ,ボヘミア,ブルネイなど
このような国は特に序盤において役に立つ。大国は国力差があるとそもそも同盟してくれないし,拡大志向に走りやすく初期のうちは無謀な戦争に巻き込まれるリスクが高い。このような中小国は積極的な拡大はあまりせず,またFavorの溜まりやすさから参戦もさせやすいという点で有用だ。大国に近い国で,参戦を見込めるなら弾避けとしての利用しやすさという点でも手ごろな国を確保しておくことはおすすめだ。
例:ブルゴーニュ,黒羊朝など
このような国は敵を引き付ける的としてとても有効だ。多くの要塞により時間稼ぎをしてくれて,一度会戦に敗北したとしても立て直しの時間を与え,地形などの有利な状況で再決戦を挑むことが可能だ。また,外交属国にすることができればそれは無血開城と同等以上の価値を持つ。
例:スウェーデン,メーワール,プロイセン,ペルシアなど
これらの国は高い軍質により戦力比を覆す活躍をする可能性がある。また,敵に回すと厄介な国々でもあるため,これらの国と優先的に仲良くなることは自国にとっての防衛の意味合いもある。
このような国との同盟はこちらが戦争している時に背後を突かれないための予防としての意味合いを持つ。しばしば同程度の国力の隣国はライバル視してくるので,このようなパートナーを見つけるまでは最初のリセマラを行う必要がある。
例:ロシア,アラゴン,ヴェネツィア,ヴィジャヤナガルなど
このような国は敵対したり包囲網に入られると非常に厄介だ。しかし味方としてはこれ以上に頼りになる国々はないだろう。AIは資金管理が下手なため,これらの国々はしばしば多くの借金を抱えるのでその点は注意が必要だ。
例:ジャウンプル,ポーランド,マムルークなど
このような国は敗戦の責任を取らせやすいという点で有用だ。Ver1.31で同盟国の領土を割譲させる講和をした場合,対象国のOpinionとTrustが下がるようになって乱発することができなくなった。しかし,1回は確実にこの講和をすることができる。これを利用して同数の戦いを有利に持ち込んだりすることができる局面があり,代わりの同盟国を用意できる状況にあるならぜひ使うべきだ。もちろん,これらの国々は普通に同盟としても戦力になることを忘れてはならない。
例:アルバニア,白羊朝,オリッサ,ザザウなど
これらの国は確定で白兵5~4の能力を持つ君主将軍を持つ国々であり,初期に大国・大同盟に決戦を挑む必要がある国々ではそれらを撃破するための非常に強力なツールとなる。台帳のGreat Leaderの項目で各国の指揮官の能力を確認できるので,近隣国家に強力な将軍がいないかどうか最初に確認しておくと良いだろう。
例:ブランデンブルク,プファルツ,ケルンなど
これらの国は,欧州のキリスト教国家でHRE皇帝選挙に勝利するために同盟を結ぶ価値のある国々だ。皇帝選挙に勝つためには各国の相互のライバル関係を考慮した上で,まず婚姻を結べる君主制国家との同盟を狙おう。また,神権制国家は皇帝と同盟していない国を狙って自国の陣営に引き込もう。これらの国はそこそこの国力もあるので同盟参戦の戦力としても期待できる。
例:スコットランド,ナポリなど
これらの国は,地理的・海軍的な理由で上陸が困難であったり(主にブリテン島やシチリア島など),素早い占領を必要とする際,予め軍を置いてから宣戦布告できる国として有用だ。これらの国が参戦可能なことを確認して,軍事通行券を先にとっておき,軍を敵国境沿いに上陸させてから同盟参戦させつつ宣戦布告することで,放浪軍にさせずに行動することが可能だ。
例:ナジュド,オマーン,チュニス,ケダなど
これらの国は,イスラム教限定でAE-10%のハンバル派,開発コスト-10%のマーリク派といった有用な効果を貰うことができる国々である。AE減は大拡張には重要だし,開発コスト減はアジア・アフリカの制度受容にdevポチが必要な地帯では有用だ。ハンバル派の国は規模が小さい国ばかりなので,後に属国にする前提で同盟を結んでおくと良いだろう。
同盟に向かない・同盟を破棄するべき国は以下の特徴を持つ国々だ。
請求権や中核州のある土地,交易ノードが被っている国の場合,遅かれ早かれ関係が悪化して敵対的な関係になることは間違いないだろう。同盟が無駄になってしまわないように,予めミッションでどのような土地にどの段階で請求権が付くのかよく確認しておこう。代わりの同盟国を用意したり自国の国力が成長したりして用が済んだら,だらだらと同盟しないように同盟破棄の決断を速やかかつ冷静に下すべきだ。
例:HRE自由都市など
属国にする目的が無く,一時的な弾避けとしての利用や自身が小国である場合で無い限りは,小国と同盟することは推奨しない。なぜなら単純に戦力として役に立たないし,防衛戦争に呼ばれるリスクも高く,さらには彼らは我々の国(特に大国である時)と同盟したことで調子に乗って無謀な戦争を開始する可能性すらあるからだ。参戦拒否のペナルティを食らうくらいなら,このような国々とは同盟をそもそも結ぶべきではない。
例:遊牧民・ナワトル国家など
このような国は隣接した場合,同盟よりも領土欲を優先して安定した同盟とはなりえない可能性が高い。また,大国や大同盟に対し無謀な戦争を挑むリスクも高い。酷いときには自ら包囲網戦争を誘発することすらある。(HRE圏であったり君主の性格にNaive Enthusiast,熱意溢れる世間知らずがあると特に高リスク)このような国々とは安定した関係を築きにくいので,一時の関係と割り切っておくべきだろう。このような国々はPromise Landとの相性がいいので,短期間の関係を構築するなら扱いやすい国とも言える。
例:孤立宗教国
このような国は外交孤立の状況にあり,周囲のライバルが結託してタコ殴りに遭うリスクが高い。特に自国が小国である場合はひとたび戦争に巻き込まれると連戦の参戦要請を食らい,それらすべてに勝ったとしても後に大量の借金と戦争疲弊,枯渇した人的資源を残してゲームオーバーに直行してしまうだろう。外交情勢は行雲流水であり,ついさっき同盟が安定していた国が一瞬のうちに同盟が自国だけになっている,なんてこともEU4ではしばしば発生する。大国であればあまり気にする必要は無いが,自国が強きに阿る必要のある中小国である場合は同盟国の同盟関係にも頻繁に気をくばり,このような状況が発生したら可及的速やかに同盟を乗り換えることを検討しよう。
例:リトアニア,モスクワ,遊牧民,ティムールなど
これらの国はいざという時に同盟参戦してくれない可能性が高く,同盟としての価値が低い。自国がこれらの国の借金を肩代わりできるほどの経済力があるなら返済してやることで参戦させることはできるが,そうでない場合はせめてもの同君狙いか,あるいは張りぼての抑止力かどちらかの期待の薄い同盟にしかならないだろう。本当にこれらの国に外交枠を割く価値があるのか,相手の状況(同盟国の釣り出しで参戦してくるかどうか,経済を改善するアイデアを取得しているかなど)をしっかり確認して判断するべきだ。
例:東アジア,アフリカ,アメリカ
これらの国は参戦させても軍質が低いために大した活躍が無いまま戦線離脱する可能性が高い。一応参戦してくれるだけマシで,抑止力及び弾避け,色塗り要員としてはそれなりの価値があると言える。制度受容に関してはRule Britanniaがあれば無理やり追い付かせることもできなくはないのだが,そこまでしてやる価値があるのかどうか……このような国々は過度な期待はしないという前提で同盟を結ぶべきであろう。
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